石灯篭(とうろう)庭園造園・神社寺院用石製品 墓石の老舗石屋
㈱杉田石材店

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。
本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。
~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。
当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

京都伏見稲荷大社へ行ってきました。
伏見稲荷狐 (2)
商売繁盛・五穀豊穣の神様で
全国の稲荷神社の総本宮
伏見稲荷大社説明看板 - コピー
楼門の狐(眷属けんぞく)は、塗り替えられてピカピカでした
伏見稲荷狐台石 (2)
こちらは、本体の長円型に合わせた凝ったデザインの台座
伏見稲荷狐台石 (1)
こちらも青銅の狐
伏見稲荷狐
玉垣は、先端をはじめ全体に丸みがありました。
伏見稲荷玉垣
石屋としては、青銅よりも石製の狐に足が止まってしまいます。

本殿横の狐
全体的に見ても、丁寧に作られているのが伝わる凛々しい狐でした
台座に「買先中」と彫るのもいいですね
石製狐|京都伏見稲荷
玉を咥える牙も細かく彫刻されています。
伏見稲荷狐顔
七宝模様が一周彫刻されて、手の込んだ台座です。
伏見稲荷狐台座

反対側の狛犬は、光の当たり具合で、耳の形がよく分かります。
しっかりとした体つきで、神の使いらしい姿です。
石製狐|京都伏見稲荷
巻物は青銅でしょうか石作りではありません。
瞼や目の彫刻もきれいです。
石製狐|京都伏見稲荷
伏見稲荷の狐は、かっこいいなと思いながら奥へと進んでいくと
こちらは、まったくテイストの違う可愛らしい狐
先ほどの狐と同じ石種ですが、丸みがある作りで、とても柔らかそうに見えます。
伏見稲荷|石製狐
このような犬っぽい狐は、この場所の雰囲気にぴったりでした。
伏見稲荷|石製狐
有名な千本鳥居が目に入ると、
鳥居前にあるという「狐の輪」をすっかり見落としてしまいました。。。

鳥居の下は、ベビーカーでも通れるような段差のない石畳になっていました。
京都伏見稲荷千本鳥居
鳥居の隙間から見えた石灯籠には、
宝珠が舟に乗っているのでしょうか。稲荷らしい彫刻です。
伏見稲荷の石灯籠
赤い鳥居の中に、時々石製の鳥居もありました。
丸柱の根元は、四方から柱を囲むように4本の石が組み合わせてあり
さらに4分割の沓石で囲っていました。
伏見稲荷石鳥居の柱
このように柱と沓石は、並んでいる木製鳥居と同様なデザインになっています。
伏見稲荷鳥居
千本鳥居の間にも、狐が参拝者を見ています。
撮影したどの狐も前掛けをつけていましたが、みんなデザインが違います。
それぞれ似合うものを付けており、大切にされている様子がうかがえます。
京都伏見稲荷石製狐
千本鳥居をくぐり抜けた先、左手の狐からは、強い視線を感じます。
悪いものを見つけたら飛びかかってきそうな、しなやかな体をしています。
京都伏見稲荷石製狐
伏見稲荷石製狐
こちらは休憩所近くの狐
京都伏見稲荷石製狐
伏見稲荷ならではの、稲荷の狐と宝珠が彫刻された石灯篭
狐の春日灯篭|京都伏見稲荷
境内は狐一色かと思いきや、フリル付き前掛けの狛犬もいました。
狛犬|京都伏見稲荷
今回はお山まで登りませんでしたが、たくさんの狐を楽しんできました。
ひとつひとつ違った姿で、同じものがなく面白かったです。
写真以外にも境内にはもっとたくさんの狐がいます(N)

前回、珍しい宝珠のない灯篭として紹介した「桂雪見灯篭」
この灯籠の正面はどこでしょうか。
桂雪見灯篭

次の2枚の写真で、見え方の違いを比較してみます。
①正面から2本足が見える
桂雪見|二本足が見える向き
②正面から3本足が見える
桂雪見|正面に1本足がある向き

桂離宮の本歌を見ると、
正面に足が一本見える向きになっています。
参観ルートの関係で、真正面から撮影できず分かりづらいですが
桂雪見の正面向き

下の写真は、真後ろから撮影したものです
4本足の灯篭なので、正面に足が1本向いていることが分かります。
桂雪見|桂離宮の石灯篭
正面中央に1本足がくるようにします。
桂雪見足の向き
通常デザインの雪見灯篭と同様に、
この面を正面にしたくなりますが・・・ ↓
桂雪見足の向き

改めて足の向きが異なる写真で、全体を比べてみます。
桂雪見灯篭
足の形が立体的に見え、足の曲線が活きます。
全体に灯篭の背筋が伸びた印象になります。

正面から2本足が見えるようにすると、足が短く見え
上部の曲線が単調で、平面的に見えるような気がします。
桂雪見|足平行
お好みなのかもしれませんが
デザインに関わった人が意図したものを、感じられる気がします。(N)










灯篭には宝珠があるのが一般的で
どの灯篭を見ても、約束事のように一番上に存在しています。
石灯篭には宝珠がある
そんな中でも珍しい、宝珠(玉)のない灯篭をご紹介します。

【桂雪見】という型で、
本歌(灯篭の原型)は京都の桂離宮にあります。
桂雪見|桂離宮の石灯篭
園林堂へ向かう道の右脇にあり
周りを眺めて歩いていると、足元を通り過ぎてしまいます。
それほどに自然と馴染んでいました。
桂雪見|桂離宮の石灯篭
(笑意軒側から撮影)


デザインする段階で、灯篭のパーツを1つ省いてしまったとすれば、
ずいぶん思い切ったデザインです。
桂雪見|桂離宮の石灯篭
桂雪見といえば、宝珠がない灯篭として知られていますが、
書籍によっては、
「本来は形の良い宝珠があったのかもしれない」と記載されているものもあります。
桂雪見|桂離宮の石灯篭
今の姿を見る限りでは、笠の中央部のふくらみ具合からも、
宝珠なしのデザインで作られているように思えます。

桂離宮で桂雪見の近くに立っている三角雪見も、宝珠のない雪見灯篭ですし
宝珠なしは、意図的にデザインされたと考えてしまいます。
三角雪見

弊社製作品の桂雪見は
現代、桂離宮で見られる宝珠のないものを模して製作しております。
桂雪見|桂離宮の石灯篭
笠を上から見ると六角形
桂雪見|雪見灯篭の笠
中央はわずかに膨らんでいます。
桂雪見|雪見灯篭の笠
桂雪見|雪見灯篭の笠
ちょっと変わった桂雪見は、かわいらしさと品位があり
玄人好みの灯篭と言えるかもしれません。(N)

 

↑このページのトップヘ