2021年04月
不動明王の石仏ができるまで その3|本鞍馬石
不動明王の石仏を製作しています。これまでの記事(その1 その2)本体の彫刻ができましたので台石の加工をします。
台座を組み合わせることにより像の格が上がるように思えます。神様を敬う意識として台座があったほうが好ましい場合もあります。場所によっては雨の日の泥などの跳ねかえり防止の意味でも台石が効果的です。
素朴に置きたいこともあるので必ずとは言えませんが、今回は台石とセットで製作しております。

台石には邪鬼を彫刻するご提案

お客様とお話しする中で不動明王を表す梵字を彫刻することになりました。



今回本体に使用した鞍馬石は玉石で後ろ面は天然の石肌が残っています。

後ろ姿が頼もしい感じです。

結晶が入っていました。

玉石なので表面に近い部分はサビ色です。水に濡れると色の違いがよく分かります。

本体の縁取り部分や一番手前にある剣は黄色っぽい色をしています。

蓮華台や足も玉石の表面に近い部分はサビ色、深く彫った部分は芯に近いので濃いグレー色です。

本鞍馬石の玉石らしい色の違いがあり年数が経過してサビ色が段々と出てくる変化を楽しんでいただけます。

邪鬼を払い安寧な生活が送れるようにと願いを込めて設置していただきました。(N)
これまでの記事(その1 その2)
台座を組み合わせることにより像の格が上がるように思えます。神様を敬う意識として台座があったほうが好ましい場合もあります。場所によっては雨の日の泥などの跳ねかえり防止の意味でも台石が効果的です。
素朴に置きたいこともあるので必ずとは言えませんが、今回は台石とセットで製作しております。

台石には邪鬼を彫刻するご提案

お客様とお話しする中で不動明王を表す梵字を彫刻することになりました。



今回本体に使用した鞍馬石は玉石で後ろ面は天然の石肌が残っています。

後ろ姿が頼もしい感じです。

結晶が入っていました。

玉石なので表面に近い部分はサビ色です。水に濡れると色の違いがよく分かります。

本体の縁取り部分や一番手前にある剣は黄色っぽい色をしています。

蓮華台や足も玉石の表面に近い部分はサビ色、深く彫った部分は芯に近いので濃いグレー色です。

本鞍馬石の玉石らしい色の違いがあり年数が経過してサビ色が段々と出てくる変化を楽しんでいただけます。

邪鬼を払い安寧な生活が送れるようにと願いを込めて設置していただきました。(N)
これまでの記事(その1 その2)
不動明王の石仏ができるまで その2|本鞍馬石
不動明王の石仏を製作しています。(製作過程その1はこちらから)
蓮華台、顔の彫刻に続いて身体・持物(剣と羂索)・火焔を彫刻していきます。

上の写真では顔以外はのっぺりと見えますが、仕上げる彫刻の姿を計算したベースを作っています。頭、首、肩、腕、胸、腹、足それぞれの位置関係が見えていて、しっかりと定まっているからこそ身体の面から衣や瓔珞などの厚みを足したベースを作ることができます。ベースが上手く作れていないと衣や飾りなどが身体に喰い込んでしまったり、部位がずれてしまったり、身体が痩せて力強さが無くなってしまったり、骨が曲がったり関節が外れたりと可笑しな像になってしまいます。(敢えて不恰好で面白味のある造形をする場合もあります。)石は足すことができない素材ですので、ベース作りはとても重要な工程です。

場合によっては身体の形状を変えることもあります。今回は脚を変えています。本当なら股関節やお腹は膝の位置からするともっと奥にあります。しかし、腹を奥にするということは、背面がさらに奥にさがってしまいます。奥にさがった本像は影の中に入ってしまい、火焔の後背も見難くなってしまいます。
肘は背景に埋もれることにはなりますがそれもひとつの表現として、脚に違和感が無いようにしつつ、火焔の美しさや像の力強さを出すようにねらいました。

剣と羂索は繊細な彫刻なので、他の部分を彫刻をしている時に道具が当たって欠けてしまうことがないよう最後に彫刻しました。

像の中で剣と羂索が一番手前にあります。

羂索は細い縄を束ねて掴んでいます。

正面から見ると剣も羂索も細く見えます。

しかし横から見ると背面と繋がっています。貫通させると折れてしまう可能性があるので強度を持たせる為につなげています。正面から見た時に、この厚みを感じさせないように彫刻します。

火炎は顔の左右で繋がっているように流れるようにしました。
炎の先が上に向かって伸びるようにしました。(指は大きさの比較の為に写しています。)

丸く渦を巻くような炎を下部に彫刻しています。

続いては台石の梵字彫刻(その3)をして完成です。 (N)
蓮華台、顔の彫刻に続いて身体・持物(剣と羂索)・火焔を彫刻していきます。

上の写真では顔以外はのっぺりと見えますが、仕上げる彫刻の姿を計算したベースを作っています。頭、首、肩、腕、胸、腹、足それぞれの位置関係が見えていて、しっかりと定まっているからこそ身体の面から衣や瓔珞などの厚みを足したベースを作ることができます。ベースが上手く作れていないと衣や飾りなどが身体に喰い込んでしまったり、部位がずれてしまったり、身体が痩せて力強さが無くなってしまったり、骨が曲がったり関節が外れたりと可笑しな像になってしまいます。(敢えて不恰好で面白味のある造形をする場合もあります。)石は足すことができない素材ですので、ベース作りはとても重要な工程です。

場合によっては身体の形状を変えることもあります。今回は脚を変えています。本当なら股関節やお腹は膝の位置からするともっと奥にあります。しかし、腹を奥にするということは、背面がさらに奥にさがってしまいます。奥にさがった本像は影の中に入ってしまい、火焔の後背も見難くなってしまいます。
肘は背景に埋もれることにはなりますがそれもひとつの表現として、脚に違和感が無いようにしつつ、火焔の美しさや像の力強さを出すようにねらいました。

剣と羂索は繊細な彫刻なので、他の部分を彫刻をしている時に道具が当たって欠けてしまうことがないよう最後に彫刻しました。

像の中で剣と羂索が一番手前にあります。

羂索は細い縄を束ねて掴んでいます。

正面から見ると剣も羂索も細く見えます。

しかし横から見ると背面と繋がっています。貫通させると折れてしまう可能性があるので強度を持たせる為につなげています。正面から見た時に、この厚みを感じさせないように彫刻します。

火炎は顔の左右で繋がっているように流れるようにしました。

炎の先が上に向かって伸びるようにしました。(指は大きさの比較の為に写しています。)

丸く渦を巻くような炎を下部に彫刻しています。

続いては台石の梵字彫刻(その3)をして完成です。 (N)
不動明王の石仏ができるまで その1|本鞍馬石
不動明王の石仏が完成しました。製作過程をご紹介します。

まず不動明王を彫るのに良い形の石を選びます。

底面に突起部を残して、穴のあいた台石に差し込んで設置できるように加工します。

本体の底面の形に合わせて台石を加工し、はめこみの穴を作ります。

高さ35㎝の中に立っている像を彫刻すると顔が小さくなってしまう為、座禅を組む姿にします。
石に下絵を描きます。蓮華台の上に座り、周囲には火炎を彫刻します。

お客様と打ち合わせをして下絵から変更した箇所
持物:独鈷杵→剣 一般的な剣を持ったポーズ
目:片目を閉じている→両目を開いている
口:開いている→口を結んで牙が下向きに出ている

仕上がった時の形を想像して下地を作っています。

蓮華台が完成しました。

続いて顔と頭部の彫刻です。下絵は平面なので立体になった時のイメージはしづらいですね。

【彫刻後】平面から立体的になると存在感が出て生き生きと感じられるようになります。
目の玉部分にボタという雲母の塊が ちょうど出ました。右目が黒ボタ 左目には白ボタ、これによって表情に深みが出たように思います。

影のでき方が変わると表情も違って見えます。

ピンボケしていますが、頭部正面に如来を彫刻しました。

これから身体・持物・火炎・台石の梵字彫刻をしていきます。(N)

続きはこちら(その2) (その3)

まず不動明王を彫るのに良い形の石を選びます。

底面に突起部を残して、穴のあいた台石に差し込んで設置できるように加工します。

本体の底面の形に合わせて台石を加工し、はめこみの穴を作ります。

高さ35㎝の中に立っている像を彫刻すると顔が小さくなってしまう為、座禅を組む姿にします。
石に下絵を描きます。蓮華台の上に座り、周囲には火炎を彫刻します。

お客様と打ち合わせをして下絵から変更した箇所
持物:独鈷杵→剣 一般的な剣を持ったポーズ
目:片目を閉じている→両目を開いている
口:開いている→口を結んで牙が下向きに出ている

仕上がった時の形を想像して下地を作っています。

蓮華台が完成しました。

続いて顔と頭部の彫刻です。下絵は平面なので立体になった時のイメージはしづらいですね。

【彫刻後】平面から立体的になると存在感が出て生き生きと感じられるようになります。
目の玉部分にボタという雲母の塊が ちょうど出ました。右目が黒ボタ 左目には白ボタ、これによって表情に深みが出たように思います。

影のでき方が変わると表情も違って見えます。

ピンボケしていますが、頭部正面に如来を彫刻しました。

これから身体・持物・火炎・台石の梵字彫刻をしていきます。(N)

続きはこちら(その2) (その3)
石の自由研究用 石の加工
石に700度まで熱を加えて磁性を持たせる実験をしたいので
石材の加工をお願いできませんか? とお問い合わせがありました。
4年前に当時小学生だった男の子が、磁石がくっつく石を探しにやってきました(その時の記事はこちら)その後も研究を続け、今年で5年目のの研究は磁石につく成分の研究だそうです。
研究を深めていく中で様々なことが分かり、
小学生の頃に考えていたこととは違う考えに至ったそうです。
実験に使う石を選ぶ姿からは、純粋に「知りたい」という気持ちが伝わってきました。
自ら採取してきた岩石を持ってきてくれました。

なるべく探してきた石を使ってあげたいけど、
小さなものは加工がしづらく必要枚数を作れない可能性もあり、
工場にある岡崎の花崗岩など、石屋にあった石も一部使ってもらいます。
岡崎の白御影といってもさまざまな種類があります。
並べながら説明をすると、同じ山から採れたけど
石色の異なるこちらの二種を比較実験してみたいとのことで
白みかげと、錆みかげの二種を加工することになりました。

玄武岩は同じ六方石で、3つの産地によって、違いが現れるのか。
・中国産(写真左上)
・ベトナム産(写真中央)
・伊豆産(写真右上)

まずは、正方形に切り込みを入れ、周囲の石を落とます。

厚みを外周から少しずつ切り込みを入れて作ります。
野菜を切るように一回では切れません。
約20mm角 厚み5mm程度に小さくカットします。

石材加工に使うカッターの刃(右の指さしているもの)を使いましたが、
石の角が欠けてしまった為、
ダイヤモンドの量が多く溝の幅が狭い大理石用の刃(写真左側)に変更して加工しました。

今回加工する石の中でもクラックが入っていて
一番割れやすい蛇紋岩から加工しました。
石の綺麗な模様が分かる蛇紋岩

続いて、蛇紋岩よりも硬い流紋岩の加工です。
流紋岩は硬い為、加工中に摩擦熱が高くなり大理石用のカッターのダイヤモンドが燃えてなくなってしいます。そこで最終的には残りの石材は全て磁器やタイルなど硬くてもろいものを切るカッターの刃を使って加工しました。
磁器タイル用の刃は溝がなく振動が起きにくく、今回の加工には最適でした。

持ち込みしてくれた流紋岩からは。赤色と青色の二種類が作れました。

持込みいただいた安山岩と諏訪鉄平(安山岩)

色味の異なる岡崎産の花崗岩

私たちにはお馴染みの岡崎産の花崗岩 見慣れているからか、なんとなく愛着が湧きます。

3つの産地から採れた六方石は玄武岩です。

岩石の種類に分類して並べてみました。
これらを使った実験をして新たな発見や、より深い研究へと繋がりますように。(N)

【夏休みの自由研究】
小学生向け
石材の加工をお願いできませんか? とお問い合わせがありました。
4年前に当時小学生だった男の子が、磁石がくっつく石を探しにやってきました(その時の記事はこちら)その後も研究を続け、今年で5年目のの研究は磁石につく成分の研究だそうです。
研究を深めていく中で様々なことが分かり、
小学生の頃に考えていたこととは違う考えに至ったそうです。
実験に使う石を選ぶ姿からは、純粋に「知りたい」という気持ちが伝わってきました。
自ら採取してきた岩石を持ってきてくれました。

なるべく探してきた石を使ってあげたいけど、
小さなものは加工がしづらく必要枚数を作れない可能性もあり、
工場にある岡崎の花崗岩など、石屋にあった石も一部使ってもらいます。
岡崎の白御影といってもさまざまな種類があります。
並べながら説明をすると、同じ山から採れたけど
石色の異なるこちらの二種を比較実験してみたいとのことで
白みかげと、錆みかげの二種を加工することになりました。

玄武岩は同じ六方石で、3つの産地によって、違いが現れるのか。
・中国産(写真左上)
・ベトナム産(写真中央)
・伊豆産(写真右上)

まずは、正方形に切り込みを入れ、周囲の石を落とます。

厚みを外周から少しずつ切り込みを入れて作ります。
野菜を切るように一回では切れません。
約20mm角 厚み5mm程度に小さくカットします。

石材加工に使うカッターの刃(右の指さしているもの)を使いましたが、
石の角が欠けてしまった為、
ダイヤモンドの量が多く溝の幅が狭い大理石用の刃(写真左側)に変更して加工しました。

今回加工する石の中でもクラックが入っていて
一番割れやすい蛇紋岩から加工しました。
石の綺麗な模様が分かる蛇紋岩

続いて、蛇紋岩よりも硬い流紋岩の加工です。
流紋岩は硬い為、加工中に摩擦熱が高くなり大理石用のカッターのダイヤモンドが燃えてなくなってしいます。そこで最終的には残りの石材は全て磁器やタイルなど硬くてもろいものを切るカッターの刃を使って加工しました。
磁器タイル用の刃は溝がなく振動が起きにくく、今回の加工には最適でした。

持ち込みしてくれた流紋岩からは。赤色と青色の二種類が作れました。

持込みいただいた安山岩と諏訪鉄平(安山岩)

色味の異なる岡崎産の花崗岩

私たちにはお馴染みの岡崎産の花崗岩 見慣れているからか、なんとなく愛着が湧きます。

3つの産地から採れた六方石は玄武岩です。

岩石の種類に分類して並べてみました。
これらを使った実験をして新たな発見や、より深い研究へと繋がりますように。(N)

【夏休みの自由研究】
小学生向け
