京都の広隆寺に本歌がある太秦灯篭をご紹介します。広隆寺太子殿前の灯篭は本歌の写しです。
こちらは弊社製作の太秦灯篭5.0尺。
『丸い地輪(一番下の土台)は太秦』と入社当時カタログ掲載品の中で一番最初に覚えた灯篭でした。この丸い地輪が洋菓子の“カヌ”レのような タルト台のような 和菓子の“菊”ような 規則正しい花型がきれいです。
この特徴的な地輪には、花びらの付け根と先端に水が溜まります。こうしてみると一枚一枚丁寧に彫刻されているのがよく分かります。
上から見ると花びらの形がよく分かります。縁取りが高くなっているので花びらの先端に水が溜まります。
この地輪も魅力的なのですが、ほかにも個性的なデザインがたくさんあります。
柱の中央部分には帯があり、帯留めのように花の彫刻が四方にあります。

宝珠の形もおもしろいです。
火袋の火口(正面)は四角、その反対側は小さな円窓(丸い窓)です。四角の中に丸を当てはめて真正面から見たくなるデザインです。
後ろ側に回ってみると、連子(縦の平行線)の中に窓を作っているのが分かります。
凝ったデザインの灯篭ですが、決して奇抜には見えず、まとまりがあって存在感のある灯篭です。
詳しい製品案内はこちら『太秦灯篭』
2018年06月
神社の石碑ができるまで~沓石(土台石)加工~
土台となる沓石(くついし)に
石柱をはめ込むタイプの石碑を作ります。
文字を刻む石柱のサイズを決め、沓石をお客様と選びました。
沓石は岡崎産の亀甲石
150㎝角 高さ60㎝ 重量3t
亀の甲羅のような模様が、石の表面に見られる石を
「亀甲石」といいます。自然に線状の溝ができています。
沓石の上の面を、四角くくり抜きます。
36㎝角の石柱より一回り大きい39㎝角の穴を掘ります。
四隅に穴をあけ、深さの基準を決めます。
穴の深さまで全体を掘り下げていきます。
カッターで切り込みをいれます。
切り込みを入れたところから、石を割って取り除いていきます。
使用しているチッピングハンマーAA-2という道具。
本体重量5.5kg、持つだけも重たいです。
チッピングハンマー 
用途に応じて、サイズ違いの道具も使います。
打撃の力が違います。
広い場所は、大きな刃の道具も使えます。
こんな風に切り込みを入れます。
石を割っていきます。
かなり大きな音がします。
耳栓をしないで音を聞いていると、耳からではなく頭の中で打撃音が響いてきます。

中心部は石柱の底面が当たらないように、周囲よりも低くしてします。
斜線部分で柱石を支えます。
(中心部にはステンレスのパイプを通します)
穴の加工ができました。
石を彫ってみると、石の中心にいくほど石の目が詰まっていきました。
同じ石でも表面と中心部では、石の状態が違うことがあります。
穴を掘り作業を見ているだけで
「思っていたより硬そう」と石の断面からも判断できます。(N)
道祖神の製作~かわいいふくろう道祖神~
【弊社ホームページに掲載しているが完売の製品】
あかり道祖神のフクロウ部分のみを製作します。

お客様はデザインとともに重量も気にされていましたので厚みのない石で、石肌の似通ったものを選びました。
本鞍馬石 高さ40㎝ 幅34 奥行15㎝ 加工前で30㎏ 彫刻するともう少し軽くなり女性でも設置できるようになります。

上の方が尖っているので、少し丸く形を整えます。下部は軽量化の為と設置しやすさを考えカットします。離れた場所からお庭を眺めるとのことで、二羽のフクロウは大きめに彫刻します。

少し風化して自然な雰囲気がある彫刻にしました。底面をカットしたこととフクロウの彫刻をするとにより30㎏から完成後には20㎏になりました。くり抜いた穴に両手をかけると運びやすいです。

ふくろうの翼は設置すると見えなくなる部分ですが、このような部分は持ち主しか知らない楽しみとなるよう製作しました。

お客様よりお庭に設置した写真をお送りいただきました。お庭に入ると二羽の寄り添うフクロウが生き生きと見えてきます。

お庭を眺める時間が楽しい時間となっていただけたら嬉しいです。

ご丁寧なお手紙ありがとうございました。
蹲(つくばい)の置き方 正面の向き
使い方や場所に応じて埋め込み具合や、水の垂れる傾きを調整します。
どのように置くのか吟味するのも楽しみの一つです。
お庭に合わせて好みの見せ方を考えます。
例えば、形に個性のある本鞍馬石の蹲(つくばい)。
こちらの面から見ると石の丸みがあり、柔らかい雰囲気があります。

反対面から見ると、印象は変わります。

この面から見ると斜めにせり上がったラインがかっこいいです。
せり出した所から水をオーバーフローさせるなら、こちらを正面にしたくなります。


前後どちらを正面にするかによって印象はがらりと変わります。
少し角度を付けて斜めに置いてもよさそうです。
設置場所によっては、背面が見えなくなったり、
一方向からしか見えない場所もありますので
その場にふさわしい形を探すのも楽しいです。
自立しないこのような形の蹲は、支えに使用する石によっても雰囲気が変わります。
例えば【六方石 の場合】
⚫︎天然の石肌を見せると全体が馴染みます。

⚫︎石の中側の黒色を見せると割れた黒色が際立ち
本鞍馬の茶色の石肌とコントラストができます。

【蹲と同じ本鞍馬石の場合】
格段に存在感がアップします。

別の本鞍馬石に変えてみると、少し優しい雰囲気になります。

同じ本鞍馬石でも力が強く主張のあるものや、少し柔らかい雰囲気のものもあります。
つくばい周りのバランスや設置場所の雰囲気に合わせてお選びいただけます。(N)

本鞍馬石の蹲(つくばい)の配達

選んでいただいたこちらの石は本鞍馬石という石で、庭に使用する石材の中でも高級な石とされています。京都の鞍馬から産出されます。見た目は濃い茶色で鉄分を含むため錆色を帯びて表面の石肌が剥離していくのが特徴です。玉状で採石され底面は丸くなっていることがほとんどです。写真のような石肌の石は現在採石できず、とても貴重なものとなっています。
設置する玄関前の場所は蹲が360度、どの方向からも見渡せるとのことで、どの角度から見ても自然で良い姿の石をお客様と探しました。本鞍馬らしい石肌と色合い、全体に丸みがありオーソドックスな蹲らしい形というご希望のもと選んでいただきました。
蹲の下部は土に埋めます。埋め込み具合はお好みですが、見える高さを30センチにすると剥離部分は隠れます。高さ40センチくらいにすると剥離部分を見せることができます。剥離しかけている箇所を見せるのも素敵です。埋め込む際に左下に石をかって設置すれば剥離を防げます。

スリングベルトをかけて吊り上げる際には柔らかい素材のベルトを使用しました。剥離部分に負荷がかかり完全に剥がれてしまうことも心配された為です。


石を運ぶ時にはバンキという角材の木を支えに使用しますが今回毛布を丸めたものに置きました。剥離部分には何も触れないようにして配達します。

こんな風に固定して名古屋まで行きます。

今回はお庭造りをしている業者様が設置されますが、弊社にて設置することも可能です。蹲に水が満ち石肌を水が伝う姿を思いうかべるとお庭の完成が楽しみです。