岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

2023年08月

「露地完成しました」とフランスより素敵な写真が届きました!
日本から織部燈籠 つくばい 前石を船便にてお送りしたお客様からの連絡です。
こちらはフランスのご自宅のお庭です。
織部燈籠と蹲の茶庭(露地)|フランス (1)

日本の畳がある茶室から見える露地(茶庭)は白い高い壁が気持ちのよい空間です。
白い壁に背の高い織部燈籠と茶色の蹲がきれいに引き立てあっています。
日本的な植栽もマッチしています。
織部燈籠と蹲の茶庭(露地)|フランス (6)

飛び石はギリシャ、役石はトルコ、畳石はプロヴァンスンス、砂利はイタリアと
石集めに難航されたそうです。
ヨーロッパの石たちと日本灯籠で、この庭が作られているなんて、なんとも嬉しい共演。
織部燈籠と蹲の茶庭(露地)|フランス (7)
日本人の奥様監修(?)のもと、
ご主人のセンスもミックスされた手作りだというから驚くばかりです。

ブログやWebサイトへの掲載を依頼したところ、
「素人の私たちが手探りで作った庭ですが、
海外で日本の庭を作りたいと思う方のきっかけや参考になれば」と、
庭づくりの過程も教えていただきましたので、お問い合わせから完成までをご紹介します!

【1.お問い合わせ】
フランスからメールでのお問い合わせ
3.4m×2.2mのスペースに石灯籠とつくばいを検討中とのことでした。
織部燈籠と蹲の茶庭(露地)|フランス (7)

【2.灯籠の選定】
お庭の白い壁が高いため、ほっそりと背の高い灯籠が合いそうということで、
お問い合わせ当初より、台石付きの織部燈籠(高さ130㎝)をお選びいただいておりました。
織部燈籠

【3.つくばいの選定】
隣接する茶室に付属する露地(茶庭)なので、茶室を利用される人数をお伺いし、
つくばいは、必要な水が溜まるサイズでありながら、人力で運べるものを検討していきます。
ひしゃくと水の量
【4.ご来店】
大方のイメージを固めて、奥様が日本へ帰国される際に、弊社へお越しいただきました。
実際に見ると形や色、ボリューム感をより感じられます。

フランスのご主人と奥様がテレビ電話でお話ししながら、相談されていました。
奥様が燈籠の横に立ったりして、サイズ感を確認し合いながら石を選んでいました。
私には「ボンジュール」以外、分からないフランス語の会話は、なんとも可愛らしい響きに聞こえました。

お話の中で、織部燈籠の高さを低くすることもご提案しました。
今回のお庭は土ではないため、柱を埋め込んで高さを調整することが難しく、
低くする場合は、燈籠の台石を使用せず、柱を切る方法をご検討いただきました。

仮置き、
長身の人でも使いやすように、蹲は高めに、飛び石は低く配置してみました。
仮置き (1)
燈籠の台石を使用せずに、総高さ高さ117㎝に設置した場合
燈籠の窓から、明かりが漏れたとき、つくばいまでは少し離れています。
織部H117cm

総高さ高さ95㎝の場合
燈籠の窓から蹲に光が届くような位置関係です。
織部H95cm使用イメージ
手元を照らす目的からは外れてしまうが、灯籠を低くすると壁とのバランスが取れなくなるだろうとのことで、台石も使っていただくことになりました。
実際に設置してみて、低くしたい場合は、現地の石屋さんで切ってもらうとのことでした。

【5.石製品のお届け】
フランスまでは船便にてお送りしました。
今回は、港からの受け取りはお客様にて手続きいただきました。
日本とは事情が異なる中、無事に荷物を受け取り開梱している様子
輸出梱包荷姿|灯籠海外発送
お客様いわく、家に灯籠を運び入れたときは、一つ一つの存在感があまりにも大きく、
この場所にしっくり落ち着くような露地ができるかどうかと心配していたそうです。
織部燈籠と蹲の茶庭(露地)|フランス (2)
ワンちゃんも海の向こうから灯籠が届くのを待っていてくれました。

【6.設置工事】
石と石との間の距離や高さや、ほんの少しの角度で見え方が変わるので、
電気ドリルで地面を掘り進めて何度も石を置き直したそうです。
織部燈籠と蹲の茶庭(露地)|フランス (3)
台石のある織部燈籠は珍しいのですが、
この場所には背の高さも、台石の存在もちょうどよかったです。
石の形に合わせて掘るだけでなく、石の水平も確かめながら工事されています。
織部燈籠と蹲の茶庭(露地)|フランス (4)
こちらは露地(茶庭)として使用されるので、
つくばいの手前に水を落としても良いように、排水の処理も工夫されています。
織部燈籠と蹲の茶庭(露地)|フランス (5)

【7.完成】
白い壁に、灯籠・つくばい・前石・役石や玉石が活きて配色がきれいなお庭です。
織部燈籠と蹲の茶庭(露地)|フランス (6)

腰掛はご主人作、腰掛の足元と畳石はもご主人のセンスで配置されたとのこと
独学でここまで作り上げるセンスと、お庭造りを楽しんでいる情熱を感じます。
織部燈籠と蹲の茶庭(露地)|フランス (7)
「何もなかったタイル貼りの庭に徐々にアイテムが増えて、少しずつ日本の庭らしくなっていく様子に、なんとも言えない喜びを感じました。自宅に茶室と露地があるというのは、何ともうれしいものです。」とメールをいただきました。

作っていく過程を見ていると、一緒に作り上げていくような気持になり、
私たちも自分のことのように完成の喜びを味わえました。

日本から離れた場所で、
日本の文化を大切にしている様子に嬉しさと感動、尊敬の思いがあります。
この露地で日本を知る人が増えていくなんてワクワクします(N)







野村証券岡崎支店開設50周年記念の一環として
石の招き猫をカウンターなどに展示いただいています。
石の招き猫|野村証券カウンター
これらは、石の産地である岡崎市内の石材業者4社が、それぞれ石の招き猫を3体ずつ製作し
合計12体が岡崎支店のカウンターなどに1体ずつ設置されています。
石の招き猫(野村証券)|東海愛知新聞
【2023年8月 東海愛知新聞より】

取材の際には、各社趣向を凝らした「石の招き猫」がずらりと並びました。
招き猫のモデルは三毛猫だったようだ、幸運を運ぶことから商売繁盛の御利益があるなど
招き猫のお話や、さまざまな石を使用した制作の様子などを話しました。

こちらは弊社製作の3匹
木曽川で採れた玉石は全て石種が異なり、台石の石種も変えてみました。
【石の招き猫】 粒々のゴマ柄がある石(花崗閃緑岩)は、三毛猫
招き猫|野村証券(三毛猫) (2)
【石の招き猫】大きな粒が混ざった木曽石(礫岩:れきがん)は、ブチ猫
招き猫|野村証券(白黒猫) (2)
【石の招き猫】流紋岩には、黒猫
招き猫|野村証券(黒猫) (1)
石都岡崎ならではの招き猫に出会えます(N)





8/11(金)から16(水)までお休み
お盆期間中のお問い合わせは
Eメール または ファックスにてお願いします。
休み明けにお返事いたします。

8月の定休日
11(金)~16(水) 20(日) 27(日)
童|石仏石像地蔵の製造販売


ヤマトタケルが亡くなった地にある能褒野王塚古墳は、宮内庁によりヤマトタケルのお墓とされています。この古墳に隣接している能褒野神社へ行ってきました。
能褒野神社|三重県亀山市 (11)
能褒野(のぼの)はヤマトタケルが亡くなられた地で
日本書紀には「能褒野」、古事記には「野煩野」と異なる漢字で記されているそうです。
能褒野神社|三重県亀山市 (12)
参道の石段を登って
能褒野神社|三重県亀山市 (14)
参道両脇には、のぼり立てがあります。
足元の穴のあいた斜めになっている石が気になり、近づいてみると
能褒野神社のぼり立て|三重県亀山市
個人的には、はじめて見る設計の「のぼり立て」でした。
能褒野神社のぼり立て|三重県亀山市 (1)
穴にのぼりの支柱を差して、斜めになっている石を平らにするとのぼりを起こせます、
のぼりを倒す時は、石を斜めに持ち上げる。
作業がしやすく工夫された設計アイディアは面白いですね。
能褒野神社のぼり立て|三重県亀山市 (2)
両脇の石の側面には穴があり、
支柱を差し込む石には、両サイドに突起があり、可動式になっています。
能褒野神社のぼり立て|三重県亀山市

さらに石段を進み、大きな鳥居をくぐります
能褒野神社|三重県亀山市
こちらは大正時代に建てられた石鳥居
小菅剣之助 謹建 と刻まれています。
調べてみると将棋棋士・実業家として活躍した人物のようです。
能褒野神社|三重県亀山市 (22)
柱の根元にある沓石は曲面がきれいでした。
能褒野神社|三重県亀山市 (20)
参道には、日本武尊(ヤマトタケル)御墓への案内標識もあります
左へ進むと御墓への道です。
能褒野神社|三重県亀山市 (25)
境内には所々に「飛地」と標識があり、神社と宮内庁の敷地が入り混じっています。
能褒野神社|三重県亀山市 (1)
能褒野神社は、明治時代に近隣の40社が合祀されたことで、
鳥居の形も神明と八幡の両方があります。
能褒野神社|三重県亀山市
拝殿正面の鳥居は二つとも八幡型鳥居
能褒野神社|三重県亀山市 (2)
入口の大きな鳥居は神明型
能褒野神社|三重県亀山市 (19)
参道にも各神社から移設されたのか様々な灯籠が並んでいます。
能褒野神社|三重県亀山市 (27)
各パーツが六角形・四角・円を組み合わせた神前灯籠
能褒野神社|三重県亀山市 (9)
本殿前では狛犬が元気いっぱいな表情で出迎えてくれます。
能褒野神社|三重県亀山市 (8)
能褒野神社|三重県亀山市 (6)
亀山市栄町にある能褒野神社「二の鳥居」とされている石鳥居を、境内に移設予定です。

移設工事の下準備のため、
神社で作業していると、鳥居の前で手を合わせてお参りする人を度々見かけ、毎月お参りに来ているというご夫婦に鳥居が建つのを楽しみにしていますと声を掛けてもらえたり、夕方には子どもたちがクワガタを採りに自転車で集まったりと、静けさの中にも賑わいのあるいい神社だなと思いました。(N)


能褒野神社に関する記事
・石鳥居移設工事1(能褒野神社二の鳥居)


・石鳥居移設工事2(能褒野神社二の鳥居)


・石鳥居移設工事3(能褒野神社二の鳥居)


・亀山駅前大鳥居の扁額保存展示(能褒野神社一の鳥居)






八百万の神様が出雲大社へ集まる10月は出雲以外の地域は
神様がいなくなることから、神無月といわれることが定着しています。
七福神の石像レリーフ彫刻
そんな神様不在の留守を守ってくれる神様は「留守神さま」と呼ばれます。

人々の暮らしに寄り添い身近な存在の神様たち
・恵比寿さま
・金毘羅さま
・竈(かまど)神
・道祖神 など

地域によっては、大黒様もメンバー入りするようです。
大黒様(留守神)|石像レリーフ彫刻
主に家を守る神様は、家を空けるわけにはいかない。
だから、出雲大社へは出かけられない。とのこと

実は、恵比寿様は過去に出雲大社でお酒を飲んで失敗をして
顔を出しづらくなったとの話もあるそうです。
神様でも失敗すると聞くと、親しみが涌きますね。
恵比寿様(留守神)|石像レリーフ彫刻
現代では、神無月の本来の意味は「神の月」というのが有力な説とされ
神が無い月(神様不在)という解釈ではないそうです。
万葉集が編さんされた8世紀ころの表記は「神な月」
平安時代に「な」→「無」の漢字を当てたことで、神さま不在との解釈が生まれたとの話もあります。

出雲大社に神様が集まる話が広まったことで、
神様不在の期間も見守ってくれる「留守神さま」という考えができたのかもしれません。
「留守神様」というネーミングがお留守番をする子どものようで可愛らしいです。
旅人を見守り、村を守る道祖神も留守神さま
留守神様|道祖神
お米や農作物の収穫時期に、神様不在では心もとないです。

留守神様という考えは、いつでも身近なところに
神様がいてほしいという願いから、
暮らしの中で自然に生まれてきた言葉なのでしょう。
本来と違う意味が馴染んでいき、根付いていくことも面白いです。
留守神様|二福神
にっこりしている大黒様と恵比寿様は、見ているこちらも幸せな気持ちになります
「大黒さん」「恵比寿さん」と親しみを込めて呼ばれるのも、
留守神さまならではでしょうか。(N)



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