今回は、新製品の置き燈籠をデザインしながら製作しております。
こちらの燈籠の笠に載せる宝珠(玉)のデザインを決める過程をご紹介します。

【今回目指している燈籠】
◎お庭で主張しすぎず、自然と馴染むもの
◎派手な灯籠にはしない
◎オリジナルのデザインにする
さて、宝珠はどうしようか
展示場から燈籠の宝珠を集めて、デザインの方向性を検討します。
・下部に丸い装飾がある宝珠


装飾のない笠だけ浮いてしまったような
・シンプルな宝珠


火袋から上がシンプル過ぎて
笠と宝珠だけ別の燈籠のように感じました。
・下部に連弁(花びら)のある宝珠


急に燈籠らしくなってしまいました。
今回は一般的な置き燈籠にしたくありません。
・奇をてらって、岬燈籠の宝珠


んーん、いろいろ試しても、しっくりくるものがありません。
宝珠は、燈籠に合わせて考え抜かれた形で、代用できないのかもしれません。
こんなに悩むとは思いませんでした。
もしかして、方向性を間違えているのかも、
宝珠ではないものが似合うのかも、と
工場にあったフクロウでも載せてみるか~と息抜きがてら載せてみました。

この姿をみて、もしかしたら
「縦長のものが似合うかもしれない」とひらめきました。
・烏丸の塔の相輪(宝珠)


想定外の形でしたが、これがしっくりきます。
この方向で進めていくことに決めました。
しかし、せっかくの新しい燈籠を作っているので、
既存のものをマネはしたくはありません。

九輪玉にしたらシャープでかっこいい塔になる。
けれど、お墓っぽくなってしまう。
庭用には、もっとやぼったく玉石を重ねたような、串団子みたいなものが似合いそう。
横のラインは浅く彫って、区切りをはっきりとさせない
その方が、庭で眺めるには息が抜けるのでは


できたものを載せてみるも、思っていたものと違いました。
目が慣れるまで眺めようと、しばらく眺めても、合わないものは合わない。
なぜか、笠のラインが美しく見えません。
溝を増やして、九輪にしてしまおうかと、簡単な修正方法の誘惑にかられます。
下のパーツに対して、とにかくボリュームがあり過ぎて
宝珠の存在感がありすぎる(背が高い?太い?)ということで、
全体の高さを1寸くらい低くし、厚みを均等割りから微妙に変えて、
太さは、上にいくほど、すぼまる形に修正。

上に伸びていくようなイメージです

宝珠の下部に模様を作り、全体の統一感を持たせました。
宝珠から笠へのラインが繋がって、笠の曲線が美しく見えます。

笠のカーブや、球体の彫刻などからイメージを膨らませ
藪柑子(ヤブコウジ)の古名である「山橘の塔」と名付けました。(N)

































