岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

2022年12月

12月29日(木)から1月5日(木)までお休みいたします。
1月6日(金)より通常営業いたします。
柴犬石像|本鞍馬石
一年を振り返り、石があったからこそ、出会えた人やものに感謝します。

写真の柴犬をご依頼いただいたお客様から「家族にも好評でね」と
教えていただきました。外に置いていたけれど、奥様が前を通ると「抱っこしなきゃ」と思うそうで、今は玄関の中に入れて可愛がってくれているそうです。

「こんな注文を聞いてもらえるのか、、、」と遠慮がちにお電話くださったお客様が、「作ってもらえると分かっただけでも夢がかなったみたい」と電話の向こうで泣いて喜んでくれる。大切な方への贈り物なのだそうです。

石と人を結ぶお手伝いをしているつもりですが
石を介して、心と心を繋いでいるのかもしれない。(N)






芸術大学を修了し、それぞれに彫刻に携わっているという方々に「石都岡崎」をご案内いたしました。
~石屋・採石場・石道具屋さん(鍛冶屋)巡り~
まずは石屋の見学
特殊な彫刻品は受注生産が多く、納品してしまうと各地に設置され、工場には作りかけの製品もあまりないタイミングだったので申し訳なかったです。過去の制作写真をご覧いただき、工場で加工のお話をさせていただきました。加工している人だからこそ分かる技術に驚かれたり、灯籠の作り方や道具の使い方に興味を持たれたりしていました。たくさん灯籠が並ぶ展示場をご覧いただいていても、普段ご案内しているお客様とは一味違う反応が新鮮です。面白いと思ってもらえるポイントや灯籠の見え方、見どころが違います。そんな風に作るんですか?この灯籠安すぎじゃないですか?と作る人だからこその感想もありました。
泉涌寺の笠
例えば、雪見灯篭の笠をノミで作る時、角を欠けさせないように慎重になってしまい、広い面と比較すると細かなノミ跡になってしまいがちです。広い面と同じ調子でノミを当てて形を作っていくことは技術と経験が必要です。石を叩かない人にとっては想像するしかない技術的な面も、これはスゴイ!と驚いてもらえます。

続いて、市内の採石場へご案内しました。
山の中に現れる石に囲まれた空間は、何度訪れても神秘的で荘厳さを感じます。
岡崎採石場|石壁
岡崎の石は露天掘り階段採石法と呼ばれ、山を掘り下げて採石していく為、垂直な石壁に囲まれた非日常の空間です。今から夏まで陽が差さないというこの場所は、ひんやりと清々しく空気が澄んでいるように感じます。話し声も反響し聞こえてきます。
岡崎採石場|石壁
誰もがスケールの大きさに「わあ!スゴイ!」という反応をされます。
岡崎採石場|石壁
5人が立っている足もとは断崖になっており、石を割り出していました。
岡崎採石場|宇寿石
採石すると大きな石がゴロンゴロンと動かされます。
大きな石鳥居の柱などを作る材料は、長尺物(ちょうじゃくもの)と呼ばれます。石の種類によって、採石可能な石の最大サイズや形状は異なり、採石する段階で石が折れてしまうなど、長尺物に向かない石もあります。そのため、大きなサイズの原石が必要な時に、使用できる石は限られ、石屋では『長尺物も採れる石』は重宝されます。こちらの石は5メートル以上の長尺物も割り出せます。
宇寿石原石
採石場に並んだ石を見て「綺麗~」という声があがったことは、石を加工する人たちの視点ならではでした。多くの方が石に圧倒されて見落としがちな、素材として美しさに感動してもらえると、岡崎の石も鼻高々です。
宇寿石原石
宇寿石原石
岡崎のみかげ石の特徴でもある、白色雲母が混ざった体積している砂のキラキラ具合に気が付いてくれたり、この厚みでこんなに大きな石が割れるのかと驚かれたり
セリ矢の跡
別の採石場では、割った石を見て、「これだけのピッチで割るってことは、割りにくい石なんですか?」と質問があったり、石を加工する人ならではの視点が新鮮でした。
石の採石場岡崎市|岡崎青石牛岩
石を触わりながら「彫ってみたい」と石を真剣に選び、割り出した石をカッコいいと言っている姿は、やはり彫刻をする人たち。石への愛を感じます。

続いて、石道具屋(鍛冶屋)さんへ訪れました。
たくさん並んだ石道具を選ぶ姿は、駄菓子を選ぶ子どもたちのようで、これもいい あれもいいな、何これ?? めっちゃいい、テンション上がる~と嬉しそう。ノミや石頭、矢を手に賑やかなお買いものです。道具を手に『石を彫りたくなる!』という言葉が聞けよかったです。
鍛冶屋さんの年季の入った機械や、動く音に「かわいい」と反応したり、初めて観るものにワクワクされると、こちらも楽しくなります、鍛冶屋さんもかわいいなんて初めて言われたと驚いていましたが、嬉しそうでした。

地域や環境は違えど、石に関わる人たちに会えると嬉しくなります。
岡崎ではグレーのみかげ石は見慣れた存在ですが、他の地域へ行けば、見慣れない貴重な石となります。岡崎のみかげ石を普段扱っていると、特徴的な面は感じなくなってきます。しかし、白くて綺麗な石ですし、個性が強すぎないからこそ幅広く利用できます。岡崎をご案内して、岡崎の石の魅力を再発見しました。(N)



石を割る方法のうち「豆矢」を使って割る方法をご紹介します。
現代では、機械で石を切ったり、セリ矢を使って割ったりできるため、
私たちの工場でも、豆矢の出番は少なくなっています。

用途や目的などに合わせてセリ矢と豆矢を使い分けています。
セリ矢について以前紹介した記事→【セリ矢を使った石を割る方法】
今回は、割り跡を楽しむため、豆矢を使って石を割ります。

90cm角 厚み15cmの石を半分に割ります。
使用する豆矢は7分(幅21㎜長さ60㎜)
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (5)
石に、豆矢を入れる穴をあけます。
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (4)
掘った穴に豆矢を入れます。
矢の半分くらいの深さが、穴に入っています。
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (6)
15cm間隔くらい(石や状況により異なります)に穴をあけ、豆矢を入れます。
穴の入口を広めに掘ることで、穴の中で矢が効き
打ち込んだ時に、表面の石が爆ぜにくくなります。
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (7)
今回割る「藤岡荒目」という石は、石の粒が大きな御影石です。
岡崎の石をはじめ、多くの花崗岩は割りやすい方向と、割りにくい方向があります。
藤岡荒目石も方向によっては綺麗に割れる石ですが、山から割り出してしまうと、
割りやすい方向は見た目では判断できなくなってしまいます。
実際に割ってみないと割れやすい方向がわからない場合があります。

今回は、まっすぐ綺麗に割りたい為、豆矢の数を通常よりも増やして割りました。
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (8)
通常のみかげ石でしたら、豆矢の数は半分でもきれいに割れてくれます。
90cmの長さに対して7cm間隔程度に穴をあけ
豆矢(7分)×5個と、少し小さ目の豆矢×4個を使用して割りました。
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (9)
「割りました」という雰囲気を出したい!とのご要望だったので、
豆矢できれいに割れてよかったです。石を豆矢で割る|石屋の仕事 (12)
割った石を並べると、ひとつの石を『割った』という感じが伝わります。
これくらいのサイズの石が割れた様子は、石の素材や重量感が感じられ、石の魅力が活きてきます。
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (13)
お城の石垣などを見ると、豆矢で割った跡が見つけられます。
時代が変わっても、石屋の仕事は変わりません。
石を豆矢で割る|豆矢の跡 (1)
こちらは、豆矢を入れる為の穴を掘ったけど割らなかったのか、矢穴の跡が残っていた石
石を豆矢で割る|穴の跡
亀山城の石坂門の石垣(亀山市歴史博物館にて)(N)

 砥鹿神社 三河一宮(愛知県豊川市)に奉納された「親子なで鹿」制作にあたって

神鹿像の創意工夫点
◎像全体について
・彫刻としては温故知新、写実美(ヨーロッパ由来)と様式美(古来日本由来)の混合によってかたち作った。
・地山(二体が横たわっている台)は鹿の身体の流れを強調し、力強さを増すように形作った。
・両鹿の耳は、長い年月に耐えうる石の厚みに仕上げた。
親子なで鹿|砥鹿神社(愛知県豊川市) (1)
◎親鹿について
・頭とおしりの毛並は造形的に彫った。神格化したイメージも込めた創意である。
・仔鹿がもたれている上腕は膨らませ、しっかりと支えているようにした。
・視線について。仔鹿を優しく見守る左目。宇宙、永遠を見つめる右目。左右の目に籠めたおもいは異なるが、正面からみると違和感の無いように彫り上げた。
・耳の角度について。仔鹿に対する左耳は、右耳よりもうつむき仔鹿を気にしている様子に表現した。
親子なで鹿(砥鹿神社)神鹿親鹿
親子なで鹿|砥鹿神社(愛知県豊川市) (1)
◎仔鹿について
・あどけなく元気で可愛らしくなるように目を大きくし、顔はふっくらさせ、身体を柔らかいかたちにした。
・快活で元気に見せるために、造形的工夫をしたのは背中を若干持ち上げて、手足を中央に寄せて、内に内に力が籠るようにした。眉も若干中央に寄り気味にした。
・親鹿にもたれ、甘えている様子にした。造形的には、背骨を腰から下を親鹿の方に湾曲させた。親鹿の身体との接着面の境目をはっきりと彫り込み強調した。
・手足の病気平癒の願を掛けたい方が掛け撫でることも想定し、どの手足も撫でられるように仔鹿の四肢は全て彫った。
・耳やお尻の毛は親鹿よりも少なくした。
・頭部こめかみの渦巻きは、角(雄)になっていくのか、雌親鹿のようになっていくのか、見る方の想像をかき立てるようにした。
・左耳は、後方に旋回させて親鹿を意識する様に表現した。
親子なで鹿|砥鹿神社(愛知県豊川市) (1)
石の魅力、特に野外に置かれる石造品の魅力は、移りゆく四季、年月、晴れの日、雨の日、雪の日、太陽光の傾き等によって表情が変わり、その時々の美しい姿を見せてくれることだと思います。本鹿像では品格よく美しく優しい鹿になるように全身全霊で表現させていただきました。多くの方に「親子なで鹿」に触れていただき、寄り添い愛され続けられる像になってほしいと願っております。 制作 佐藤智





親子の鹿が乗る台石の制作過程をご紹介します。
薬研彫り石字彫り|砥鹿神社親子なで鹿 (1)
岡崎産の宇寿石(うすいし)を使用します。
親子なで鹿台石(宇寿石)|動物の石像
親子なで鹿台石(宇寿石)|動物の石像
角は広く面を取ります。
天面と背面はバーナー仕上げ。それ以外は割肌面です。
親子なで鹿台石(宇寿石)|動物の石像
親子なで鹿台石(宇寿石)|動物の石像
神社に納めるため凛とした雰囲気を持ちつつ、上に乗る鹿の柔らかさとの調和を考え、角を砥石で擦り柔らかく仕上げます。
親子なで鹿台石(宇寿石)|動物の石像
鹿と台石と同時進行で進めております。
親子なで鹿制作工程|動物の石像
文字原稿を石に当てて、文字を石に写し取ります。
親子なで鹿台石(宇寿石)|動物の石像
親子なで鹿台石(宇寿石)|動物の石像
線の中心を深く彫る、「薬研彫り」にします。
親子なで鹿台石(宇寿石)|動物の石像
一文字ずつ、お参りする人が幸せになるように思いながら彫っています。
親子なで鹿台石(宇寿石)|動物の石像
末広がりで縁起が良く、薬研彫りにしたときに格好よく見える書体を選びました。
親子なで鹿台石(宇寿石)|動物の石像
親子なで鹿台石(宇寿石)|動物の石像
上に乗る鹿を小さなお子さんが撫でられるように、台石は低く作りました。(N)












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