岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

カテゴリ: 庭づくりお役立ち情報

京都 龍安寺の知足鉢は、有名なつくばいのひとつです。
吾唯足知の文字が彫刻されています。
龍安寺知足鉢
本歌(ほんか)と呼ばれる原型は、大きな鉢です。
直径1.9尺 約57㎝ 高さ9寸 約27㎝
龍安寺知足鉢 (2)
有名な石庭とは、反対の北側にあります。
つくばいの前では多くの人が集まっていました。
龍安寺
案内看板に「模型です」とあるように、
一般に公開されている鉢は、レプリカです。
本歌は、茶席蔵六庵の庭にあり通常非公開です。
龍安寺つくばい説明書き (2)
水戸光圀公が龍安寺所蔵の『西源院本太平記』を
借りたお礼として、寄進したと伝えられています。
龍安寺つくばい説明書き (1)
知足鉢の本歌は、
方丈の東側、龍安寺垣の向こう側にあります。
すぐそこにあるけれど、見えませんでした。

『龍安寺垣』
お寺の名前が付いた龍安寺垣は、
割り竹をひし形に編んで、表からも裏からも同じに見えます。
方丈側からも茶室側からも見える位置にあります。
龍安寺知足鉢|龍安寺垣
『吾唯足知』禅の精神といえる
この言葉を図案化した人は誰だったのでしょう。
はじめから鉢に取り入れようとしたのか、
マネできる言葉が見つかりません。

この知足鉢を模したお土産もいろいろありました。
龍安寺クリアファイル
クリアファイルの写真が、本歌なのか
売店の方に聞いたら「確認します」と言って
お庭の現物を確かめてくれていました。

受付にあった英文での「吾唯足知」の説明がよかったです。
ご興味あれば、翻訳で読んでみてください。
銭鉢(知足鉢)龍安寺英語の案内文
見所がたくさんある龍安寺で、
石屋の目に留まってしまうのは、石灯篭です。

方丈西側の灯篭は、小さな宝珠、
薄い笠に小さな蕨手、大きな火袋が目を引きます。
製作された時代の特徴的なバランスなのかもしれません。
龍安寺灯篭 (2)
柱の彫刻が何なのか、しっかりと見えませんでした。
龍安寺灯篭 (1)
個性的で石らしい重量感がありました。(N)

水戸光圀公の寄進といわれる
京都 勧修寺の石燈籠の話↓










お庭に何か石を置きたいと、ご夫婦がご来店されました。
石好きの庭師さんに、つくばいを掃除して綺麗な水を入れると
自分の心も綺麗になると教えてもらったそうです。
水鉢(つくばい)の洗い方と水の入れ替え
へえ庭師さん 素敵な話をされるですね
と聞いていました。

洗った時の気持ちを思い浮かべると、確かに!と共感できます。
つくばいを掃除した経験がある人には思い当たるのでは?
水鉢(つくばい)の洗い方
つくばいの洗い方と水の入れ替えをご紹介します。
【準備するもの】
スポンジとバケツ2個 ひしゃく
(1個は汚れた水を入れる・1個はきれいな水を入れる)
①ひしゃくやスポンジで溜まった水を出します。
水鉢(つくばい)の洗い方
②底面に溜まった砂は、スポンジにくっつけるように
水分と一緒に取り除きます。
水鉢(つくばい)の洗い方
③スポンジをバケツで洗います。
きれいな水を水穴に少し入れ、水と一緒に
砂や葉っぱの小さなゴミをスポンジに吸わせて取り出します。

何度か繰り返すと穴の中がきれいになります。
水鉢(つくばい)の洗い方
【水鉢サイズ】33㎝丸 高さ1.0寸
水穴15㎝丸 深さ7.5㎝
小さく見えてもこれで約1.3リットルの水が入ります。
水鉢(つくばい)の洗い方瑞夫の入れ替え
穴の中がキレイになったら、いよいよお楽しみ
水を入れます。
水鉢(つくばい)の洗い方|水の入れ替え
水鉢(つくばい)の洗い方|水の入れ替え
つくばいを掃除して水を注ぎ、透き通った水を見ると、
気持ちや空間が、新しくリセットされるような気持ちよさがあります。
水鉢(つくばい)の洗い方と水の入れ替え
大げさに言えば、新年を迎えたような、お清めみたいな、邪鬼払いみたいに似た感覚があります。
水鉢(つくばい)の洗い方|水の入れ替え
【水を入れる前】
水鉢(つくばい)の洗い方
【水を入れた後】
水も石もそれぞれの役目を果たして、水を張る前よりも堂々と見えます。
水鉢(つくばい)の洗い方
水の交換と掃除を考えると、個人的には水が溜まる量が少ない方が
水の入れ替え作業のハードルが下がります。(N)
水鉢(つくばい)の洗い方と水の入れ替え
※メダカを飼いたい方はたっぷり水が溜まるものがよいです。
※水量の多い鉢には、静かな落ち着きを感じます。水面が広いものは、優雅に見えます。

人力では動かせない石灯籠の設置方法
【フォークリフトを使った草屋の設置方法】
草屋(くさや)
2パーツに分かれた置灯篭です。
草屋灯篭|フォークリフトでの設置方法
草屋1.6尺(笠幅48㎝ 総高さ53㎝)
屋根80-110kg 部屋20kg

まず、窓のある部屋の部材を設置した状態から、屋根を乗せる手順です。

リフトのツメにあてものをして、石が傷つかないようにします。
灯篭の正面がリフトの運転席に向くようにすくいます。

リフトで設置する方法1
部屋の部材にバンギ置いておきます。
バンギがない場合は、ベニヤ板を重ねてもよいです。
バンギの上に屋根を降ろします。



リフトで設置する方法2


片側ずつバンギを抜きます。
屋根を手で持ち上げて、バンギを抜きます。

リフトで設置する方法3
反対側も同様にバンギを抜きます。
リフトで設置する方法4
設置完了

リフトで設置する方法5
※この方法は、石同士がはめ込みになっている場合にはできません。



人力では、持ち上げられない沓脱石
サイズ1500×660×150mm みがげ石 400kg
重たい石の設置(沓脱石)|テコの原理
重機が使えない室内で石を設置する場面で、
重たい石を持ち上げる方法を、ご紹介します。

室内へは、ハンドリフトを使って石を運びます。
リフトのツメを抜くために、床と石の間に
バンキ(10㎝角の木材)を入れる必要があります。
重たい石の設置(沓脱石)|テコの原理
この10㎝のバンキを抜くために石を持ち上げます。

使用するのは こちらのテコ(バール)全長25㎝ 2個
※持ち手がもっと長いと、より小さな力で持ち上げることができます。
重たい石を持ち上げる方法|テコの原理
通常のバールですと、石が欠けてしまう恐れがあります。
重たい石おもち上げる方法
先端が幅広(10㎝)のものを使用します。
重たい石を持ち上げる方法|テコの原理
①と③・・・同じ高さのバンキ 
②・・・①よりも10-15mm細い(背の低い)バンキ

※バンキの代わりに、短冊状にカットしたベニヤ板を重ねて
一枚ずつ減らしていくと高さの調整がしやすいです。
①②・・・6㎝幅 長さ70㎝(石の奥行より長め) 12mm厚16枚 6mm厚4枚
③・・・6㎝幅 長さ40㎝ 12mm厚8枚 6mm厚2枚
重たい石を持ち上げる方法|テコの原理
③の上にバールを置いて、石の下に先端を10-15mm差し込みます。
重たい石を持ち上げる方法|テコの原理
バールの持ち手を下げると石が持ち上がります。
(二人で作業します)
石を持ち上げている間に、
①のバンキを抜く
②を①の場所へ移動する

作業の様子は動画でご覧ください。

※注意※
動画では短いバンキを使っていますが、
石の奥行よりも長いものを使用して、
石の下に、手を入れない

①③バンキの高さを揃えることがポイントです。
力を加えやすく、作業後バールが抜きやすくなります。

左右とも行うと1.5㎝石が下がります。
この作業繰り返し、段々と石を下げていきます。

1から1.5㎝くらいずつ下げるのが、お勧めです。
(試しに2㎝下げてみると、バールの角度が付き過ぎて、バールを抜く時に
石がドスンと落ちる様になってしまいました)
この作業を8回位繰り返すと、石が10㎝程度下がります。

最後の1回は、高さ15mmのバンキを6mmに下げて終了です。
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石の下に、110×60×6mm厚のベニヤ板を、差し込んだ状態で作業は完了です。

6mmの隙間がないと、バールが抜けなくなります。
また、広い面積のベニヤ板を差し込むことで、重量を分散させます。

隙間にはコーキングを入れてもいいですし、
そのままでもよいかもしれません。(N)


















私たちは、道祖神を製造販売しています。
「自宅に置いてもいいですか?」と、
お問合せを受けることもある「道祖神」についてお話します。
道祖神|製作販売
道祖神といえば、安曇野をはじめ、信州のイメージが強いですが
調べてみると、神奈川、群馬、山梨 静岡にも多く分布しています。

長野県に接している愛知県の北部では、一部見られますが、
石の産地である岡崎をはじめ、県内では古い道祖神を目にすることはありません。

道祖神の文化は、愛知県全域に広がらなかったようです。
各地域を治めていた藩の影響なのか、
高遠の石仏も、愛知県には北部にしか見られず、県内全域には広がっていません。
石工の集団も藩お抱えの存在だったのか、文化的な交流が少なかったのでしょうか。

各地に存在する道祖神は、
意味合いを一つに絞ることが難しいようです。
例えば、

◎飢餓に苦しむ村では、
豊作を祈願して、祈りをささげるために作られた
作神(さくがみ)
※地域によっては、蚕の神様などもあったようです。

◎疫病が広まることは、
科学や医療が発展していない時代には、恐れられていたことでしょう。
村の存続にも関わる危機意識が、強かったと想像できます。
村の入口に疫病や悪霊が入ってこないよう
「塞ぐ」という意味合いの『塞の神』が作られたことは自然なことでしょう。
岐の神(ふなどのかみ) 


◎性神
子孫繁栄への祈りから、夫婦和合など
盃と徳利の祝言を表す姿や、男女が握手をしているもの、
肩を抱いたものも多くあります。
道祖神|祝言道祖神製作販売

私たちが作っている道祖神は「双体道祖神」といって
男女が並んでいる姿を彫刻することが多いです。
二人が寄り添っている姿はほほえましく、周りの空気をあたたかくさせます。
道祖神|双体道祖神製作販売
「道祖神」と文字を彫刻することもあります。
道祖神|文字道祖神製作販売

江戸時代には、一部の地域で
村が繁栄すると、その村の道祖神が盗まれる
「道祖神の嫁入り」という行為があったそうです。
盗むことを、嫁入りと言い換えているのも、身勝手な言い訳のような。

盗むことが公然と行われていた。ただし、勝手に盗むのではなく、
人間の嫁入り同様に、結納金を納めて、道祖神を連れてきて
嫁入りと同様にもてなされ、歓迎されたそうです。

立場が変われば、村にとっては、大切な道祖神は手放したくない。
そこで盗難防止のために、
石に「帯代5拾両」など、大袈裟に刻み、嫁入りを抑止していた話も残っているそうです。
(信州朝日村の道祖神)

多くの道祖神は、無病息災、五穀豊穣、夫婦和合、子孫繁栄、縁結び
村や旅人の安全祈願まで、さまざまな願いで置かれてきたようです。

これらは、自分たちをはじめ、祖先が生き残っていくために、
『祈り』があったからではないでしょうか。
病気や食料危機などの不安を回避し、
子孫を残していくことは、本能的な心理かもしれません。

道祖神は、身近な神様として地域の人々に大切に受け継がれてきました。
先人の心を癒し、現代を生きる私たちの心も、変わらず癒してくれています。

『祈る』ことで、不安が解消され安心する。
これは前向きに生きる知恵とも言えそうです。

ご自宅に道祖神を置くことは、意味合いとしても
無病息災 夫婦和合などに当てはまります。
お家に悪いものが入らないように、守り神としても良さそうです。

ほほえましい姿を毎日眺めているだけで、
やさしい気持ちになれそうです(N)

参考文献 道祖神のふるさと 伊藤堅吉 遠藤秀男 著書

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