岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

餅臼のメンテナンス(補修)をしました。
・内側の磨き直し
・欠け補修
・ヒビ補修
側面のサビ汚れ落とし

ご自宅から車で持ち込んでいただきました。
段ボールを敷いた上に、厚手のシーツにくるまれた石臼は、
布を持ち手にすることで、持ちやすくなります。
餅臼 (1)運搬荷姿
直径47㎝ 高さ28㎝ 小ぶりの臼だったので、
石屋の職人だと直接石臼を持っても、一人で荷降ろしできました。
餅臼 (3)荷降ろし一輪車
石の状態を確認していきます。
白い雲母が、キラキラとした岡崎産のみかげ石でした。
内側の磨き直しも、問題なくできそうです。
内側にある錆は、深さによりますが、
磨き直せば、落ちるか、落ちなくても薄くなります。餅臼 補修|加工前錆汚れ
石の欠けは、縁を丸めれば、目立たなくなります。
ただし丸くする分、縁の厚みは薄くなります。
餅臼 (7)加工前欠け
臼を見ていると、縁にヒビがありました。
このヒビをどう補修しようか。
餅臼 補修|加工前錆汚れ
ヒビの範囲が広く、外側の側面からもヒビの跡が見えました。
餅臼 補修|加工前錆汚れ
石を上から2㎝カットしてみることにします。
断面をみてヒビの深さを確認できますし、
欠け部分もなくなります。
この方法なら、縁が薄くならなくてすみます。

深さ2㎝の位置に印を付けます。
指金に赤鉛筆を括り付けて、指金を縁に沿わせて一周します。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
線に沿って、石材用のカッターで石を切ります。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
こんな感じで切れていきます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
今日の一番の見所
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
綺麗に輪っかに切れました。
軽量化も期待してましたが、1-2キロかな。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
カットしたら、欠け部分もなくなりました。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
カットした断面は、大きくヒビが入っていました。
カット前は、そこまで目立たなかったので
切ってみてよかったです。知らずに使っていたら、
何かの衝撃で落ちてしまう日が来ていたかもしれません。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
ヒビにボンドを差して補強します。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
ヒビの内部までボンドが入り込んでいくと、
側面側からボンドが染み出てきます。
ボンドが、これ以上入らなくなるまで入れます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
側面から染み出てきたボンドに、
カットした時の石の粉をつけます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
カットした面と、縁を加工していきます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
縁はビシャンをあてて、丸くしていきます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
左側がビシャンを当てたところ、右側はカットしたまま
角がつぶれた感じになっているのが分かりますか?
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
角に砥石を当てます。
(手の中に砥石を持っています)
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
角が丸みを帯びました。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
縁の上面に砥石を当てます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
触ると、さらさらした感じになります。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
こんな道具も使います。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
内側の石を削って、形を仕上げます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
さて、いよいよ磨いていきます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
こんな感じで。
石に体重を乗せながら磨いていきます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
◆磨きの詳しい工程 過去の記事を↓


【加工前】
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
【加工後】磨き直し完了
内側のサビも落ちました。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
◆作業の日数
概ね一日で作業しています。
他の仕事の兼ね合いもあるので、
通常、1週間から10日のお預かりをお願いしています。

◆費用について
石臼内側の磨き直しのみ
店頭へお持ち込みいただき、引取にご来店の場合
目安:2~3万円程度(税別)2025.12現在
石の状態、表面の凹凸具合によっても費用が変わります。

◆補修について
完全に割れてしまった(二つに)石臼の接着はできますが、
餅つき用の臼としてのご利用はできません。
(水鉢としてのご利用はできます。)

ヒビの状態によっては、
補修しても、餅つき用には使えない場合があります。
石自体がホロホロの状態ですと、補修をお断りすることがあります。

詳しくは、お問い合わせください。
石のお写真をお送りいただけると、ある程度判断ができます。
補修可能かは、石を直接見てみないと判断ができません。(N)

~関連記事~
◆側面のサビ落とし↓


◆欠けの補修と内側の磨き直し↓
















内側の磨き直しに、持ち込まれた石臼(餅臼)です。
側面に付着した茶色のサビを落とします。

かまどのような枠に、はめて使用されていたのか、
外周に同じ高さで8か所くらい、茶色の跡がありました。
水平方向のサビが垂れて、縦方向に帯状に茶色くなっています。
餅臼のサビ落とし|加工前側面のサビ
お餅をつくには、影響はありませんが、
食べものを作るので、できれば見た目をきれいにしたい。

こちらは薬品を使って落とします。
漂白剤のような役割の薬品を塗って、水洗いします。
ゴム手袋をして作業を繰り返します。
餅臼のサビ落とし|作業中
冬場だと気温が低く、薬品の反応に時間を要します。
当日中の引き渡しのご希望だったため、
少しサビが残っていました。
時間を掛ければ冬場でも、もう少し落とせたかも。
餅臼のサビ落とし|加工後
作業の続きは、温かくなってからお客様に
やってもらうようにお願いしました。すみません。
茶色の面積は、かなり減りました。
餅臼のサビ落とし|加工後
目立たなくなったヒビの補修箇所の目印として、
あえて1か所だけは、茶色のサビを残しました。
餅臼の補修メンテンナン|ヒビの補修
ここにお餅を反す人がいれば、
ヒビのある縁を叩いてしまうことを避けられます。
餅臼のサビ落とし|加工後
お客様と餅つき談義
「餅つき機のお餅とは違うんですよね。」
「よもぎ餅ってやったことあります?」
「うまく出来なくて、、、」「こうこうこうするといいですよ」
「お湯ってどれくらい張ります?」「布巾をかけて置いておきます」
「ついたお餅どこに出します?」「入れる用の木枠があって」「うちはのし袋に」
と、家庭ごとに違う餅つき事情も面白いです。

餅つきは前日の準備から、当日の餅つきで疲れたところに、片付けと
結構大変な行事でもあります。

でも、なぜやるのかと聞いてみると、
『みんなが喜んでくれるから。』という声が多いです。
毎年やっていると親戚が待っているし、子どもたちも喜んでくれる。
これなんですよね。おいしいお餅はもちろん
みんなで集まって作るのは、楽しいですよね。

今はまだ遊んでいる子どもが、
だんだんと戦力になっていく、成長も感じられます。

実家でやっていた餅つきを、自分たちでやろうと
世代交代だそうです。
こういう行事を残していきたいと話されていました。

みんなで苦労して味わうお餅つきは、
きっと記憶に残っていきます。

これからも年末にみんなで餅つきができますように
良いお年を!とお見送りをしました。(N)

同じ石臼で、ヒビ補修もしました。
◆ヒビ補修↓


◆縁の欠け直し(石を丸める場合)と磨き直し↓


◆磨き直しの工程↓





『お庭にポイントとなる石を置きたい』と
水鉢をお探しのお客様が、ご来店されました。
「何かいいものはないか」と展示場を歩きながら
在庫の石をあれこれ思い浮かべます。

いろいろな製品や石をご案内していくうちに、
工場にあった石に水穴をあけて、水鉢を作ることになりました。
水穴を縁起物でもある『ひょうたん』の形にします。
加工前 (1)オーダーメイド製作の水鉢
実はこの石、蛙が彫ってあります。(未完成の状態)
蛙も縁起物です。
加工前 (3)オーダーメイド製作の水鉢
つぶつぶの石の模様が「いぼ蛙」っぽくて
蛙を彫りかけたものの、
何にしようかなと工場に置いたままだった石です。
加工前 (4)オーダーメイド製作の水鉢
はっきりと彫っていない蛙も
「これくらいが良い」と気に入っていただきました。
この蛙も、このままで彫り進めません。

この石に、水穴をあけて水鉢にします。
選んだ石を見れば、石好きの人だと分かります。
もちろんお話していくうちにも、段々と伝わってくるのです。
加工前 (2)オーダーメイド製作の水鉢
コア抜きの機械で、水穴の深さを決めます。
ひょうたんの下側(大きな丸)は深めに、上側は浅めに彫ります。
コア抜き後 (2)オーダーメイド製作の水鉢
堆積していた石の粉が落ちたら
蛙のイボイボが面白く出てきました。
気持ち悪いと言ってしまえば、まぁそうかも。
(でも石屋的には面白いのです。)
コア抜き後 (5)オーダーメイド製作の水鉢
この石について、調べてみました。
ハイアロクラスタイト(水中火山岩?)かなー
北海道忍路(おしょろ)半島の露頭と似ています。角礫岩?
もう少し調べて、書き足します。

水穴をノミで彫ります。
ノミ (1)オーダーメイド製作の水鉢
この石を選んでくれた美意識に見合うように、
『ひょうたんを彫りました!』と、なりすぎないように。
ノミ (5)オーダーメイド製作の水鉢
完成
完成 (1)ひょうたんの水鉢
曇り空で撮影すると、丸い形が
水穴なのか、石の模様なのか分かりません。
そこも、おもしろいなーと思ってしまいす。

一般的にはダメなのかもしれませんが、
今回の場合(石好き的には)めっちゃいい。なのです。
完成 (2)ひょうたんの水鉢
さてさてお楽しみ、水穴に水を注いでみます。
ひょうたんの水鉢|オーダーメイド製作
水を入れると、ひょうたんの形が浮かび上がります。
水はツルの部分から、側面に流れるようにしました。
ひょうたんの水鉢|オーダーメイド製作
蛙が水浴びできるようになっています。

一目見ただけでは、
そんな仕掛けに気が付かない水鉢
ひょうたんの水鉢|オーダーメイド製作
上から見ると、ひょうたんのシルエットは、
礫(れき)=石の塊の粒を削らずに
角ばった礫の形に合わせてガタガタさせています。
ひょうたんの水鉢|オーダーメイド製作
こうすることで、全体の石に馴染んでくれます。
ひょうたんの形をはっきりさせないポイントです。
ひょうたんの水鉢|オーダーメイド製作
側面に潜んでいる蛙を
見つけた時の楽しみがあります。
ひょうたんの水鉢|オーダーメイド製作
万人には求められないかもしれないけれど、
好きな人はいる。こういう水鉢の製作は楽しいです。(N)











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