蹲(つくばい)をお庭にどうやって設置したらいいか。
前石、湯桶石や手燭石など役石を加えて構成する方法もありますが、形式に捉われず自宅のお庭を楽しむことを目的としたご提案です。役石を使わずにメインになる蹲だけの設置方法をご紹介します。
展示場の北側は苔がきれいなので、苔の中に置いてみました。
玉砂利の上に直接置くのではなく、玉砂利と蹲の間に隙間があるのがわかりますか。
銭鉢の底面には3㎝程度(直径1.3尺丸の場合)の座が付いています。
更にかさ上げする為に、蹲より面積の狭い台石の上に置いてみました。
こうすることによって地面と蹲との間に空間が生まれ、軽やかな印象になります。
銭鉢1.3尺 詳しい製品紹介
台石の周りには那智石という黒い玉石を敷きました。黒く艶やかな玉石と、ムシリ仕上げの凹凸のある蹲の石肌は同じ石でも異なる表情が楽しめます。
【台石の上に設置する】
蹲の直径と同じサイズの台石に置いたもの 銭鉢(甲州鞍馬石)の詳しい製品紹介
台石に利用した挽き臼 挽き臼の詳しい製品紹介
こちらは飛び石の上に置いたもの
どのように設置するかによって同じ銭鉢でも違った雰囲気になります。様々な見せ方を試してお好みの庭をお楽しみください。
2018年03月
【石貼り・石張り】古材の板石を使った和風の通路
玄関アプローチのリフォーム工事をしました。
【施工前タイルの通路】
既存のタイルを解体し、電板と呼ばれる古い板石を並べました。
【施工後】
古材の電板は一枚一枚サイズが微妙に異なります。石を切ることなく、かつ隙間を作らず並べたいというご希望のもと石の並びや色味を考慮し採寸して施工しました。上手く曲がり角の石のあわせがぴったりと収まりました。
【設置から4か月後】
人が歩くことによって設置したてよりも、石本来の姿を取り戻したように感じます。写真を撮るためにお客様が水を撒いてくれたので石色がよく出ています。苔と石がきれいなお庭です。
同じ古い電板をホースの台石にご利用いただいています。何気ない使い方に見えますが砂利のスペースの中でアクセントとなり全体がスッキリと見えます。実用面でも安定して使いやすいのではないでしょうか。
常滑焼の鉢で蓮を毎年楽しまれるとのこと。板石を通路以外に台石として使うのも素敵です。
毎日出入りする玄関前の通路。
この石の通路を歩いて、家族が出かけ、帰ってきたり、お客様を迎えられたり。子どもたちが庭で遊んだりと生活しているからこそ温かく感じるのかもしれません。
【設置事例】かわいい石灯篭のあるお庭

お客様のお庭をご紹介します。
古い桃山灯篭(以前ブログで紹介した記事)の柱をはずし、置灯篭として設置させていただきました。
【桃山灯篭の元々の型】

ご来店いただいた際に柱をなくして上側のパーツだけを設置されることをお考えとのことでしたので、パーツの組み合わせや柱を短く作り変えることなどをお客様と相談しました。こんな風に試してみるだけでも楽しかったです。

昨年末、設置した際には玉を外して楽しんでいらっしゃいました。シンプルで素朴な佇まいです。

現在は玉を乗せた状態を楽しまれています。玉を乗せると灯篭らしい姿になります。このように、これが正式、これは邪道などと決めつけず自由に楽しんでいただければと思います。

新たに植えられたアセビの木は山採りのものを探されたそうで、灯篭にかかる枝ぶりがきれいです。
今回組み合わせなかった柱は、つくばいに作り替えました。
柱の上部に水穴を掘り、立つくばいにして玄関脇へ(製作の様子は以前のブログ記事)

灯篭も水鉢も古庭から引き取ったもので元々同じお庭にあったものならと、一緒にお庭にいれていただきました。新たなお庭で楽しんでいただけるのは様々なご縁あってのこと。この灯篭に、人を引き寄せる力、魅力があるのだと思います。笠に桃が彫刻してある桃山灯篭の多くは、正面から絵に描いたような桃の形が彫刻されていますが、こちらのように控えめな桃が可愛いと思う感覚を共感していただけただけでも嬉しいです。

【石屋の仕事】石を切る方法〜回し切り〜
「回し切り」と呼ばれる機械で石を切っていく様子をご紹介します。

十三重層塔の10枚目の笠(1.7尺角)になる材料を切っています。
スライスして10枚目の笠が2枚分、9枚目の笠が2枚分できます。

使用する刃の大きさは直径約1m。

刃の厚みは7mm

石を回転させながら外側から石を削っていきます。
石が切る音や切れていくスピード感は動画でご覧いただけます。
2時間かけて1.7尺角の石をスライスしました。庭石や六方石など硬い石は回転速度を落として刃の負担を減らしてゆっくり時間をかけて切ります。
外周から石を削り中心部を一寸程度残して機械を止めます。芯を残さず切ってしまうと刃の上に石が落ちてしまう為です。

刃の厚み分より少し広く石が削られました。

この隙間にクジリという道具を入れて上下に分けます。

力を入れなくてもクジリを隙間に入れるだけでも、上側の石がトン落ちることもあります。


十三重層塔の10枚目の笠(1.7尺角)になる材料を切っています。
スライスして10枚目の笠が2枚分、9枚目の笠が2枚分できます。

使用する刃の大きさは直径約1m。

刃の厚みは7mm

石を回転させながら外側から石を削っていきます。
石が切る音や切れていくスピード感は動画でご覧いただけます。
2時間かけて1.7尺角の石をスライスしました。庭石や六方石など硬い石は回転速度を落として刃の負担を減らしてゆっくり時間をかけて切ります。
外周から石を削り中心部を一寸程度残して機械を止めます。芯を残さず切ってしまうと刃の上に石が落ちてしまう為です。

刃の厚み分より少し広く石が削られました。

この隙間にクジリという道具を入れて上下に分けます。

力を入れなくてもクジリを隙間に入れるだけでも、上側の石がトン落ちることもあります。

石屋が伝えたい石の魅力
以前、袈裟鉢をご購入いただいた庭師さんから
「お庭に一点石を置くことによって庭に重心ができる」
というお話をうかがいました。
作って数年経過したお庭へお勧めしてみるとのことで、
見せていただいたお庭は、コケや樹木などの植物で
構成された自然に包まれた素敵なお庭です。
このままでも十分素敵なお庭ですが、
中心部へ水鉢を置いた風景を想像すると
お庭に核ができたように、ガラリと雰囲気が変わりそうです。
自然の中だからこそ石の造形物が映え、
逆に植物は石造物によって、植物の色や風に揺れる葉が生き生きと引き立ちます。

日本庭園でイメージする庭石などは多くの場合、
石の半分以上が地中に埋まっています。
見える部分は、全体の一割程度という場合もあります。
だからといって見える部分だけをカットして
地面に置いてしまうと、不思議なことに石の力強さは
なくなってしまいます。
見えない地中にある部分からも
石が持つ力が発せられているように思います。
物言わず動かず、その場所に意思を持って有るように。

天然資源である石との出会いは一期一会。
全く同じ石は手に入りません。

迫力のある石、静かな力強さがある石、
個性のある石 素直な石、いろいろな石があります。
横に寝かせたり立てたり、角度を付けてみたりと
向きを変えるだけで見え方が変わります。

手を加えるとガラリと表情を変えます。
きれいでずっと触っていたくなるような石肌もあります。
玉状で採石される石は、切ってみないと中の状態はわからないので切るときは緊張します。だからこそ、きれいな表情の出たときには感動があります。

これらは製品に加工するために選定した石です。
魅力を引き出し、良いものを作りたいです。(N)
「お庭に一点石を置くことによって庭に重心ができる」
というお話をうかがいました。
作って数年経過したお庭へお勧めしてみるとのことで、
見せていただいたお庭は、コケや樹木などの植物で
構成された自然に包まれた素敵なお庭です。
このままでも十分素敵なお庭ですが、
中心部へ水鉢を置いた風景を想像すると
お庭に核ができたように、ガラリと雰囲気が変わりそうです。
自然の中だからこそ石の造形物が映え、
逆に植物は石造物によって、植物の色や風に揺れる葉が生き生きと引き立ちます。

日本庭園でイメージする庭石などは多くの場合、
石の半分以上が地中に埋まっています。
見える部分は、全体の一割程度という場合もあります。
だからといって見える部分だけをカットして
地面に置いてしまうと、不思議なことに石の力強さは
なくなってしまいます。
見えない地中にある部分からも
石が持つ力が発せられているように思います。
物言わず動かず、その場所に意思を持って有るように。

天然資源である石との出会いは一期一会。
全く同じ石は手に入りません。

迫力のある石、静かな力強さがある石、
個性のある石 素直な石、いろいろな石があります。

横に寝かせたり立てたり、角度を付けてみたりと
向きを変えるだけで見え方が変わります。

手を加えるとガラリと表情を変えます。
きれいでずっと触っていたくなるような石肌もあります。
玉状で採石される石は、切ってみないと中の状態はわからないので切るときは緊張します。だからこそ、きれいな表情の出たときには感動があります。

これらは製品に加工するために選定した石です。
魅力を引き出し、良いものを作りたいです。(N)