岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

2020年10月

石の表面がピカピカしている加工を磨き仕上げといいます。
ビルの壁面や表札、記念碑・墓石などで多く見られます。

機械を使う研磨ではなく、
今回は手作業で磨く方法をご紹介します。

機械とは異なる手作業ならではの、
温かみのある仕上がりになります。

≪用意するもの≫ 
石材 砥石 手桶(バケツ) 水 赤鉛筆 古布5-6枚
石を磨く(手磨き)砥石と本御影石
砥石は目の粗さを番号で表します。
目が細かくなるほど数が大きくなります。

数の少ないものから番数を上げて、
石の表面を砥石でこすると表面が磨かれていきます。

下の写真左から
200番 400番 800番 1500番 3000番
今回は5種類の砥石を使用します。

【砥石表面 手触りの違い】
200・・・ザラザラ
400・・・こすると引っかかる
800・・・習字の墨のよう
1500・・・スルスル
3000・・・ツルツル艶がある
石を磨く(手磨き)砥石
こちらの本御影石(兵庫県六甲山の石)を磨きます。
機械で切った状態
石を磨く(手磨き)|本御影石切削面
石を磨いていきます。
①砥石(200番)・・・形を作るなら、この段階で行います。
切削した角張った縁を、丸くなるように擦ります。

まず、水で石の表面を濡らし砥石の平面を使って
力を入れて擦ります。
石が薄いものは割れないように気を付けます。
擦る音は、鳥肌が立つような目立つ音がします。(15分位)
石を磨く(手磨き)砥石と本御影石
石を磨く(手磨き)砥石と本御影石
全体を擦ったら水で洗い流し、表面を乾かして
太陽光に当て、磨き残しをチェックします。

磨き残した箇所は赤鉛筆で塗りつぶし、
再度、砥石で擦り均一に仕上げます。
この作業を、砥石の番数を上げて繰り返していきます。

200番仕上げ さらさらして気持ちのよい肌触りになりました。
石を磨く(手磨き)砥石200番本御影石
②砥石(400番)・・・念入りに行います。
擦る音はシャラシャラしています。(15分位)

※砥石を変える時には手桶の水も交換します。
同じ水を使用すると、砥石の番数を上げた時に
磨き面を傷つけてしまうからです。
手桶の水や下に敷いた布にも、砥石の粒が付いているので、
交換してから次の砥石に移行します。

400番仕上げ スルッスル スルスルーと滑らかな触り心地です。
色が濃くなり、光にかざして斜めから見ると艶が出てきます。
石を磨く(手磨き)砥石400番本御影石
③砥石(800番)・・・ねんごろに作業します。
擦る音が変わり、音も小さくなります。
砥石の滑り方がスルリとし、石と砥石の接地面が増えた感じがします(15分位)
石を磨く(手磨き)砥石本御影石
砥石で擦っていると、砥石が削られ水が濁ります。
(砥石の色によって色が変わります)
石を磨く(手磨き)砥石本御影石

800番仕上げ
 手を置くと滑る感じ
小麦粉をまな板に広げる感覚に似ています。
石を磨く(手磨き)砥石800番本御影石
石を磨く(手磨き)砥石800番本御影石
④砥石1500番・・・砥石で擦っていると、滑らかですが
少し引っかかりを感じます。

この辺りになると無の境地
無心に、今までの倍の時間をかけて入念に行います(30分位)石を磨く(手磨き)砥石1500番本御影石

1500番仕上げ 
撫でていたい さわり心地がいい
室内で見ても艶が少し出てきます。
石を磨く(手磨き)砥石1500番本御影石
⑤砥石3000番 砥石で擦っても、音はほとんどしなくなります。
窓ガラスの掃除をしているように、引っかかりが少なくなります。
(15分×2)1500番同様に時間をかけて入念に行います。

3000番仕上げ 完成
石を磨く(手磨き)砥石3000番本御影石
石を磨く(手磨き)砥石3000番本御影石
原石の上に磨きの石を置いて比較すると、
石目がはっきりとしたことがよく分かります。石を磨く(手磨き)砥石3000番本御影石
昔の磨き加工は、女性が手作業で行うのが一般的だったそうです。
体重を乗せて磨くと、濃い色に仕上がるので
同じように男性が作業すると、もっと濃い色に仕上がります。

もっとピカピカさせることも可能ですが、
手で触れながら使用するマウスパッドということもあり、
見た目にも優しい手磨きで仕上げました。

『擦る→洗う→撫でる→眺める』を繰り返し
常にこの石に触れていると、
愛着が湧き手元から離れるのが、惜しくなってしまいます。(N)

機械で磨く方法





最近、ご来店されるお客様にご案内している
【新作】ふくらすずめ(本鞍馬石) の紹介です。
福良雀(福来雀)ふくらすずめ石像|庭
冬になると、毛をふわふわにさせて
まん丸になる雀を「ふくらすずめ」と呼ぶそうです。
福来雀(福良雀)と字をあてて、縁起が良いとされています。
親子をイメージして配置してみました。
福良雀(福来雀)ふくらすずめ石像|庭
どちらも底面は玉石のままです。
土に埋めるか、砂利などで固定してください。
盆栽鉢の上に砂利を敷いて、室内置きも良いかもしれません。
福良雀(福来雀)ふくらすずめ石像|庭
【加工の様子】
個性のある鞍馬石の中で、
自然の石肌を活かせるような形を探します。
1つずつ手に取り、加工が可能なものを選びます。

足元部分や体を削り出します。
手で包み込めそうな丸い形は、鈴カステラみたいで可愛らしいです。
福良雀(福来雀)ふくらすずめ石像|庭
更に、尾の下と首回りを削ります。
雀にしては少し大きいかなと、全体を僅かに小さくしました。

玉石の表面は、全体の中で一番風化しているので、
表面に近い場所は慎重に削りします。

例えば、くちばし部分は、ノミを当てると
ポロッと石が飛んでしまうことも考えられます。
このままでも、優しい雀の雰囲気があります。
想像力を使って眺められるので、玄人好みかもしれません。
福良雀(福来雀)ふくらすずめ石像|庭
雀らしさを出す為に、目とくちばしに黒色を入れました。
この姿を見ると、やっぱり黒色を入れてよかったです。
福良雀(福来雀)ふくらすずめ石像|庭
草むらに置くと視線を感じ、本物と見間違えそうです。
そばを歩いているとびっくりします。
福良雀(福来雀)ふくらすずめ石
雀は『厄をついばむ』縁起物です。
更にふくらすずめは、丸々とした姿がふくよか→福
太った姿から豊作や食べ物に困らないなどと言われます。
縁起物はさておき、この姿がかわいいと思います。
福良雀(福来雀)ふくらすずめ石像|庭
お客様より「どうやって考えたの?」と質問があったので、
制作秘話をご紹介。
朝井まかて 著 「銀の猫」の中に福来雀という短編があり、
そこから着想を得たものです。

雀を見つけ「験(げん)がいい」と言って
福が来る雀と書いて福来雀だよという場面がありました。

主人公と同じく初めて聞く言葉だったので、
調べてみると、お祝いごとの帯の結び方の名前であったり、
香合、食器の絵柄や家紋の図柄にもありました。

もともと雀は、厄をついばむ縁起物として
古くから日本人に親しまれてきた鳥のようです。

余談ですが雀の体重は僅か20g、
500キロメートル以上移動する鳥だそうです。
鳥類学者の川上和人さんの著書
「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」に紹介されていました。

石屋でもカエルやフクロウは縁起物として人気があり
最近製作している鞍馬石の玉石を使った生き物が好評なことも重なり、石で作ってみることになりました。

微笑ましく愛らしい姿は、見る人を和ませます。
雀の姿はどこか懐かしい気持ちにさせてくれます。
なにより、今まで見たことがないものを作ると
お客様にも喜んでもらえるので嬉しいです。(N)

ふくらすずめの詳しい製品案内はこちら

営業の平岡です。
関東のお客様からの依頼で、本鞍馬石を使った道祖神を製作しました。
HPに掲載の本鞍馬石「おひなさま」のイメージで、台石と組合せて高さ2.5尺(75㎝程度)以上の大きさをご希望とのことでした。
「おひなさま」本鞍馬 おひなさま 彫刻

本体は薄目の玉石、台石は天場が平らでしっかりした石を採用すべく、本鞍馬石置場を探索。本鞍馬石 原石 石材本鞍馬石 原石 石材











































条件に合った本鞍馬石を選別。彫刻デザインはお客様から頂いた写真を参考に、製作イメージデッサンを描きました。本鞍馬 道祖神 デッサン


更に、選別した石とお客様から頂いた写真を組合せ、完成イメージを撮影し、提案。本鞍馬石 童 道祖神 イメージ


簡単に作るなら、本体の下側を切断し台石に接合する方法となりますが、台石に穴をあけて組み合わせる方法を採りました。玉石の形に合わせて台石を彫るため難しい作業が必要となりますが、せっかくの本鞍馬石。本体は特有の玉石形状を維持して製作することを提案しました。本鞍馬 道祖神 製作 案本鞍馬 道祖神 設置 案

お客様に提案内容を了承頂き、本体の彫刻に入ります。縁取りして、錆色の表面を剥がしていきます。本体には、本鞍馬石の中でも高級な「青鞍馬石」を選びました。彫り込んでいくと、紺色と紺鼠色が合わさった様な独特の石肌が出て来ます。本鞍馬 童 道祖神 彫刻本鞍馬石 石肌

















































平らに整え、彫刻の下絵を描きます。本鞍馬 童 道祖神 彫刻





















お客様からの要望で、人物の周辺は深めに彫ります。本鞍馬 童 道祖神 彫刻本鞍馬道祖神 彫刻



中の童子二人を彫っていきます。下の写真の状態で八割程度の仕上り。自分が良い出来だな、と見ていると、職人さんが「童子の表情が10歳位に大人びて見える。5歳位まで幼くしたい。一鑿で変わる。」と工房へ。僅かな彫り込みで表情が幼な優しく見える様に。高い技術と作品への想いに驚かされました。本鞍馬 童 道祖神 彫刻
彫刻の完成後、本体に合わせて台石に穴を彫る準備をします。本鞍馬 道祖神 加工本鞍馬 道祖神 接合


機械を使って大まかに穴を掘り、本体を合わせながら最後は手で彫って仕上げます。現地で調整できる様、少し大きめに穴をあけています。本鞍馬 道祖神 台石本鞍馬 道祖神 台石本鞍馬 道祖神 製作本鞍馬 道祖神 製作


屋外に仮設置。遠目・近接で仕上がりを確認し、完成。本鞍馬 童道祖神
大型で、本鞍馬石ならではの素晴らしい深みや雰囲気がある道祖神になったかと。
現地で多くの方々に愛され、親しんでいただけたらと思います。(H)

営業担当の平岡です。
9月に狛犬一対を設置に伺った長田神社。神話の時代から続く悠久の歴史をもつ名大社です。神戸 長田神社 鳥居

西暦201年、神功皇后(じんぐうこうごう)が遠征先より御帰還の途中、神様からのお告げを受けて創祀された長田神社。
長田神社が神戸(かんべ)41戸をもって奉祀護持されたことが神戸の地名の由来であり、今日の神戸発展の守護神として仰がれています。神戸 長田神社 本殿






















御祭神は事代主神(ことしろぬしのかみ)。
名前には「事を知る」という意味があり、神託の神、言霊の神(託宣神)として信仰されています。穏やかで釣り好きな神様である事代主神、日本神話の地上世界「葦原中国(あしはらのなかつくに)」を創った大国主神(おおくにぬしのかみ)の息子です。父親からの信頼も厚く、とても有能な神様だったそうです。また事代主神は、七福神の恵比寿様とも同一視されています。
そんな長田神社には、数々の歴史的遺物が残されています。まずは社殿。神戸 長田神社 狛犬 拝殿

江戸時代創建の社殿が大正13年に焼失した後、昭和3年に再建されました。
昭和の神社社殿としての名建造物で、阪神大震災の時は甚大な被害を受けたものの倒壊は免れ、3年かけて復旧されました。平成13年に国の登録有形文化財に指定されています。
次に紹介するのは石燈篭。
伝村上天皇奉納石燈篭③
本殿の横に設置されていて、透塀に囲まれて中に入れない場所に佇んでいます。
禰宜様にお願いし、お祓いをして頂いて特別に間近で見せて頂きました。
村上天皇御奉納と伝わる石燈篭。「後撰和歌集」編纂を下命したり「内裏歌合」を催行し、歌人でもあり歌壇の庇護者でもある村上天皇。琴や琵琶にも精通しており、平安文化を開花させた天皇とのことです。別名「雨乞の石燈篭」とも呼ばれています。風化して見辛くなっていますが、柱には「弘安九年(1286年)」奉納との銘があります。フビライ二度目の元寇「弘安の役」から約5年後に奉納されたことになります。「天暦の治」と景仰された村上天皇の治世から約300年後に奉納されたことに…。歴史の謎です。
伝村上天皇奉納石燈篭②




































火袋は前後を火口とし、四面に蓮華座に立つ仏立像が彫られています。
伝村上天皇奉納石燈篭笠・宝珠
全体的に風化し笠はかなり欠損してますが、古式を感じさせる造りです。
小さな宝珠も上品な印象です。
兵庫県指定の重要有形文化財に指定されています。
更に続いて「黒漆金銅装神輿」
伝源頼朝奉納黒漆金銅装神輿



































鎌倉幕府初代将軍源頼朝公奉納と伝わる豪華絢爛の御神輿です。屋根中央には鳳凰の装飾。
野筋や蕨手の小鳥は燕となってます。小鳥も鳳凰型装飾の御神輿が多く、珍しい装飾です。
御神輿の運行には様々な形態がありますが、静々と運ばれるタイプのものです。
康正3年(1457年)に修理の棟礼があり、室町幕府初代将軍足利尊氏公奉納とも考えられるとのこと。何れも将軍・源氏の総帥です。長田神社の氏子衆が、足利尊氏と楠正成が戦った湊川合戦で、尊氏方で奮戦したことに関係があるかもしれません。
この御神輿は国の重要文化財に指定されています。

神社拝殿裏門脇には、青銅製の重厚な燈篭が建っています。

青銅製燈篭①



































柱部分に見事な龍。その口にお賽銭が入っていることもあるそうです。
境内にある楠稲荷神社にも変わった形の石燈篭があります。
楠稲荷神社石燈篭①
柱が六角柱となっています。こちらの神社は病気平癒、特に痔の平癒の御利益があるそうです。御神木の「樟」に神の化身の「赤えい」が宿っている伝説があり、絵馬には「赤えい」の絵が入っています。
又、明治時代の歌舞伎役者「中村時蔵」奉納の石燈篭も有ります。
中村時蔵奉納石燈篭②
四代目中村時蔵までの屋号は「播磨屋」。兵庫南部の旧国名「播磨」に繋がりがあるのかと。燈篭には中村時蔵の家紋「揚羽蝶」が浮かし彫りされています。
中村時蔵奉納燈篭家紋(揚羽蝶)
家紋「揚羽蝶」は、平清盛始め平家の家紋とされています。
頼朝・尊氏の源氏と平氏が混在する…。隔世の感があります。

武士の時代→近代→現代と、激動の時代や阪神大震災等数多の天災を乗り越え、これらの遺物が残されていることは素晴らしいことと思います。願わくば、これからは狛犬も共に、末永く親しんで頂ければと思います。

コロナ禍で色々大変な時期ではありますが、GoToトラベル等で旅行の際、是非長田神社へお立ち寄り下さい。長田神社周辺の商店街も美味しいもの・珍しいものがたくさんありますし、新長田駅近くには鉄人28号の等身大モニュメントや横山光輝三国志記念ミュージアム等もあります。旅行先にお勧めです。(H)





営業担当の平岡です。
弊社HPを見てご依頼頂き、御鎮座1800年以上の由緒ある長田神社様へ、9月に狛犬一対設置しました。神戸 長田神社 境内



距離の離れた拝殿両脇に設置するため、高さを合わせる測量を実施。神戸 長田神社 狛犬 測量神戸 長田神社 狛犬 測量





大型の狛犬のため、しっかり基礎作り。神戸 長田神社 狛犬 基礎 圧縮神戸 長田神社 狛犬 基礎 杭神戸 長田神社 狛犬 基礎 コンクリート神戸 長田神社 狛犬 基礎









大きな地震があった場所のため、台石・狛犬の設置には普段より太い補強材を使用しました。神戸 長田神社 狛犬 台石 補強神戸 長田神社 狛犬 台石神戸 長田神社 狛犬 台石神戸 長田神社 狛犬 台石









狛犬を据える前に、台石の水平を調整・確保。神戸 長田神社 狛犬 台石



傷つけない様、細心の注意を払い狛犬を設置。神戸 長田神社 狛犬 設置神戸 長田神社 狛犬 設置





重要文化財である大宝神社木造狛犬をモデルに、白みかげ石で製作した狛犬。
狛犬の高さは3尺(約90cm)。台石も含めた全高は2mを超える大型の狛犬です。
全体は厳めしい姿ですが、正面から見ると愛嬌のある顔立ちです。神戸 長田神社 狛犬 阿形神戸 長田神社 狛犬 阿形神戸 長田神社 狛犬 吽形神戸 長田神社 狛犬 拝殿









参詣者の方々に末永く親しんでいただければ、と思います。(H)

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