岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

2025年12月

12月27日(土)から1月4日(日)までお休み

【1月の定休日】
11(日)12(月)17(土)18(日)25(日)
石燈籠(蝉丸時雨)蛭川石むしり仕上げ寿石作|杉田石材店岡崎
弊社は愛知県の岡崎市という場所にあります。
今年も、いろいろなお客様にご来店いただきました。

「今、大阪の現場なんですけど
今から行って石を見させてもらっていいですか?」と
3時間後には車で到着して、石を積み
颯爽と神奈川の会社へ帰って行くご夫婦。

「昨日は浜松(静岡県)に泊まってね、
大阪の自宅への帰り道なんです」と
一人旅の行程に組み込んで、来店されるお客様。
きのう見つけたという、天竜川の石を見せてくれました。

他県の同業者さんと話していても、
石の苦労話は、共感しかありません。
話の中で名前の挙がる業者さんとは、お互いに繋がりがあります。
石の場合、産地ごとに石が違うので、
どうしたって、各産地でがんばっている人たちとは繋がります。

お互いにニコニコして、店先で見送る時間は充実感があります。

「これって、できますか?」
「こんなのありますか?」
と期待していただけるのは、有難いことです。

こうして石の仕事が続けられることに感謝しています。
来年も面白い石に出会えますように(N)

石臼を磨き直しています。
砂岩の玖老勢石は、みかげ石の加工とは違い
磨き直したはずなのに、
石の表面を触ると指がザラつきます。
でも、見た目には砂らしいものは見当たりません。
再度磨いても、洗ってみても、エアーを吹いても改善されません。
前回の記事はこちら

表面に石の粒が残って凸になっているのか、
表面に凹みがあるのか、目視では判断ができません。
しかし、手で撫でているとザラつく箇所があるので、
石の粒より小さな凹凸が残っているはず。
目では見えないけど、人間の手の感覚ってすごいです。
石臼のクリーニングと磨き直し|新城市玖老勢石(くろぜいし)
食べ物を入れないなら、何ら問題なく「磨き直した」と言えますが
餅つきをしたら、このザラつきがどうなるのか。

このままではお客様へお渡しできません。
そこで、
実際にお餅をついて確かめよう!

お餅にする工程は省略して、切り餅で代用します。
①臼にお湯を入れて石臼を温めます。
石が濡れるとツヤツヤに光って見えます。
石臼で餅つきできるか実験 (1)
②チンして柔らかくしたお餅2個
石臼で餅つきできるか実験 (2)
投入
このままでも食べられますが、餅つきします。
石臼で餅つきできるか実験 (3)
③石の棒でつきます。(杵がないので、石の棒で代用)
石臼で餅つきできるか実験 (4)
餅つきっぽい
石臼で餅つきできるか実験 (9)
④ほどよく石にお餅がくっついてくれます。
ちょうどいい石の表面具合。
くっつくことで、お餅が返せます。
石臼で餅つきできるか実験 (7)
見た目には、石の粒はお餅に混ざりませんでした。
食べてみても、問題なし。

でも、手で触ると石の表面がなんだかザラつきます。
ザラつきが気になる箇所に、お餅を擦りつけてみます。
石の表面に擦り付けるようにしました。
ひと口食べてみると

問題なし!!あーよかった。
これならお渡しできます。

完成
石臼のクリーニングと磨き直し|新城市玖老勢石(くろぜいし)
石臼のクリーニングと磨き直し|新城市玖老勢石(くろぜいし)
石臼のクリーニングと磨き直し|新城市玖老勢石(くろぜいし)
~玖老勢石(砂岩)の石臼の使用方法~
この石は、耐熱性があります。
熱湯を入れても大丈夫です。
石臼のクリーニングと磨き直し|新城市玖老勢石(くろぜいし)
みかげ石に比べると、柔らかい石です。
餅つき杵の衝撃が一か所に集中すると、
石を割ってしまう恐れがあります。

力を分散させるために、
台座は、臼との設置面を多くしてください。
・支える脚を増やす 通常4本脚→8本に増やす
・臼がすっぽり、はまる台座を作る
など

吸水性の高い石です。
使用前には、石に水をしっかり吸わせてからご使用ください。

~保管方法~
保管は屋根のある場所で、
できれば地面から浮かせて(盤木バンギを2本配置して)
底面にも空気が通るように。水分を常に吸っていると風化が早く進行します。
梅雨時期など湿度が高い時には、空気中の水分を石が吸いますので、ラップなどで密閉しないこと。

ご自身の石臼に使用されている石の特性を知り、
石臼の状態を知った上で、ご使用いただくと楽しいですし、安心です。

お餅つきを楽しんで、いいお正月をお迎えください(N)



~関連記事~

側面のサビ落とし↓

磨きの詳しい工程↓

◆欠けの補修と内側の磨き直し↓











この冬、石臼の磨き直しを3件しました。
3件に共通するのは、「石臼をもらった」という点。
前の持ち主から引き継いで、長く使えるのも石の魅力です。
石を大切にしてもらえると嬉しくなります。

3件目にお預かりした石臼は、
玖老勢石(くろぜいし)
愛知県新城市で採石されていた砂岩です。
直径48㎝ 高さ35㎝ ちょっと背が高い石臼です。
石臼|新城市玖老勢石(くろぜいし)
この石にピンときたのは、
以前、修復した三猿に使用されていた石だからです。
お客様に、その話をすると、
今日もこのお寺の前を通ってここまできました!と、
なんだかご縁を感じます。
三猿像(玖老勢石)|新城市庚申寺
みかげ石の産地である岡崎では、
玖老勢石の臼を目にする機会がほとんどありません。

詳しくは、
新城市にある「鳳来寺山自然科学博物館」がお勧めです。
新城は中央構造線の露頭も見られ、石好きには面白いスポットです。
利修仙人の石像も探してみてください。
お土産に石も買えます。
鳳来寺山自然科学博物館
一般的に砂岩は、みかげ石よりも柔らかく、
加工がしやすいことから、産地である新城では
広く用いられていたと推測されます。

砂岩の耐久性を考慮して、底が分厚い形の臼なのかもしれません。
石臼のクリーニングと磨き直し|新城市玖老勢石(くろぜいし)
しかし、この石を磨くとどうなるのか、
やってみないと分からない部分もあります。

側面は緑色の苔もついています。
玖老勢石餅臼のクリーニング
石の表面は、かさぶたのように薄く剥がれています。
柔らかい石の場合、年数が経過すると
このように表面が、剥がれていくことがあります。
玖老勢石餅臼のクリーニング
石の表面が剥がれてしまうと、
手や服に石の粉が付いて、お餅にも入る可能性があります。
高圧洗浄で、苔とともに風化した表面の石をしっかり落とします。
玖老勢石餅臼のクリーニング
【洗浄後】
剥がれかけていた石が落ちて、
硬い石の表面になりました。
玖老勢石餅臼のクリーニング
玖老勢石餅臼のクリーニング
水穴の内側も高圧洗浄します。
玖老勢石餅臼のクリーニング
内側も石の表面が、ポロポロと剥がれています。
玖老勢石餅臼のクリーニング
【洗浄後】
一皮むけた硬い石肌がでてきました。
玖老勢石餅臼のクリーニング
表面の石がめくれた箇所は、グレーの石肌になっています。
玖老勢石餅臼のクリーニング
内側の石を削ります。
石が剥がれて一番低くなった位置まで石を削ります。
玖老勢石餅臼の磨き直し
縁にあった欠け
玖老勢石餅臼の欠け補修
角を丸めることで、欠けはなくなります。

みかげ石に比べると、
きめの細かい粒が集まった石です。
玖老勢石餅臼の欠け補修
磨き加工をしていきます。
玖老勢石餅臼の磨き直し
水を使いながら、磨いていきます。
玖老勢石餅臼の磨き直し
玖老勢石は砂岩で、
磨いても艶が出ないことは予測ができました。

ただ、内側を磨いても磨いても、なんだかザラついています。
みかげ石だと400-500番という砥石で仕上げて完成です、
今回の砂岩は、さらに細かな800番の砥石も当てました。
それでも石の表面を撫でると、ざらつきます。
玖老勢石餅臼の磨き直し
んー、このままお渡しできない。
もっと細かな仕上げにもできるけど、
これ以上磨くと、お餅が滑って餅つきできない。

柔らかいスポンジで洗って、水で流して、
水分を布で拭きとって、エアーを吹きかけ細かな石の粒も飛ばします。
入念にしてみても、指で撫でるとザラつきます。
繰り返し撫でていくと、スルスルしてくる。
けれども、やっぱりザラついている。
玖老勢石餅臼の磨き直し
はあ困ったな。(N)

つづき↓


~関連記事~

◆側面のサビ落とし↓

◆磨きの詳しい工程↓

◆欠けの補修と内側の磨き直し↓





餅臼のメンテナンス(補修)をしました。
・内側の磨き直し
・欠け補修
・ヒビ補修
側面のサビ汚れ落とし

ご自宅から車で持ち込んでいただきました。
段ボールを敷いた上に、厚手のシーツにくるまれた石臼は、
布を持ち手にすることで、持ちやすくなります。
餅臼 (1)運搬荷姿
直径47㎝ 高さ28㎝ 小ぶりの臼だったので、
石屋の職人だと直接石臼を持っても、一人で荷降ろしできました。
餅臼 (3)荷降ろし一輪車
石の状態を確認していきます。
白い雲母が、キラキラとした岡崎産のみかげ石でした。
内側の磨き直しも、問題なくできそうです。
内側にある錆は、深さによりますが、
磨き直せば、落ちるか、落ちなくても薄くなります。餅臼 補修|加工前錆汚れ
石の欠けは、縁を丸めれば、目立たなくなります。
ただし丸くする分、縁の厚みは薄くなります。
餅臼 (7)加工前欠け
臼を見ていると、縁にヒビがありました。
このヒビをどう補修しようか。
餅臼 補修|加工前錆汚れ
ヒビの範囲が広く、外側の側面からもヒビの跡が見えました。
餅臼 補修|加工前錆汚れ
石を上から2㎝カットしてみることにします。
断面をみてヒビの深さを確認できますし、
欠け部分もなくなります。
この方法なら、縁が薄くならなくてすみます。

深さ2㎝の位置に印を付けます。
指金に赤鉛筆を括り付けて、指金を縁に沿わせて一周します。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
線に沿って、石材用のカッターで石を切ります。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
こんな感じで切れていきます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
今日の一番の見所
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
綺麗に輪っかに切れました。
軽量化も期待してましたが、1-2キロかな。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
カットしたら、欠け部分もなくなりました。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
カットした断面は、大きくヒビが入っていました。
カット前は、そこまで目立たなかったので
切ってみてよかったです。知らずに使っていたら、
何かの衝撃で落ちてしまう日が来ていたかもしれません。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
ヒビにボンドを差して補強します。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
ヒビの内部までボンドが入り込んでいくと、
側面側からボンドが染み出てきます。
ボンドが、これ以上入らなくなるまで入れます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
側面から染み出てきたボンドに、
カットした時の石の粉をつけます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
カットした面と、縁を加工していきます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
縁はビシャンをあてて、丸くしていきます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
左側がビシャンを当てたところ、右側はカットしたまま
角がつぶれた感じになっているのが分かりますか?
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
角に砥石を当てます。
(手の中に砥石を持っています)
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
角が丸みを帯びました。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
縁の上面に砥石を当てます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
触ると、さらさらした感じになります。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
こんな道具も使います。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
内側の石を削って、形を仕上げます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
さて、いよいよ磨いていきます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
こんな感じで。
石に体重を乗せながら磨いていきます。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
◆磨きの詳しい工程 過去の記事を↓


【加工前】
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
【加工後】磨き直し完了
内側のサビも落ちました。
石臼(もち臼)の補修メンテンナンス|欠けとヒビ修理
◆作業の日数
概ね一日で作業しています。
他の仕事の兼ね合いもあるので、
通常、1週間から10日のお預かりをお願いしています。

◆費用について
石臼内側の磨き直しのみ
店頭へお持ち込みいただき、引取にご来店の場合
目安:2~3万円程度(税別)2025.12現在
石の状態、表面の凹凸具合によっても費用が変わります。

◆補修について
完全に割れてしまった(二つに)石臼の接着はできますが、
餅つき用の臼としてのご利用はできません。
(水鉢としてのご利用はできます。)

ヒビの状態によっては、
補修しても、餅つき用には使えない場合があります。
石自体がホロホロの状態ですと、補修をお断りすることがあります。

詳しくは、お問い合わせください。
石のお写真をお送りいただけると、ある程度判断ができます。
補修可能かは、石を直接見てみないと判断ができません。(N)

~関連記事~
◆側面のサビ落とし↓


◆欠けの補修と内側の磨き直し↓
















内側の磨き直しに、持ち込まれた石臼(餅臼)です。
側面に付着した茶色のサビを落とします。

かまどのような枠に、はめて使用されていたのか、
外周に同じ高さで8か所くらい、茶色の跡がありました。
水平方向のサビが垂れて、縦方向に帯状に茶色くなっています。
餅臼のサビ落とし|加工前側面のサビ
お餅をつくには、影響はありませんが、
食べものを作るので、できれば見た目をきれいにしたい。

こちらは薬品を使って落とします。
漂白剤のような役割の薬品を塗って、水洗いします。
ゴム手袋をして作業を繰り返します。
餅臼のサビ落とし|作業中
冬場だと気温が低く、薬品の反応に時間を要します。
当日中の引き渡しのご希望だったため、
少しサビが残っていました。
時間を掛ければ冬場でも、もう少し落とせたかも。
餅臼のサビ落とし|加工後
作業の続きは、温かくなってからお客様に
やってもらうようにお願いしました。すみません。
茶色の面積は、かなり減りました。
餅臼のサビ落とし|加工後
目立たなくなったヒビの補修箇所の目印として、
あえて1か所だけは、茶色のサビを残しました。
餅臼の補修メンテンナン|ヒビの補修
ここにお餅を反す人がいれば、
ヒビのある縁を叩いてしまうことを避けられます。
餅臼のサビ落とし|加工後
お客様と餅つき談義
「餅つき機のお餅とは違うんですよね。」
「よもぎ餅ってやったことあります?」
「うまく出来なくて、、、」「こうこうこうするといいですよ」
「お湯ってどれくらい張ります?」「布巾をかけて置いておきます」
「ついたお餅どこに出します?」「入れる用の木枠があって」「うちはのし袋に」
と、家庭ごとに違う餅つき事情も面白いです。

餅つきは前日の準備から、当日の餅つきで疲れたところに、片付けと
結構大変な行事でもあります。

でも、なぜやるのかと聞いてみると、
『みんなが喜んでくれるから。』という声が多いです。
毎年やっていると親戚が待っているし、子どもたちも喜んでくれる。
これなんですよね。おいしいお餅はもちろん
みんなで集まって作るのは、楽しいですよね。

今はまだ遊んでいる子どもが、
だんだんと戦力になっていく、成長も感じられます。

実家でやっていた餅つきを、自分たちでやろうと
世代交代だそうです。
こういう行事を残していきたいと話されていました。

みんなで苦労して味わうお餅つきは、
きっと記憶に残っていきます。

これからも年末にみんなで餅つきができますように
良いお年を!とお見送りをしました。(N)

同じ石臼で、ヒビ補修もしました。
◆ヒビ補修↓


◆縁の欠け直し(石を丸める場合)と磨き直し↓


◆磨き直しの工程↓





↑このページのトップヘ