岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

2023年09月

石灯籠などの補修・修理のご相談には、
サイズや補修箇所、石の状態や割れ・欠け具合を総合的に判断して
可能な修理方法をお伝えしています。
・破損部の補修
・破損のあるパーツのみを作り替える
・灯篭を全て作り替える など
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
何が最善の方法なのかは、持ち主の方のご意向も重要になります。

今回のお客様のお庭には、
古い灯篭がたくさんあり、石に限らず、物を大切に扱う気持ちが伝わるお庭でした。
灯籠にまつわるお話を伺いながら、修理の方向性を相談します。

ご依頼の灯籠は「吉野型」という灯籠です。
破損した宝珠は、もともと別の灯籠のものだったので、
この機会に吉野型の宝珠を作ることになりました。
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
お庭にあった火袋や笠の形には丸みがあり、
可愛らしい印象の灯籠だったので、既存のパーツと馴染むように作りました。
通常よりも全体にコロンとした宝珠
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
火袋は上に笠を重ねて置くため、強度が必要です。
破損の多い火袋の補修は、長い将来を考えるとお勧めできませんでした。
既存の火袋を見本にして、作り直します。
石灯籠の修理修復
火袋の石を繋ぎ合わせると、丸みを帯びた形がかわいらしい火袋です。
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
受の欠けてしまった箇所(写真では上下向きを逆にして置いてあります)
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
【欠けた2箇所の補修】
石をはめ込み接着します。
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
隙間に石を細かくして作った粉を詰めます。
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
はめ込んだ石を笠の曲線に合わせて削ります。
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
周りの石に色を合わせて着色します。
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
宝珠、火袋は新しく作り直し、受は補修しました。
石灯籠の修理修復(設置後)
新しくした宝珠を見て「かわいい」とお客様に褒めていただきました。

どのように直すか、何を残せるのか、
作った人への敬意を込め直させていただきました。
石灯籠の修理修復(設置後)
苔付きの良い環境なので、
宝珠や火袋も、周りの色に早く馴染んでくれることを期待しています。(N)










神社の石灯籠を移動しました。

【移動前】
道路沿いにあった神前灯籠と石積みを社殿側へ、移動します。
神社燈籠移動|石積み移動工事

【移動後】
新設するのぼり立てに当らないよう燈籠を2メートルほど移動しました。
灯篭移動後|神社神前灯籠移設

移設工事の様子をご紹介します。
今回は、燈籠の下にある石積みも解体して、再利用します。
(石の積み方等によっては、積み直しができない場合もあります)
神社石燈籠移動|石積み移動工事 (2)
解体前と同じように、積み直せるよう
間知石(けんちいし)に水平の印をつけます。
神社燈籠移動|石積み移動工事

解体しながら、移動先に基礎を作り、積み直していきます。
神社燈籠移動|石積み移動工事 (1)
神社燈籠移動|石積み移動工事 (2)
石積みの石は、間知石(けんちいし)と呼ばれ、
奥行(控え)が長い石が使われることがあります。
(間知石は、石積みの方法によって、さまざまな形があります)

ここで使われていた間知石は、
石積みの高さから考えても、控えが長く、丁寧に作られていました。
灯篭移動前|神社神前灯籠移設 (2)

既存のコーピン(間知の上に置く石)と燈籠の台を据えます。
灯篭移動前|神社神前灯籠移設
石の組み合わせ方を互い違いにすることは、昔から使われる石の組み方です。
上(オレンジのベルト固定)は前後の石で短い石を挟み込んでいます。
下(水色のベルト固定)は左右の石で短い石を挟み込んでいます。

燈籠を設置し、移動工事完了
灯篭移動前|神社神前灯籠移設

向かって右の燈籠は、欠けのあった部材を新しく作り直しています。
燈籠パーツの作り変え

ご依頼のきっかけは、
社殿建て替えにともない、解体された石造品の再設置等のご相談でした。
再利用できるものや、修理が必要なものなどを石の状態を見ながら検討していきます。
石灯籠の設置工事

狛犬の台石は、石積みの再利用ができなかったため新設しました。
欠けていた狛犬の顔は修復しました。

神社狛犬修復|愛西市
境内に残っていた間知石(狛犬の台石に使われていたと思われます)には
嘉永七年(1854年)の文字が刻まれていました。
間知石嘉永七年の文字

手水舎の移動
手水鉢の移動
水鉢・巻き石ともに既存の石を再利用しています。
手水鉢の移動|愛西市

既存のロウソク立てを再設置
ローソク立て

春日燈籠の再設置
1基はコンクリート製の火袋だったため、
対になっているもう一基と、風合いの似た石灯籠に置き換えました。
コンクリート製の火袋|春日燈籠
石造物の配置は改修前と一部変更しています。
灯篭は解体前と同じ配置にしています。
 石造物の再設置春日燈籠
既存の石を使いながら
破損部を修復したり、パーツを新しく作り変えるなどして、
石造品の再設置を工事させていただきました。
神社建て替えに伴う石工事|愛西市
新しい社殿と既存の石造品があることで、
歴史を残しながら、また新しい歴史が続いてくれればと思います。(N)


石燈籠をどのようにデザインするのか、ご紹介します。

今回は、新製品の置き燈籠をデザインしながら製作しております。
こちらの燈籠の笠に載せる宝珠(玉)のデザインを決める過程をご紹介します。
石灯籠の製作過程
【今回目指している燈籠】
◎お庭で主張しすぎず、自然と馴染むもの
◎派手な灯籠にはしない
◎オリジナルのデザインにする

さて、宝珠はどうしようか
展示場から燈籠の宝珠を集めて、デザインの方向性を検討します。

・下部に丸い装飾がある宝珠
石灯籠の宝珠|六角朝鮮
宝珠の違い|石灯籠の製作 (1)
装飾のない笠だけ浮いてしまったような

・シンプルな宝珠
石灯籠の宝珠|四角活込
宝珠の違い|石灯籠の製作 (2)
火袋から上がシンプル過ぎて
笠と宝珠だけ別の燈籠のように感じました。

・下部に連弁(花びら)のある宝珠
石灯籠の宝珠|舟付
宝珠の違い|石灯籠の製作 (3)
急に燈籠らしくなってしまいました。
今回は一般的な置き燈籠にしたくありません。

・奇をてらって、岬燈籠の宝珠
石灯籠の宝珠|岬
宝珠の違い|石灯籠の製作 (6)
んーん、いろいろ試しても、しっくりくるものがありません。
宝珠は、燈籠に合わせて考え抜かれた形で、代用できないのかもしれません。
こんなに悩むとは思いませんでした。

もしかして、方向性を間違えているのかも、
宝珠ではないものが似合うのかも、と
工場にあったフクロウでも載せてみるか~と息抜きがてら載せてみました。
宝珠の違い|石灯籠の製作 (5)
この姿をみて、もしかしたら
「縦長のものが似合うかもしれない」とひらめきました。

・烏丸の塔の相輪(宝珠)
石灯籠の宝珠|烏丸の塔
宝珠の違い|石灯籠の製作 (7)
想定外の形でしたが、これがしっくりきます。
この方向で進めていくことに決めました。

しかし、せっかくの新しい燈籠を作っているので、
既存のものをマネはしたくはありません。
相輪(九輪)

九輪玉にしたらシャープでかっこいい塔になる。
けれど、お墓っぽくなってしまう。

庭用には、もっとやぼったく玉石を重ねたような、串団子みたいなものが似合いそう。
横のラインは浅く彫って、区切りをはっきりとさせない
その方が、庭で眺めるには息が抜けるのでは
相輪
宝珠の選定
できたものを載せてみるも、思っていたものと違いました。
目が慣れるまで眺めようと、しばらく眺めても、合わないものは合わない。
なぜか、笠のラインが美しく見えません。

溝を増やして、九輪にしてしまおうかと、簡単な修正方法の誘惑にかられます。

下のパーツに対して、とにかくボリュームがあり過ぎて
宝珠の存在感がありすぎる(背が高い?太い?)ということで、

全体の高さを1寸くらい低くし、厚みを均等割りから微妙に変えて、
太さは、上にいくほど、すぼまる形に修正。
宝珠の選定
上に伸びていくようなイメージです
宝珠の選定
宝珠の下部に模様を作り、全体の統一感を持たせました。
宝珠から笠へのラインが繋がって、笠の曲線が美しく見えます。
山橘の塔
笠のカーブや、球体の彫刻などからイメージを膨らませ
藪柑子(ヤブコウジ)の古名である「山橘の塔」と名付けました。(N)


 

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