根津神社(東京都文京区)の狐たちを16体修復させていただきました。

補修の様子をご紹介していきます。
愛知県岡崎市の工場へ持ち帰り補修加工します。
お預かりした狐14体(写真では1体写っていません)
狐の修復預かった狐|狐駒込稲荷
キツネと書いた石は、補修に使用する江持石の原石です。

江持石(えもちいし):福島県産 安山岩
石目が細かく、均一に詰まっています。
ほどよく柔らかく、粘りもあり彫刻にも向いています。
狐の細かな歯や尖った耳の先端などの彫刻ができます。
狐像の修復|江持石
狐に使用されている石種は、表面の風化などもあり判断がつきませんでした。
見た目は、みかげ石ではなく、砂岩っぽい柔らかい風合いがあります。
狐像の修復|乙女稲荷(根津神社)
引き取り時、台座に残っていたグリーンがかった石色を見ると
伊豆石かもしれません。
狐の引き取り修復|狐01乙女稲荷
風化によって前足、耳、尻尾などが欠損している狐
狐像の補修|駒込稲荷狐
石を付け足して補修します。
狐像の補修|駒込稲荷狐
原石を小さく割るためにドリルで穴をあけます。
石割り|江持石
矢を入れセットウで叩きます
石割り|江持石
石にヒビが入ります。
石割り|江持石
石割り|江持石
小さく割ったら、機械で切ります。
補修用石材の加工(江持石)
狐の欠損している部分を作ります。
狐像の補修方法

【補修用の石粉づくり】
1.狐本体底面の石を削ります。
狐像の補修方法石粉作り
石の欠片を細かく砕き、粉状にします。
本体を削って作った粉は、硬くてなかなか潰せませんでした。
石製の狐像修復|石粉作り
粒の大きさを2種類(細目と中目)作りました。
石製の狐像修復|石粉作り
粒が大きくても細かすぎても使いづらくなります。

石の粉は、ヒビの隙間や石を付け足した接合部に入れます。
狐像の補修|乙女稲荷狐
石の粉を盛って形を作る時にも活躍します。
狐像の補修|乙女稲荷狐

今回の補修には石の粉がたくさん必要なので
原石をビシャンで叩いて石の粉を作りました。
補修用石粉製作(江持石)
白色マットの上に体積しているのが石の粉
補修用石粉製作(江持石)
石の粉を集めます
補修用石粉製作(江持石)
石が削れる時に周りに飛び散る石の粉や、
加工中に粉状になった石の粉も集めておきます。

本体から削った石粉に接着剤が染み込むと、
濡れ色になり、狐表面の石色と比べ色が濃くなりました。
江持石の石粉は少し白っぽくなりました。
石製の狐像修復|石粉作り
両方の粉を混ぜ合わせて補修に使用します。
江持石2に対し、既存の石1の割合

今回の補修は、補修後に着色やコーティングをするため、
補修に使う石の粉は極論でいえば何色でも構いません。

しかし、長い年月の中で着色やコーティングが薄くなった時にも
狐本体の色にできるだけ近付けようとしました。

何より、狐に使われていた石は、少ない石の粉でも狐に戻してあげたい。
そんな気持ちで石の粉を再利用しています。(N)


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