岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

カテゴリ:〇〇ができるまで > 道祖神

猫と童の道祖神ができました。
猫と童の道祖神|石造彫刻
「今まで飼ってきた猫たちの鎮魂の願いと、
それ以上に感謝を込めたい。」とのご依頼。
旅立った複数の猫は、どの子も等しく愛おしいと伺いました。

数匹の飼い猫たちの鎮魂碑なら想像ができますが、
数十匹の愛猫たちと伺い、これは簡単に作れないぞと思いました。
お客様と実際にお会いし、お話をしながら石を選んでいただきました。

選んでいただいた石がこちらです。
お二人で設置ができるサイズ
幅40㎝ 高さ37㎝ 重量35kg
猫と童の道祖神|石造彫刻
お客様がAIで生成された図案を石に描きます。
猫と童の道祖神|石造彫刻
絵を見ながら彫っていきます。
猫と童の道祖神|石造彫刻
大まかなシルエットができました。
猫と童の道祖神|石造彫刻
横から見ると
凹凸具合が分かり易くなります。
猫の鼻が高くて、目が低くて、おでこが出て、猫と童の道祖神|石造彫刻
顔を彫ります。
(写真の上部に写っているのが、お客様がAIで生成された図案)
猫と童の道祖神|石造彫刻
猫と童の道祖神|石造彫刻
女の子の手や着物を彫って仕上げます。
猫と童の道祖神|石造彫刻
猫のひげは、掘り下げました。
猫と童の道祖神|石造彫刻
猫のもふもふした毛が伝わるように、手を少し沈めています。
猫と童の道祖神|石造彫刻
お庭の椿で華やかに飾ってもらい、
歓迎されている道祖神
猫と童の道祖神|石造彫刻
猫型の飛び石を歩いていくと、道祖神に到着。
2人とも、にこにこ
展示場にいる時より幸せそうにしています。

椿がお好きとのことで、製作前には、石に椿を彫ろうかと頭によぎるも
本物があるなら必要ないと、思い留まりました。
思い留まってよかったです。

お庭が優しく特別な場所になったと聞いて、安堵しました。
椿で歓迎猫と童の道祖神|石造彫刻
お客様の手元に届くと、本当に表情が豊かになります。
絶対に形は変わっていないはずなのに、
石にも感情があるとしか考えられません。
歓迎の気持ちが伝わるのでしょうか。

灯籠に灯りをともした夜の景色
夜も温かい雰囲気を放っているのは、この場所だからです。
良い場所で可愛がってもらえるほどの喜びはありません。
猫と童(夜)
10年以上前からの夢が叶ったと喜んでいただきました。

今回のご依頼を受けて、
私たちは思いを形にするだけで、思いがないことには
作ることはできないと感じました。

直接お会いして、お話をして、ご依頼に直接関係があるような、
ないような、妖怪図鑑の話をしたり、あれこれとお話ししたことで
猫の頭をなでてもらえるような道祖神が出来上がりました。

きっと猫たちも喜んでくれているはず。

一家に一冊?
我が家の妖怪大百科を載せておきます。(N)
妖怪大百科









私たちは、道祖神を製造販売しています。
「自宅に置いてもいいですか?」と、
お問合せを受けることもある「道祖神」についてお話します。
道祖神|製作販売
道祖神といえば、安曇野をはじめ、信州のイメージが強いですが
調べてみると、神奈川、群馬、山梨 静岡にも多く分布しています。

長野県に接している愛知県の北部では、一部見られますが、
石の産地である岡崎をはじめ、県内では古い道祖神を目にすることはありません。

道祖神の文化は、愛知県全域に広がらなかったようです。
各地域を治めていた藩の影響なのか、
高遠の石仏も、愛知県には北部にしか見られず、県内全域には広がっていません。
石工の集団も藩お抱えの存在だったのか、文化的な交流が少なかったのでしょうか。

各地に存在する道祖神は、
意味合いを一つに絞ることが難しいようです。
例えば、

◎飢餓に苦しむ村では、
豊作を祈願して、祈りをささげるために作られた
作神(さくがみ)
※地域によっては、蚕の神様などもあったようです。

◎疫病が広まることは、
科学や医療が発展していない時代には、恐れられていたことでしょう。
村の存続にも関わる危機意識が、強かったと想像できます。
村の入口に疫病や悪霊が入ってこないよう
「塞ぐ」という意味合いの『塞の神』が作られたことは自然なことでしょう。
岐の神(ふなどのかみ) 


◎性神
子孫繁栄への祈りから、夫婦和合など
盃と徳利の祝言を表す姿や、男女が握手をしているもの、
肩を抱いたものも多くあります。
道祖神|祝言道祖神製作販売

私たちが作っている道祖神は「双体道祖神」といって
男女が並んでいる姿を彫刻することが多いです。
二人が寄り添っている姿はほほえましく、周りの空気をあたたかくさせます。
道祖神|双体道祖神製作販売
「道祖神」と文字を彫刻することもあります。
道祖神|文字道祖神製作販売

江戸時代には、一部の地域で
村が繁栄すると、その村の道祖神が盗まれる
「道祖神の嫁入り」という行為があったそうです。
盗むことを、嫁入りと言い換えているのも、身勝手な言い訳のような。

盗むことが公然と行われていた。ただし、勝手に盗むのではなく、
人間の嫁入り同様に、結納金を納めて、道祖神を連れてきて
嫁入りと同様にもてなされ、歓迎されたそうです。

立場が変われば、村にとっては、大切な道祖神は手放したくない。
そこで盗難防止のために、
石に「帯代5拾両」など、大袈裟に刻み、嫁入りを抑止していた話も残っているそうです。
(信州朝日村の道祖神)

多くの道祖神は、無病息災、五穀豊穣、夫婦和合、子孫繁栄、縁結び
村や旅人の安全祈願まで、さまざまな願いで置かれてきたようです。

これらは、自分たちをはじめ、祖先が生き残っていくために、
『祈り』があったからではないでしょうか。
病気や食料危機などの不安を回避し、
子孫を残していくことは、本能的な心理かもしれません。

道祖神は、身近な神様として地域の人々に大切に受け継がれてきました。
先人の心を癒し、現代を生きる私たちの心も、変わらず癒してくれています。

『祈る』ことで、不安が解消され安心する。
これは前向きに生きる知恵とも言えそうです。

ご自宅に道祖神を置くことは、意味合いとしても
無病息災 夫婦和合などに当てはまります。
お家に悪いものが入らないように、守り神としても良さそうです。

ほほえましい姿を毎日眺めているだけで、
やさしい気持ちになれそうです(N)

参考文献 道祖神のふるさと 伊藤堅吉 遠藤秀男 著書

岡崎の味噌蔵に並ぶ木桶には、重石(おもし)が山積みに乗っています。重石は自然の川石が使用され、人の手で積み上げられているそうです。
味噌桶の重石
重石に使われている石を見てみると、丸みのあるもの、平たいものなど形や色、石種、大きさはさまざまです。積みやすさに関係するのか、中でも分厚い部分と薄い部分があるようなイチジクの実のような形をした石が多くありました。
そんな重石に使用されていた石を使った、新しい製品ができました。
この丸みのある石はダルマに
味噌桶の重石|石のだるま
味噌桶の重石|石のだるま
全体の形、彫刻面の広さや凹凸具合、立てた時の形などを考慮して石を選んでいます。
こちらの道祖神も味噌桶の重石で作りました。
味噌桶の重石|道祖神
表も裏も平らな面のある石です
味噌桶の重石|道祖神
自然石を使って作る時には、彫るものに合わせた石を選んだり、形の面白そうな石を選び、それを眺めながら考えることもあります。何がよいかと石を見ながら思案するのも楽しいです。
味噌桶の重石
河原にある石は、流れてくる間に自然に丸みのある形になっていきます。その石が味噌を仕込む度に、人の手で積み上げられ、降ろされてを繰り返えされたことにより、更に柔らかさと温かみを帯びているように感じます。(N)





今回はペットの供養としてご依頼をいただきました道祖神の製作をご紹介します。
道祖神|万成石製作販売
使用する石は岡山県産の桜みかげ石 万成石(まんなりいし)です。少しでも心が穏やかになるよう明るい色合いの石にしました。使用原石(万成石) (1)
まず像の縁取り部分にノミを当てます。
道祖神の石像彫刻|ミンサー模様
機械で切った平らな面に手を加えると石が柔らかく見えます。
道祖神の石像彫刻|ミンサー模様
今回の道祖神は二人の人物をデザイン化し、抱き合った体が合わさりハートの形になります。
道祖神の石像彫刻|ミンサー模様
像の背面を彫ります
道祖神の石像彫刻|ミンサー模様
DSCF9116
完成
道祖神|万成石製作販売
二人ともにこやかな顔
道祖神|万成石製作販売
右が男性の手、左が女性の手。
道祖神|手 万成石製作販売
二人を結ぶように四角の模様を彫ります。これは沖縄八重山に伝わる『ミンサー織』をモチーフにした模様です。
石材彫刻ミンサー柄
五つと四つの四角が配置された語呂は「いつの世までも末永く」という意味があり、女性が自分で織った帯を男性へ贈るものだそうです。また五つと四つの形を重ねると一つの四角にぴったりと合わさることから互いを補い合うという意味もあります。

ペットが安らぎ、またお参りする方の心が少しでも穏やかになることを願っています。(N)
道祖神|万成石製作販売

営業の平岡です。
関東のお客様からの依頼で、本鞍馬石を使った道祖神を製作しました。
HPに掲載の本鞍馬石「おひなさま」のイメージで、台石と組合せて高さ2.5尺(75㎝程度)以上の大きさをご希望とのことでした。
「おひなさま」本鞍馬 おひなさま 彫刻

本体は薄目の玉石、台石は天場が平らでしっかりした石を採用すべく、本鞍馬石置場を探索。本鞍馬石 原石 石材本鞍馬石 原石 石材











































条件に合った本鞍馬石を選別。彫刻デザインはお客様から頂いた写真を参考に、製作イメージデッサンを描きました。本鞍馬 道祖神 デッサン


更に、選別した石とお客様から頂いた写真を組合せ、完成イメージを撮影し、提案。本鞍馬石 童 道祖神 イメージ


簡単に作るなら、本体の下側を切断し台石に接合する方法となりますが、台石に穴をあけて組み合わせる方法を採りました。玉石の形に合わせて台石を彫るため難しい作業が必要となりますが、せっかくの本鞍馬石。本体は特有の玉石形状を維持して製作することを提案しました。本鞍馬 道祖神 製作 案本鞍馬 道祖神 設置 案

お客様に提案内容を了承頂き、本体の彫刻に入ります。縁取りして、錆色の表面を剥がしていきます。本体には、本鞍馬石の中でも高級な「青鞍馬石」を選びました。彫り込んでいくと、紺色と紺鼠色が合わさった様な独特の石肌が出て来ます。本鞍馬 童 道祖神 彫刻本鞍馬石 石肌

















































平らに整え、彫刻の下絵を描きます。本鞍馬 童 道祖神 彫刻





















お客様からの要望で、人物の周辺は深めに彫ります。本鞍馬 童 道祖神 彫刻本鞍馬道祖神 彫刻



中の童子二人を彫っていきます。下の写真の状態で八割程度の仕上り。自分が良い出来だな、と見ていると、職人さんが「童子の表情が10歳位に大人びて見える。5歳位まで幼くしたい。一鑿で変わる。」と工房へ。僅かな彫り込みで表情が幼な優しく見える様に。高い技術と作品への想いに驚かされました。本鞍馬 童 道祖神 彫刻
彫刻の完成後、本体に合わせて台石に穴を彫る準備をします。本鞍馬 道祖神 加工本鞍馬 道祖神 接合


機械を使って大まかに穴を掘り、本体を合わせながら最後は手で彫って仕上げます。現地で調整できる様、少し大きめに穴をあけています。本鞍馬 道祖神 台石本鞍馬 道祖神 台石本鞍馬 道祖神 製作本鞍馬 道祖神 製作


屋外に仮設置。遠目・近接で仕上がりを確認し、完成。本鞍馬 童道祖神
大型で、本鞍馬石ならではの素晴らしい深みや雰囲気がある道祖神になったかと。
現地で多くの方々に愛され、親しんでいただけたらと思います。(H)

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