岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

2022年05月

以前、仏教遺物の庭へ転用(再利用を)をしていた茶人の記事(石灯篭とSDGs~孤篷庵~)を書きました。今回はお庭にあった石の再利用をご紹介します。
お客様より記念碑を立てるにあたり、旧家で使われていた沓脱石を利用できないかとご相談を受けました。代々使われていた沓脱石を記念碑の台石として使うことに決まりました。
記念碑|沓脱石の転用
加工の為、工場へ持ち帰り洗いました。
記念碑|沓脱石の転用
この石に合わせて赤色の石で本体を製作します。
渡船場跡地ということで帆掛け型船をイメージしたデザインにしました(運行されていたのは帆掛け船ではありません)
記念碑|沓脱石の転用
本体は艶のないマットな仕上げ
記念碑|石彫刻文字
昭和の中頃まで愛知県の知多半島と高浜や碧南の間の衣浦湾では、渡し船での往来が盛んでした。今回、記念碑が建てられた『松江渡船場』は松江(碧南市)から亀崎(半田市)を往来する渡船で明治19年から昭和31年までの約70年人々の交通を支えていたそうです。松江の渡し船の歴史を形として残したいとのことで記念碑を作らせていただきました。
当時使われていた案内看板
松江渡船場看板
碑に刻まれた福庄とは、松江~亀崎間の渡船を行っていた会社の創業時の屋号で、当時は会社の中に渡船部があり、その後両半酒造として事業を引き継いだそうです。知多は元々酒造が盛んな地域でしたその木桶などを利用したみりんやお酢などの醸造も発展したとの話もあります。酒造屋さんと渡船の組合せを不思議に思うかもしれませんが、江戸への物流拠点として活躍した衣浦港では廻船の業務も盛んだったと思われ知多地域の特性が伝わる歴史です。

松江渡船場跡|福庄
屋号の文字見本
両半酒造
渡船場の跡地近くには現在こちらの碑と案内看板が設置されています。
松江渡船場跡記念碑(碧南市)
松江渡船場跡の看板(碧南市) (1)
松江渡船場跡の看板(碧南市) (2)
看板にある通り、40分おきに一日18便の往復があった大正時代 人々が日常的な交通手段として利用していたことが伝わります。
松江渡船場跡の看板(碧南市) (1)
衣浦湾両岸の高浜市・碧南市・東浦町・半田市には当時合わせて6本の航路がありました。尾張と三河を結ぶ交通手段として行商人や旅行などに利用され、衣浦湾を渡って嫁入りする光景もあったそうです。高浜市では『芳川渡し場まつり』として花嫁が利用していた『嫁入り舟』の再現があるそうです。かつて人々が船で行きかっていた景色は風情があったことでしょう。現在は衣浦大橋や海底トンネルができ渡し船の必要はなくなってしまいましたが渡船場跡地には記念碑や案内看板が建てられています。(N)



こちらは先日お客様へお送りしたうさぎの盃鉢『月見酒』と受け皿(60cm丸)のセットです。
循環式つくばい|うさぎ月見酒 (2)
お客様より販売中の水鉢に受け皿を作って水を循環できるようにしてほしいとのご相談がありました。お選びいただいた『月見酒(うさぎの盃鉢)』は三匹のうさぎが盃を持ちながら三者三様の姿をしています。
石製うさぎ月見酒
オーバーフローした水が受け皿に溜まると、うさぎの足元も濡れてしまう。。。
石製うさぎ月見酒
そこで、うさぎたちが水に浸からないようステージみたいな台座を作りました。
石製うさぎ月見酒
全体をコンパクトに納めるため、水鉢の内側にポンプを収納する箱と筧を立てる穴を作りました。お手入れしやすいように水の入る場所は磨き仕上げです。
石製うさぎ月見酒
配置して筧・ポンプ・水量を調整します。
ポーズの異なる3匹のうち、落ちてくる水を見上げるうさぎちゃん
石製うさぎ月見酒
盃にも受け皿にも波紋が広がります。
つくばい波紋石製うさぎ月見酒
うさぎ水鉢
山の中で過ごしていたうさぎたちは新しい場所で楽しく過ごしている様子、素敵な場所へ置いていただけ嬉しい限りです。勝手ながら完成までとても楽しませていただきました。ありがとうございました。(N)
循環式つくばい|うさぎ月見酒 (3)


灯篭をはじめ石製品がお客様のお庭に入った姿は展示場にあった時よりも数段良くみえるものです。選んでもらい持ち主が決まると生き生きと見えてくるのは不思議なものです。
先日、一年前お買い上げいただいた不動明王の写真をお客様が送ってくださいました。徐々に本鞍馬石のさび色に変化がみられ、ますます愛着が増しておりますとの言葉に改めてよかったぁと嬉しくなります。
【現在の様子】全体にさび色が出てきました。
不動明王石仏一年後
不動明王の表情に意志というか凄みがでて、体は引き締まって力強くなったように感じます。石だったものが私たちの手を離れ、役目を持つと生きる(魂が宿る)ように思います。さび色の効果か体の内側から燃え上がるような力強さがあります。
【一年前】お庭に置いた時の不動明王 彫刻面にさび色はありませんでした。
不動明王石仏
ここに居る人を守る役目があると、石製品としての不動明王から守り神みたいになるような気がしてなりません。手を合わせたり、心の中で唱えるだけでも石には気持ちが伝わるのかもしれません。

この場所にあるべき不動明王になり、これからもみんなに愛される存在になっていてほしいです。(N)

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