根津神社(東京都文京区)の狐たちを16体修復させていただきました。

お預かりした狐たちは原型の分かる資料がありませんでした。
では、どのように復元する形を決めていくのか?

この狐を玉を抱えたポーズにした理由をご紹介します。
駒込稲荷08
石製狐の修理|復元方法
補修前は腕がなく、原型のポーズは簡単には判断できません。
石製狐の修理|復元方法
神社の狐には向きがあります。
【正面】体は横向きですが、顔が向いている方が正面
石製狐の修理|復元方法
【後ろ面】体は横向きですが、顔が見えません。
石製狐の修理|復元方法
顔がこちらを向いているので、こちらが正面です。
狐の像修復補修|根津神社|狐08駒込稲荷
腕の付け根のラインに注目します。
【右腕】地面にまっすぐに伸びていそうです。
腿と腕との距離が遠い
神社狐の修理|復元方法(駒込稲荷08) (4)
胸と腕との境のラインがまっすぐ
神社狐の修理|復元方法(駒込稲荷08) (3)
残っている水板(狐と一体の台座)の厚みが分かるので、腕の長さが分かります。
神社狐の修理|復元方法(駒込稲荷08)
右腕の着地点が決まると、水板の長さも決まります。
水板が広すぎると、間延びして見えてしまいます。
神社狐の修理|復元方法(駒込稲荷08)
【左腕】残っている石から後方に肘を引いていることが分かります。
また、右側と比べ、腕と腿の距離が狭くなっています。
神社狐の修理|復元方法(駒込稲荷08) (1)
右腕の各位置までの長さを計測します。
神社狐の修理|復元方法(駒込稲荷08) (2)
同様の長さで左腕を作ります。
神社狐の修理|復元方法(駒込稲荷08)
肘を引いている腕を作りました。

神社の狐が抱えているものとして、一般的に宝珠・子ども・鍵のいずれかが考えられます。
神社狐の修理|復元方法(駒込稲荷08)
狐と水板のバランスはある程度決まっています。
例えば、正面から見て水板より顔の方が飛び出しています。
石製狐の修理|復元方法
狐本体がわかると自然と水板サイズも決まってきます。
神社狐の修理|復元方法(駒込稲荷08) (4)
この限られた空間にあるものとして、鍵はスペース的に除外されます。
足元にあったのは、子狐だった可能性もあります。

設置場所は稲荷神社なので、今回は商売繁盛の縁起の良い宝珠としました。(N)
神社狐の修理|復元方法(駒込稲荷08)


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