岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

2015年09月

神社の常夜灯の笠を修復しています。
普段なかなか見ることのない、石屋さんの作業工程をご紹介します。
今回は断面の石の厚みが10㎝程度あるので、断面にステンレス製のピンを差して
接着して修復します。
割れた石材のそれぞれ、同じ箇所に穴をあけるようサイズを測り、重量バランスを
考慮して印をします。
今回は石材の欠片も大きいので赤丸印の二か所にピンを入れます。
(柔らかい材質の石や、風化が進んでいる石の場合には、穴あけ作業の際に石が
割れてしまう危険があり修復をお断りする場合がございます。)
灯篭笠修復1
灯篭笠修復2
印の箇所に穴をあけ、石の断面に切り込みを入れ溝をつくります。
(石屋さんは、場を荒らすと表現します)
平らな断面に比べると溝があることにより接着剤の食いつきが増し、より接着効果が期待できます。
灯篭笠修復3
穴に石材用の接着剤をしっかりと入れます。
灯篭修復穴に接着剤
穴のまわり、断面全体にも接着剤をしっかりと塗ります。
灯篭修復接着剤
欠片側も同様に作業してステンレス製で溝のあるネジ式のピンを差します。
灯篭修復欠片ピン差
こちら側も断面に接着剤をしっかりと塗ります。
灯篭修復欠片接着剤
石同士をぐっと押しつけてくっつけた時に、はみ出す程度の厚みでしっかりと接着剤を付けます。
接着剤が乾かないうちに手際よく進めていきます。
こちらは石に合わせた色に調合したセメントです。
セメント色粉
石の断面の周囲は、接合部が目立たなくなるような色のセメントを使います。
乾いていない状態では茶色く目立ちますが、乾くとほどよい色になります。
灯篭修復セメント付け
ピンを穴に差し込みます。
灯篭修復接合1
しっかりと押し付けて
灯篭修復接合2
はみ出したセメントをふき取ります。
DSCF1531
石同士を固定して、しっかりと接着剤が固まり、安定するまで1週間から10日程度このまま待ちます。
灯篭修復固定
写真の左上の角が接着した箇所です。
灯篭修復固定
通常、石を固定する為に使うベルトがあるのですが、たまたまベルトが出払っていたので、
いろいろなものを使って縛ってあります。
ノミがぶら下がっているのがおもしろいので写真を撮ってみました。

壊れた常夜燈
灯篭の上に木が落ちてきた為に、常夜燈の上の部品が参道に落下してしまいました。
腐りかけた木が見上げるような高さから落ちてきたようで、これが日中人通りのある時間だったらと想像すると、ゾッとします。幸いにも、落下した時には近くに人はいなかったようでケガ人がなくて本当によかったです。
1m角の大きな常夜燈の笠はひっくり返って地面に落ちて割れてしまいました。火袋はバラバラに、玉は無事、受けは小さな欠けはありますが、割れはありませんでした。
壊れた石灯篭神社常夜燈
灯篭の笠の大きく割れた部分は修復することに、柱が折れて修復できない状態の火袋は新しく作り変えることになりました。

小さな欠けの場合、目立たない向きに欠けている箇所を向けて、直さずそのまま設置し直すことも考えられますが、今回のように常夜燈の笠が、これだけ大きく欠けていると重量バランスが悪いため危険です。
また柱が折れてしまった火袋は接着剤等で元の姿に戻すことも可能ですが、上に重たい笠、玉が乗ることを考えると強度が弱く危険なため修復は困難です。

石の質によっては加工途中で石が割れてしまうなど、修復が困難な場合もございます。こちらの灯篭に使われている石は非常に硬い良質の御影石で、割れた断面をみても風化せず、しっかりとした石目が見られました。
この常夜燈に刻まれていた年号は安政四丁巳年 1857年
常夜燈安政四年
今から158年前の灯篭です。
石質や造りを見ても、当時の腕の良い職人さんが加工したのだろうと想像できます。
これだけ硬い石を山から切り出すことも今とは比較できないほどに苦労したことでしょう。
幕末の時代に地域の人の願いが込められて建てられたであろう常夜燈、修復してまた神社の前に建てられるような姿にします。
修復の作業工程は、またご紹介させていただきます。
修復について>>

伊達冠石 道祖神設置例
伊達冠石を使った道祖神が完成しました。
こちらは、お客様のご注文品で制作させていただきました。
狐をモチーフとして、その他はお任せいただきました。
二人が優しく狐を見つめています。
まぶたや唇は石を切るように加工します。
伊達冠石 道祖神 表情
狐の耳は、先端がとがっているので加工は慎重になります。
伊達冠石 道祖神 狐
女性の着物の柄は蝶と牡丹
伊達冠石 道祖神 女性着物
男性の着物は七宝柄、亀甲に源氏車と雲です。
道祖神 着物柄 七宝柄
このような細かい作業は神経を使います。
デザインをお任せいただいたお客様の期待に応えられるよう丁寧に加工をしました。
伊達冠石 表面と加工面
伊達冠石の表面は鉄錆色、加工した面は黒色のコントラストが出て、
伊達冠石の魅力を生かした道祖神となりました。
道祖神 伊達冠石 右側

製作の様子はこちら >> ~お庭に置く伊達冠石の道祖神を制作しています~

伊達冠石
こちらの石は伊達冠石という宮城県の大蔵山から産出される石です。
泥かむりとも呼ばれ、外側の表面は茶色ですが、石をカットすると中はグレー色で磨く(研磨する)と真っ黒になり、大蔵山でしか採れない珍しい石です。玉石状に産出されます。
彫刻家のイサムノグチ氏が作品に使用したことでも有名です。
直径9寸(約27cm)程度からサイズがございます。
伊達冠石 >>
伊達冠石
この伊達冠石で道祖神を制作しております。
お客様のご希望は狐をモチーフとした道祖神で、デザインはお任せということでした。
道祖神下書き伊達冠石
彫刻する部分の石の表面を削り下書きをします。狐の両脇に男女が座っています。
道祖神荒彫り伊達冠石
荒彫りをしていきます。
表面の色とは違い中はグレー色ですが、表面に近い層はまだ少し茶色が混ざっています。
道祖神荒彫り伊達冠石
完成は またご紹介させていただきます。

続きはこちら >> ~お庭に置く伊達冠石の道祖神 完成しました~

本鞍馬つくばい
肩幅程度の比較的こぶりな蹲(つくばい)です。
見た目には持てそうなのですが、実は、けっこう重たいんです。
W40×D28×H21㎝ 28㎏
持てなくはない重さですが、無理に持つと腰を痛めてしまいます。
石には持ち方にコツがあります。
ちからづくで持たなくてもいい方法を職人さんが教えてくれました。
今回紹介する方法はこちら
石の持ち方コツ
両足をひらいて腰を落とします。自分の両ひざに肘をかけます。
持ち上げようとするのではなく、腰を下ろすつもりでお尻を下げます。
するとテコの原理で持ち上がります。
BlogPaint
石を動かすことの多い職人さんたちは、なるべく力を使わずに石を動かしています。
もっと大きくて、人の力では動きそうもない石も、機械がなくても道具を工夫したり
経験と知恵と工夫で運びます。(N)




今回ご紹介した本鞍馬石のつくばい
小さなものは30㎝程度からございます。一点一点形や大きさが異なります。
58,000円 + 送料・税~ 本鞍馬石のつくばい

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