岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

カテゴリ:〇〇ができるまで > 灯篭ができるまで

石燈籠をどのようにデザインするのか、ご紹介します。

今回は、新製品の置き燈籠をデザインしながら製作しております。
こちらの燈籠の笠に載せる宝珠(玉)のデザインを決める過程をご紹介します。
石灯籠の製作過程
【今回目指している燈籠】
◎お庭で主張しすぎず、自然と馴染むもの
◎派手な灯籠にはしない
◎オリジナルのデザインにする

さて、宝珠はどうしようか
展示場から燈籠の宝珠を集めて、デザインの方向性を検討します。

・下部に丸い装飾がある宝珠
石灯籠の宝珠|六角朝鮮
宝珠の違い|石灯籠の製作 (1)
装飾のない笠だけ浮いてしまったような

・シンプルな宝珠
石灯籠の宝珠|四角活込
宝珠の違い|石灯籠の製作 (2)
火袋から上がシンプル過ぎて
笠と宝珠だけ別の燈籠のように感じました。

・下部に連弁(花びら)のある宝珠
石灯籠の宝珠|舟付
宝珠の違い|石灯籠の製作 (3)
急に燈籠らしくなってしまいました。
今回は一般的な置き燈籠にしたくありません。

・奇をてらって、岬燈籠の宝珠
石灯籠の宝珠|岬
宝珠の違い|石灯籠の製作 (6)
んーん、いろいろ試しても、しっくりくるものがありません。
宝珠は、燈籠に合わせて考え抜かれた形で、代用できないのかもしれません。
こんなに悩むとは思いませんでした。

もしかして、方向性を間違えているのかも、
宝珠ではないものが似合うのかも、と
工場にあったフクロウでも載せてみるか~と息抜きがてら載せてみました。
宝珠の違い|石灯籠の製作 (5)
この姿をみて、もしかしたら
「縦長のものが似合うかもしれない」とひらめきました。

・烏丸の塔の相輪(宝珠)
石灯籠の宝珠|烏丸の塔
宝珠の違い|石灯籠の製作 (7)
想定外の形でしたが、これがしっくりきます。
この方向で進めていくことに決めました。

しかし、せっかくの新しい燈籠を作っているので、
既存のものをマネはしたくはありません。
相輪(九輪)

九輪玉にしたらシャープでかっこいい塔になる。
けれど、お墓っぽくなってしまう。

庭用には、もっとやぼったく玉石を重ねたような、串団子みたいなものが似合いそう。
横のラインは浅く彫って、区切りをはっきりとさせない
その方が、庭で眺めるには息が抜けるのでは
相輪
宝珠の選定
できたものを載せてみるも、思っていたものと違いました。
目が慣れるまで眺めようと、しばらく眺めても、合わないものは合わない。
なぜか、笠のラインが美しく見えません。

溝を増やして、九輪にしてしまおうかと、簡単な修正方法の誘惑にかられます。

下のパーツに対して、とにかくボリュームがあり過ぎて
宝珠の存在感がありすぎる(背が高い?太い?)ということで、

全体の高さを1寸くらい低くし、厚みを均等割りから微妙に変えて、
太さは、上にいくほど、すぼまる形に修正。
宝珠の選定
上に伸びていくようなイメージです
宝珠の選定
宝珠の下部に模様を作り、全体の統一感を持たせました。
宝珠から笠へのラインが繋がって、笠の曲線が美しく見えます。
山橘の塔
笠のカーブや、球体の彫刻などからイメージを膨らませ
藪柑子(ヤブコウジ)の古名である「山橘の塔」と名付けました。(N)


 

灯篭の火袋(明かりを灯す場所)に窓を追加して開けてほしいというご依頼がありました。
BlogPaint
三月堂灯篭は火口という窓が2面、残りの4面は壁面になっています。あかりを通路側にも出したいというご希望で丸窓を二ヵ所に追加しました。
加工方法をご紹介します。燭台(火を置く場所)の高さと、火袋の強度を考慮して穴の位置とサイズを決めました。
火袋に穴をあける方法
一段下げた面を作ります。
火袋に穴をあける方法
一段下げた面にコンパスで正円(穴をあける部分)を描きます。
火袋に穴をあける方法
正円に沿って一段下げた面の形を整えます。
火袋に穴をあける方法
穴をあけて完成です。
火袋に穴をあける方法
【穴あけ前】
火袋に穴をあける方法
【穴あけ後】窓が増え明かりが広がるようになりました。
火袋に穴をあける方法
このように展示している製品に追加で加工することも可能ですのでご相談ください。(N)
火袋に穴をあける方法









草屋灯篭を作りました。
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 置灯篭
これも灯篭と呼びます。背の高い灯篭が置けない空間に、背の低い灯篭を置きます。桂離宮の三光という置き灯篭も家のような形をしています。
こちらは草屋といって、元々はもっと素朴な作りをした灯篭ですが今回はミニチュア版「茅葺屋根の水車小屋」のように細かな彫刻をしました。
まずサイズに合わせてカットした石材に絵を描いて製作していきます。
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 置灯篭製作過程
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 置灯篭
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 置灯篭製作過程
底面は計量化の為に屋根の内側をくり抜きました。本体が合わさる箇所は浅く段差をつけることで設置しやすくズレ防止になります。
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 置灯篭製作過程
本体は水輪から作りました。
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 水輪製作過程
側面にそれぞれ彫刻をしていきます。
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 置灯篭製作過程
底面は軽量化の為、中央部分の石を削りました。縁や石厚が薄い箇所は破損の心配があるので削りません。
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 置灯篭製作過程
本体完成
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 置灯篭
水輪の下は水の流れを表現しました。
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 置灯篭
柱をはめ込みます。海外のお客様が方向が分かるようにしました。
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 置灯篭
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 置灯篭
格子窓から向こう側の明かりが差します。
草屋型(茅葺屋根水車小屋) 置灯篭
段ボールに入れて、破損しないように梱包します。
梱包して計量すると29.5㎏。海外へEMS(国際郵便)で30㎏までなら送れます。
海外発送梱包(石製品)








小さな製品の海外発送は、
国際郵便(EMS)にてお送りしています。
ただし、重量が30㎏を超えてしまうと送れません。

30㎏を超えるものは、EMS以外の方法で送ります。


30kg以内に石を削って減量させることがあります。
例えばこちら↓
かぐや姫の石像彫刻
『kaguya』高さ45㎝ 重量35㎏

【海外発送】石像オブジェ
軽くする為に、底面の石をくり抜きます。
30㎏未満にして、ハワイへ発送しました。
※デザインによっては、くり抜けない場合もあります。
海外発送 穴あけ重量を減らす
↓こちらの製品
『荷車の2人』
幅30㎝ 高さ34㎝ 奥行16㎝ 重量50㎏
庭に置く石造物『荷車のふたり』
厚みをカットすると、雰囲気が損なわれてしまいます。
石を割り落とすことも困難なため、
同一デザインにて、新たに製作しました。
【海外発送】石の彫刻品道祖神
30㎏未満になるような石にて製作しました。
【海外発送】重量を減らした軽量タイプ
重量を軽くしたいご希望がありましたら、ご相談ください。
ただし、製品の用途や形・大きさや設置方法により
加工が難しい場合もございます。(N)

石灯篭を船便で送った時の記事はこちらからどうぞ ↓


中東の国へ道祖神を送った記事はこちらからどうぞ↓。


輸送方法と梱包について




灯篭など石製品を作るにあたって、様々な情報を集めます。
どんな風に製品に取り入れていくのかをご紹介します。

現在製作している八角朝鮮塔は、一点一点、バランスを変えて作っています。

笠の幅と厚み、宝珠から軒に向かって下る曲線の具合、
軒の反りと厚みによって印象が変わります。

次に作る笠はどんな風にしようか。。。
今までに製作したものも参考にしながら考えます。
石灯篭の作り方|八角朝鮮塔の製作過程 
先日、樂美術館にて朝鮮の石塔に偶然出会いました。
笠の底面に段差があり、同じように作ってみたらいいかも。

韓国では、宗教や国の入れ替わりに伴って、象徴的な部分が
欠損しているものがほとんどで、樂美術館の塔も笠の先端がなくなっています。

温故知新。それぞれ形には意味がありますので、
韓国美術全集という古書をめくりながら情報を集めます。
どんなデザインだったのか想像して、全体の雰囲気に合うかたちを考えます。
楽美術館庭の石塔(朝鮮塔)
韓国美術全集 石造
樂美術館のものを参考に、笠の底面に段差を作ってみました。
八角朝鮮塔 笠の底面(段あり)
八角朝鮮塔 笠の底面(段あり)
いつも作っている朝鮮塔の笠の底面は、平らです。
八角朝鮮塔 笠の底面(平ら)
上からの視線だと、見た目に影響しない部分で
目線を低くしないと分からないですが、取り入れてみました。

新しいことを取り入れて作っていくのはワクワクします。
完成はまだですが、良いものが出来るのではないかと思っています。(N)





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