SDGs目標への取り組みに私たち石屋ができるの一つに石製品の修理やリフォームがあります。「つくる責任つかう責任」の中で、修理をして長く使用するリユースや廃棄物を再利用して新しい製品にすることがあります。

廃棄物の再利用はSDGsの目標が掲げられるずっと前から行われています。既に桃山時代の茶人は仏教遺物を再利用し、姿を変え茶庭に好んで取り入れていました。例えば四方仏水鉢は塔身の再利用として作られたと言われています。(弊社で販売している製品は再利用品ではなく、新たに製作しています)
四方仏水鉢
笠が重なった層塔や宝篋印塔の塔身に水穴をあけて水鉢に転用されたのが始まりの四方仏水鉢。現在一般的に販売されるものは再利用品ではありません。茶人は四方仏(しほうぶつ)を「し」を使わず「よほうぶつ」と呼んでいます。
十三重層塔(塔身)
他にも、異なる石造品のパーツを組み合わせて作られた「寄せ灯篭」として有名な孤篷庵(こほうあん)灯籠も石の再利用です。
孤篷庵(こほうあん)
玉・・・五輪塔の空輪、風輪 
笠・・・五輪塔の水輪を半分にして天地返したもの
五輪塔から転用孤篷庵
火袋・・・小さな宝篋印塔の基礎 側面に穴をあけたもの
受・・・小さな層塔の笠を天地返したもの
柱・・・宝塔の塔身
原型となる本歌は小堀遠州の作といわれる京都市大徳寺の孤篷庵忘筌にあります。寄せ集めたもので、美しい灯篭を生み出せるかは柔軟な発想とセンスが問われる上級者のテクニックです。本歌は鎌倉時代や南北朝時代の材料を使っていますが寄せ灯篭にしたのは江戸時代と言われています。
五輪塔の水輪を転用した水鉢もあります(写真のものは転用ではありません)水を表す水輪が、水を入れる水鉢になるというだけで面白いです。 
つぼみ鉢
石燈籠や石塔、建築物として作られた石が本来とは異なる使い方をしていることはたくさんあります。
茶人は廃品から美を見つけ庭に転用すること自体を楽しみ、新たな美に挑戦していました。
灯篭をはじめ石製品は、安全面や費用を考慮すると修理よりも撤去処分して作り替えをご希望されることもあります。しかし、石に係わった人たちの思いを考えると、出来る限り再利用の道を選びたいです。今ある石を活かして石・人・環境が喜ぶ道を探していきたいです。(N)