岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

2024年05月

苔むした石には、年月が経過した味わいがあり、何とも言えない魅力があります。
苔むした五輪塔
苔づくまでに必要な時間は、
石の種類や仕上げ、環境によって大きく変わります。
弊社展示場での一例をご紹介します。

この五輪塔は5年前に製作したものです。
・苔がつきやすい場所に展示
・苔を育てるためのお世話は無し(自然放置)
五輪塔|製作5年後

5年前(作り立ての頃)
五輪塔|作り立て
御影石の中でも、柔らかい部分を使うことで見た目にも柔らかな風合いになり
苔付きを良くし、早く風化した雰囲気を出すことができます。
また、ノミで仕上げることで石の内部まで水が浸透しやすくなります。


パーツごとの変化を見てみます。
空輪 風輪 と呼ばれる上部パーツ
五輪塔|作り立て
五輪塔|製作5年後
水輪と地輪という下部パーツ
五輪塔|作り立て
五輪塔|製作5年後
こうして見比べてみると
下部の方がより苔むしてきているように見えます。

雨風の影響を受ける上部よりも、土に近い下部の方が苔むしていきます。
これは、石が土から水分を吸収し、水を含んでいる時間が長い為と考えられます。
上部は雨が上がると石が乾いていきます。
一方、下部は雨が上がった後も水分を含んだままの時間が長くなります。
石に苔を生やす|条件と環境
地面に近い分、周囲の苔の胞子が飛びやすいという側面もあります。

◆弊社の展示場の中で苔づきやすい場所◆
◎敷地の北側で建物の影になっており、山が隣接している
◎日影の時間が長い
◎風が抜ける
◎大きな木の下にあり、木漏れ日がさす
◎地面には既に苔が生えている
※落ち葉を取り除いたり、小石を取り除く、草取りはしています
石に苔を生やす|条件と環境
石に苔を生やす|条件と環境
これらの条件が、苔づきの良さに影響しているのかは定かではありませんが
早く苔を付けたい時は、このエリアに展示します。
特に雨上がりの朝は、光が差し込み美しさが増します。
石に苔を生やす|五輪塔
苔は環境が変わると、変化についていけず枯れてしまうこともあります。
しかし、苔が付いている石は、苔が付きやすい石でもあるので
一旦枯れてしまっても、新しい環境に適した苔が付いていく可能性があります。(N)




灯篭の名前は、灯篭がある場所に由来していることが多いです。
例えば
春日灯篭 → 春日大社(奈良)
高桐院 → 高桐院(京都)
松琴亭 → 桂離宮(京都)内 松琴亭など


その他の由来として、灯篭の形(姿)を何かになぞらえることがあります。
濡鷺灯篭 → 一本足で立っている鷺の姿
灯篭の名前由来|濡鷺灯篭
「なるほど」と、うなずける形です。
本物の鷺とは違うけれど、鷺に似ていると感じとる感覚が好きです。

琴柱灯篭 → 琴柱(弦楽器の琴に用いる道具)
灯篭の名前由来|琴柱灯篭

灯篭の名前由来|琴柱

雪見灯篭 → 浮御堂(近江八景) ※諸説あり
灯篭の名前由来|雪見灯篭

「雪見灯篭」は、個人邸をはじめ回遊式の広い庭園などでも多く使用されています。
古代雪見灯篭|杉田石材店
海外の日本庭園でも目にする機会が多く、石灯籠の定番のひとつです。
雪見灯篭設置例
では、雪見灯篭の名前の由来は?
「雪見灯篭」という名前の由来には2つの説があります
1 滋賀県 近江八景のひとつ「浮御堂(うきみどう)」に似ているから

2 笠を広げた上に雪が積もった形に似ているから

1の「うきみ」から「ゆきみ」に変化していったという説が有力のようです。
どちらにしても、灯篭の姿から想像した命名方法は、豊かなものです。

お客様からのお問い合わせの際にも
「笠を広げたような、屋根の大きい灯篭」と形を説明していただくことがあります。
形を説明する手段として、名前が付けられているのかもしれません。

歌川広重の浮世絵でも有名な近江八景
浮御堂の描かれた「堅田の落雁」がなかったら、
雪見灯篭の名前も変わっていたかもしれません。

浮御堂がなかったら、八景の文化が日本にこなかったら、と考えると
さまざまな文化が重なり合って、雪見灯篭と呼ばれるようになったようです。

灯篭の形にも流行があり、昔は作られていたけど、近年では作られなくなった形もあります。
そんな中、雪見灯篭には時代の影響を受けない普遍的な魅力があると言えます。(N)


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