灯篭の修理や引取の相談で、時々見受けられるコンクリート(セメント)で作られた灯篭。最近は作られることは少ないようですが、安価で量産できた為、現在でもお庭で見かけることがあります。

灯篭の写真を拝見して
「これは石でしょうか?」とお尋ねすると
「え?」と驚かれます。
「今まで石だと思い込んでいたので石だと思う。。。でも、、、
分かりません。石じゃないですかね?」というお返事が多くあります。

私たち石屋が実物を見なくとも、
たとえ石の表面が写真で判断できなくとも
パッと見て、石ではなさそうと感じることがあります。

識別するポイントや基準で判断している訳ではありません。
なんとなく違和感があり、石ではない素材を感じます。
石屋がパッと見で感じるコンクリート製の灯篭の違和感
◎質感  ◎表面の具合 ◎色  ◎全体の形
◎作り  ◎汚れ方   ◎風化の仕方
灯篭の状態や形によっても該当しないものもありますが、
総合して違和感を感じます。
しかし、一般の方がこれらを感じることは難しいですね。

石とコンクリートの見分け方を調べると、
塩酸をかけて溶けたらコンクリートとのこと。
溶けては困るので、灯篭では試すことができない場面もあります。

そこで、今回は見た目で判断する参考に
石燈籠とコンクリート製の灯篭の違いをご紹介します。
コンクリート製の灯篭の表面(写真をクリックして拡大表示してご覧ください)↓
コンクリート製灯篭の表面 (1)
セメントの中に独立した均一な砂の粒が、押し固められたような感じ
乳白色の粒の輪郭がしっかり分かれています。
粒の面が型に沿って並ぶ為、粒の凹凸が揃っています。↓
コンクリート製灯篭の表面 (2)
石製の灯篭の表面 (写真をクリックして拡大表示してご覧ください)↓
【岡崎産 白みかげ石】
年数が経過したもの ノミで叩いた凹凸は粒単位の凹凸とは異なります。
石製の灯篭の表面(御影石:白石) (2)
【岐阜県産 みかげ石 蛭川石】↓
石製の灯篭の表面(御影石:蛭川石
【岡崎産 みかげ石 夏山石】
黒色雲母の形や大きさは似ていますが、均一ではありません。↓
石製灯篭の表面(御影石:夏山石)
改めて石の表面を見ると、白・黒の雲母や長石・石英などが
混ざってはいるけれど全体に一体感があります。
鉱物同士の繋ぎ目に『へばりつく』感じがあります。

コンクリート製の灯篭は、御影石の風合いに似せて作られていますので、
表面をしっかりと見ると分かりやすいです。

石の種類や風化具合によっては、ポロポロとしている表面になることもあり、
ご紹介した違いでは見分けられない場合もあります。

確かに、コンクリートは御影石に比べると風化は早いですが、
鑑賞する時に問題になることありません。

石屋としては、石製の灯篭の魅力も味わってほしいですが、
石だと思っていたほうが気持ちが良い場合もあるので、
ご家庭の灯篭をじっくり見比べなくても良いとは思います。
石かコンクリートかを見分ける必要がある時には、ご参考になさってください。(N)