岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

2024年07月

石灯籠を海外へ発送しています。
今月は、アメリカ・オーストラリア・イギリスへ
全て海上輸送(混載便)にて発送します。
海外発送コンテナ|石灯籠の輸出
海外への輸送方法と、梱包について紹介します。

石製品は重量物のため、
費用面で比較すると、海上輸送が安くなることが多いです。
お急ぎの場合や、軽量貨物(50㎏程度)の場合には、航空輸送を行うこともあります。

~海上輸送~
費用:割安 お届け:1~3ヶ月後(国により異なります)

~航空輸送~
費用:割高 お届け:1週間後(国により異なります)

【海上輸送について】
◎混載便
(コンテナに複数の依頼主の荷物を積める)
小さな製品1点から発送可能


◎コンテナ便
(コンテナ1個単位での貸し切り)
混載便よりも、輸送費が割安
主に、製品数が多い場合に利用します。
10点以上の製品が目安(サイズや形にもよります)
海外発送コンテナ|石灯籠の輸出
コンテナ内で、二段積みにする場合には、
下段の梱包に壁と蓋を作って、上積み可能な梱包にします。
石灯籠海外発送|梱包例 40フィートコンテナ
灯篭は、部材ごとに分けて
プラスチックパレットに固定しています。
石灯篭海外発送|荷造り
海外へ送る際には、梱包前に灯篭を洗浄しています。
植物検疫検査に対応するため、土や苔を落とす必要があります。

更に、ラップ材で巻きしめて固定します。
No2 (1)
木枠梱包
(製品や発送方法によって、梱包の仕様は異なります。)
海外発送|梱包
四方を壁で囲って蓋をつけます。
海外発送|梱包
こちらは、マルセイユ向けのケースマーク
海外発送|ケースマーク
小型の製品は、段ボール梱包で国際郵便にて発送します。
重量30㎏(一部異なる国があります)までの荷物
石製品|海外発送
弊社にて輸送手配を賜りますが、
受取人様にご手配いただくことも可能です。

↓こちらは、航空便にてハワイへ到着した石灯籠
現地の荷受人様にて、輸送手配いただきました。
石灯籠ハワイに到着|海外輸送荷姿
外国の風景とともに写った石灯籠を見ると、
無事に届いた安堵感と、石がワープしているような
不思議な感覚があります。

輸送に関わっている多くの人たちに感謝します!(N)





パーツの欠損、ヒビ、剥離などが見られる石造物
(石灯籠、狛犬や狐などの彫刻品、石碑、お墓など)の
保存、補修や修復、移動などについて、お話します。

【3年前に、移設工事をした三猿像】
腕や足が落ちてしまい、石の表面が剥がれていたり、小さなヒビも多くありました。
石造物の保存(補修・修復)
こちらの石像は、移動作業の前日に、ヒビの奥にボンドを差して補強しました。
表面には付着しないように、目立たないようにボンドを差します。

詳しくは、移設工事時のブログ記事↓


このように一つ一つ、対応が異なるため、ご相談を受けると、
はじめにご希望と現状をお伺いし、可能な方法をご説明します。

保存や補修をご希望される、そのお気持ちを大切にしたいので、
お力になれるよう、可能な方法を検討します。

そんな中でも、
「いじらないほうがいい」というお返事をすることがあります。
手を加えたり、動かしたりせず「現状のままの方がよい」という意味です。

倒壊などの心配がなければ
「このままの方が良い」と
ご意向とは異なるお返事もします。

【補修や移動をお断りする事例】
・動かすことによって、本体が破損してしまうほど風化している
・重量的に石を移動する方法がない
・直しても、強度的に問題があり再び同じ状況が見込まれる
・破損している箇所以外にもヒビが多い
※状況により判断が難しいので、一度ご相談ください。

【補修や移動をお勧めしない事例】
・動かすことによって生じるリスクが高い
・作業後に見込まれる改善具合が、高いものが望まれない
・作業後の将来的な経過(長期間保てない)
・費用が高額になってしまう
これらをご説明し、作業は可能だけれど、
費用をかけてまではお勧めはできない。など
状況に応じて、考えられることをご説明します。

キズや破損のある石造物は、取り扱いに特に注意が必要です。
作業中に破損したり、傷が増えることがないように作業します。
移動中の破損は、石の落下による事故にも繋がり慎重に作業します。

補修するため、取り外し作業や、移動(輸送車両までの移動や、固定作業など)、
工場までの輸送、お戻しする際の輸送など、
動かす都度、石に振動や衝撃が加わることとなります。

【取り外し作業】
慎重に行いますが、石には衝撃が加わります。

スリングベルトが石に直接かからないよう
バンキ(当て木)にスリングをかけます。
石造物の保存(補修・修復)|移動
一点に力がかかって、風化した石が欠けないように力を分散させます。
特に欠けやすい角に注意します。

作業中には、機械の振動が加わわることもあります。
また、石の状態や現場の状況に合わせて、
道具を作製して工事する場面もあります。
石造物の保存(補修・修復)|移動
石の状態に応じて、移動に耐えうる固定方法を行います。
石造物の保存(補修・修復)|移動
道路の段差などで、荷台が揺れることも想定して固定します。
石造物の保存(補修・修復)|移動
平らな道はなかなかありません。
ゆっくり運転します。
石造物の保存(補修・修復)|移動
取外しや、移動作業時に破損が生じる可能性が高ければ、
万が一のことも事前にお伝えした上で、可能な対策をします。

補修作業等が困難な場合には、お断りすることもございます。
私たちが出来ることがなかったとしても
石屋として考えられる対策を、お話しすることもあります。

屋外にある石造物でしたら、屋根や囲いをお勧めします。
石造物の保存(補修・修復)|移動
三方向の囲いと、屋根を付けることで
雨風をしのぎ、風化の進行を遅らせる効果があります。
石造物の保存(補修・修復)|移動
移動が困難な場合には、現地での作業もできます。
しかし、持ち出せる設備や道具に限りがあります。
作業方法にも限りがあるため、工場での作業の方が精度は上がります。

石の状態や、環境、ご意向など
ひとつひとつ状況が異なりますので、
石造物の補修をはじめ、移動や保存をご検討中の方は
一度お写真をご用意の上、ご相談ください。(N)




私たちは、道祖神を製造販売しています。
「自宅に置いてもいいですか?」と、
お問合せを受けることもある「道祖神」についてお話します。
道祖神|製作販売
道祖神といえば、安曇野をはじめ、信州のイメージが強いですが
調べてみると、神奈川、群馬、山梨 静岡にも多く分布しています。

長野県に接している愛知県の北部では、一部見られますが、
石の産地である岡崎をはじめ、県内では古い道祖神を目にすることはありません。

道祖神の文化は、愛知県全域に広がらなかったようです。
各地域を治めていた藩の影響なのか、
高遠の石仏も、愛知県には北部にしか見られず、県内全域には広がっていません。
石工の集団も藩お抱えの存在だったのか、文化的な交流が少なかったのでしょうか。

各地に存在する道祖神は、
意味合いを一つに絞ることが難しいようです。
例えば、

◎飢餓に苦しむ村では、
豊作を祈願して、祈りをささげるために作られた
作神(さくがみ)
※地域によっては、蚕の神様などもあったようです。

◎疫病が広まることは、
科学や医療が発展していない時代には、恐れられていたことでしょう。
村の存続にも関わる危機意識が、強かったと想像できます。
村の入口に疫病や悪霊が入ってこないよう
「塞ぐ」という意味合いの『塞の神』が作られたことは自然なことでしょう。
岐の神(ふなどのかみ) 


◎性神
子孫繁栄への祈りから、夫婦和合など
盃と徳利の祝言を表す姿や、男女が握手をしているもの、
肩を抱いたものも多くあります。
道祖神|祝言道祖神製作販売

私たちが作っている道祖神は「双体道祖神」といって
男女が並んでいる姿を彫刻することが多いです。
二人が寄り添っている姿はほほえましく、周りの空気をあたたかくさせます。
道祖神|双体道祖神製作販売
「道祖神」と文字を彫刻することもあります。
道祖神|文字道祖神製作販売

江戸時代には、一部の地域で
村が繁栄すると、その村の道祖神が盗まれる
「道祖神の嫁入り」という行為があったそうです。
盗むことを、嫁入りと言い換えているのも、身勝手な言い訳のような。

盗むことが公然と行われていた。ただし、勝手に盗むのではなく、
人間の嫁入り同様に、結納金を納めて、道祖神を連れてきて
嫁入りと同様にもてなされ、歓迎されたそうです。

立場が変われば、村にとっては、大切な道祖神は手放したくない。
そこで盗難防止のために、
石に「帯代5拾両」など、大袈裟に刻み、嫁入りを抑止していた話も残っているそうです。
(信州朝日村の道祖神)

多くの道祖神は、無病息災、五穀豊穣、夫婦和合、子孫繁栄、縁結び
村や旅人の安全祈願まで、さまざまな願いで置かれてきたようです。

これらは、自分たちをはじめ、祖先が生き残っていくために、
『祈り』があったからではないでしょうか。
病気や食料危機などの不安を回避し、
子孫を残していくことは、本能的な心理かもしれません。

道祖神は、身近な神様として地域の人々に大切に受け継がれてきました。
先人の心を癒し、現代を生きる私たちの心も、変わらず癒してくれています。

『祈る』ことで、不安が解消され安心する。
これは前向きに生きる知恵とも言えそうです。

ご自宅に道祖神を置くことは、意味合いとしても
無病息災 夫婦和合などに当てはまります。
お家に悪いものが入らないように、守り神としても良さそうです。

ほほえましい姿を毎日眺めているだけで、
やさしい気持ちになれそうです(N)

参考文献 道祖神のふるさと 伊藤堅吉 遠藤秀男 著書

石の蛙を作ります。

まず、蛙になりそうな石を探します。
今回は石の形を活かした蛙を作るので、石の選定は重要なポイントです。
原石の中から蛙らしい石を探します。
蛙になる石|本鞍馬石
15㎝くらいの石を選えらびました。
蛙になる石のサイズ|本鞍馬石
形を活かして、
石の丸みは蛙のお腹に見立てます。コミカルな姿に見えますが
石の蛙|本鞍馬石(蛙の置物)
雨に濡れると、表情が凛々しくなります。
蛙は雨の中がいいのでしょうか。
濡れた蛙|本鞍馬石の置物
角度を変えて後ろから見ると、石ころに見える蛙
石の蛙|本鞍馬石(蛙の置物)

蛙を並べる|本鞍馬石
蛙を2匹紛れさせました↓
本鞍馬置き場の蛙
少し大きめの石で作った蛙
石の蛙|本鞍馬石(蛙の置物)
こちらも雨に濡れると満足そう
石の置物蛙
後ろ姿が
蛙の背中に見えてくるから不思議です。
蛙の背中|本鞍馬石
自然の石を使った蛙は、一点もので
石の形に合わせて作っています。
石の置物蛙|本鞍馬石
ひと癖ありそうな蛙
石の蛙|本鞍馬石(蛙の置物)
苔の上や植物が近くにあると生き生きとします。
石の蛙|本鞍馬石(蛙の置物)
石の蛙|本鞍馬石(蛙の置物)
灯篭をみていると、石の上にいる蛙に驚かされることがよくあります。
目立たないように石色に馴染んで、石の上で休んでいます。
蛙保護色|蛙と灯篭
本鞍馬の色に似た模様の蛙
蛙本鞍馬柄
暑い日は石の影に入って休憩しています。
蛙本鞍馬柄 (2)
首を傾げている姿がなんとも愛嬌のある蛙
傾げた蛙
そら豆みたいな蛙
そら豆みたいな蛙
水盤の水から出てきた蛙
手足が魅力的です
手足が魅力な蛙
蛙をひとしきり眺めていると
世の中に蛙グッズが溢れている訳が少し分かった気がします。(N)










↑このページのトップヘ