岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

カテゴリ: 石の知識

山梨県産の甲州鞍馬石は、このように茶色の石色です。
甲州鞍馬石|飛び石
この石で作った灯篭は、茶色ではありません。
甲州鞍馬で作った織部燈籠は、遠目では白みかげ石の色です。
甲州鞍馬の織部燈籠
これが甲州鞍馬の石なの?とお客様に驚かれることがあります。
たしかに、色が違いますよね。
甲州鞍馬石は茶色?白色?どっちが正解なのか。

石を切ってみると分かるかもしれません。
甲州鞍馬石を切る様子をご紹介します。
甲州鞍馬石をカットしている様子
切ってみると、石の内部は何色でしょうか。
甲州鞍馬石をカットしている様子
ご覧の通り錆色(茶色)は表面だけです。
外側は茶色で、内部は白っぽい色をしています。
甲州鞍馬石断面
だからといって、全ての甲州鞍馬石が同じかというと、
そういう訳でもなく。
石によって、色味が異なったりもします。
甲州鞍馬石断面
左)白地に茶色が多め 右)白地に黒の粒が目立つ
甲州鞍馬石断面
表面と中も同じ茶色ということはありません。
おおよそ白っぽい色(グレー)です。
でも、切ってみないと分からない、
一つ一つ個性があるのが石の楽しいところです。

甲州鞍馬で作った織部燈籠をよく見てみると
錆色(茶色)の粒が表面に出てきています。
これは加工後、年数が経過していく中で少しずつ石の内部から出てきた錆色です。
外側から付着したものではありません。
甲州鞍馬の織部燈籠
錆色が出てくるスピードや、色の出方や広がり具合などには差があります。

もし、白っぽい石色なのに
甲州鞍馬だと言われても騙されている訳ではありません。ご安心を(N)



石灯篭に彫刻されている模様をご紹介します。
『宝相華(ほうそうげ)』という花模様
宝相華|朝鮮塔(長明塔)
中央上部の丸い部分は、蕾か花か実?
4枚のギザギザした葉っぱ
四隅に、くるんとした蔦(ツタ)のような植物
宝相華|朝鮮塔(長明塔)
同じモチーフが一つの灯篭に8個あります。
宝相華|朝鮮塔(長明塔)
朝鮮塔(長命塔)
火袋の下に4面、更に下部にも4面
朝鮮塔(長明塔)
宝相華とは、いろいろな植物のよい部分を
組み合わせた架空の花だそうです。

「宝相華」という決まった花はなく、さまざまなデザインがあります。
蓮でもないし、牡丹でもないし、唐草みたいなのがあったり、
なんの花だろうという模様は、宝相華かもしれません。

仏教では、極楽上に咲く花とされていて、
繁栄・長寿・清浄・吉祥など縁起の良い模様です。

よく見ると、四角の枠の両サイドに縦のラインがあり
扉の奥に、宝相華があるようになっています。
扉の向こうが極楽浄土なのか、格式が高い扱いのようです。
宝相華|朝鮮塔(長明塔)
宝相華は、瓦や工芸品、着物や和菓子などにも用いられます。

ただ、同じ模様を一つの灯篭に8か所も彫ることは、
縁起物とはいえ、珍しいように思います。

4方向に彫ることで、魔除けの意味もありそうです。
上下に分けて8個となると、祈りの詰まったデザインと言えそうです。
同じ模様だと知った時、違う模様も彫ったらいいのにと思ったけれど、
今は、より強い願いを表すために、同じ模様をたくさん彫刻したように感じられます。(N)



11/1は「灯台の日」だそうです。
明かりを灯す意味では、石灯篭と同じです。
灯台のレンズが入っている部分は『灯ろう(篭)』と呼ばれます。
灯台の灯ろう
『灯ろう』繋がりで、石造りの灯台を紹介します。

樫野埼灯台(和歌山県東牟婁郡串本町)
日本の灯台の父と呼ばれるイギリスのブラントンによる設計
樫野埼灯台|石造りの灯台
日本最初の石造り灯台です。
明治3年(1870)に初めて点灯され
現在は自動点灯で稼働しています。

昭和29年にかさ上げ工事がされ、
今は外階段も付いていますが、
一階部分と最上部(灯ろう)は竣工当時の形状です。
樫野埼灯台|石造りの灯台
一階部分の白く塗られた外壁は石製です。
建設には、石工が関わったことが分かります。
樫野埼灯台|石造りの灯台
灯台守が居住としていた官舎
樫野埼灯台官舎|宇津木石
こちらも地元の宇津木石(うつぎいし)が使用されています。

【宇津木石】
火砕岩で柔らかく加工がしやすいことから、
石垣や壁など建築用石材として利用されていました。
樫野埼灯台官舎|宇津木石
海に面した外壁は、渡航する船舶から見えやすいよう
白く塗り分けてられているそうです。
樫野埼灯台官舎|宇津木石
宇津木石は、
樫野崎の対岸にある古座川で採石されていました。
石は古座川を下り、古座の海岸までつくと、
海を渡り樫野崎へ運ばれました。
崖の上までは、牛を使って石材を運んだということでしょうか。

宇津木石(古座川の一枚岩)
川辺に小さく見えるのが人の姿です。
古座川の一枚岩|宇津木石
古座川の一枚岩|宇津木石
古座から30km離れた熊野速玉大社
狛犬の石積みは、宇津木石のように見えました。
熊野速玉大社狛犬

この灯台は石造りの点よりも、有名な話があります。
樫野埼灯台|石造りの灯台
明治23年(1890)587人もの犠牲者がでた
トルコの軍艦エルトゥールル号の大規模な海難事故です。

生存者が灯台の明かりを目指し暗闇の中、
断崖を登って救助を求めたと言われています。
遭難慰霊碑
灯台守をはじめ、島民たちは言葉も通じない乗組員の
救助や救護などに献身的にあたったそうです。

この事故と救助活動を教科書で学ぶことから
トルコは親日国になったと言われています。
このことから、1985年イランイラク戦争の際に、
イランにいた日本人を救助してくれたのはトルコの航空機でした。

灯台の近くには、トルコ記念館や遭難慰霊碑があります。
事故から135年経った今もきれいに手入れされています。(N)

海上保安庁
【灯台ONEタップビュー】
樫野埼灯台バーチャルツアー 灯台の内部や解説などが見られます。

https://www.kaiho.mlit.go.jp/soshiki/koutsuu/onetapview/kashinosakilh/tour.html



京都 龍安寺の知足鉢は、有名なつくばいのひとつです。
吾唯足知の文字が彫刻されています。
龍安寺知足鉢
本歌(ほんか)と呼ばれる原型は、大きな鉢です。
直径1.9尺 約57㎝ 高さ9寸 約27㎝
龍安寺知足鉢 (2)
有名な石庭とは、反対の北側にあります。
つくばいの前では多くの人が集まっていました。
龍安寺
案内看板に「模型です」とあるように、
一般に公開されている鉢は、レプリカです。
本歌は、茶席蔵六庵の庭にあり通常非公開です。
龍安寺つくばい説明書き (2)
水戸光圀公が龍安寺所蔵の『西源院本太平記』を
借りたお礼として、寄進したと伝えられています。
龍安寺つくばい説明書き (1)
知足鉢の本歌は、
方丈の東側、龍安寺垣の向こう側にあります。
すぐそこにあるけれど、見えませんでした。

『龍安寺垣』
お寺の名前が付いた龍安寺垣は、
割り竹をひし形に編んで、表からも裏からも同じに見えます。
方丈側からも茶室側からも見える位置にあります。
龍安寺知足鉢|龍安寺垣
『吾唯足知』
この言葉を図案化した人は誰だったのでしょう。
はじめから鉢に取り入れようとしたのか
マネできる言葉が見つかりません。

この知足鉢を模したお土産もいろいろありました。
龍安寺クリアファイル
クリアファイルの写真が、本歌なのか
売店の方に聞いたら「確認します」と言って
お庭の現物を確かめてくれていました。

受付にあった英文での「吾唯足知」の説明がよかったです。
銭鉢(知足鉢)龍安寺英語の案内文
見所がたくさんある龍安寺で、
石屋の目に留まってしまうのは、石灯篭です。

方丈西側の灯篭は、小さな宝珠、
薄い笠に小さな蕨手、大きな火袋が目を引きます。
製作された時代の特徴的なバランスなのかもしれません。
龍安寺灯篭 (2)
柱の彫刻が何なのか、しっかりと見えませんでした。
龍安寺灯篭 (1)
個性的で石らしい重量感がありました。(N)









石灯篭に、かぼちゃの彫刻を見つけました!
かぼちゃの彫刻|ハロウィンな春日灯篭
春日灯篭に、カボチャが2つ
並んでいる形が可愛いです。
かぼちゃの彫刻|ハロウィンな春日灯篭
見たところ、一般的な春日灯篭です。
カボチャの彫刻石灯篭 (7)
火袋には鹿が彫刻されています。
春日灯篭の鹿の彫刻
しかし、カボチャがあります。
灯篭では初めて見ました。
かぼちゃの彫刻|ハロウィンな春日灯篭
他のパーツの彫刻も見てみると、
『笹(竹?)の葉』
竹や笹は、家紋にもあるように「松竹梅」の縁起物。
ただ、彫りが変わっています。
笹の彫刻|石灯篭
灯篭の模様は、規則的に並べるのが一般的ですが、
葉の向きを一つずつ変えていて、軽やかに感じます。
笹の彫刻|石灯篭
『波模様』
こちらも縁起物で、灯籠に多く用いられます。
これも均一ではなく、波の大きさや高さを変えています。
波模様|カボチャの彫刻石灯篭 (1)
『菊(?)』こちらも灯篭に多く用いられます。
菊の彫刻|石灯篭
上と同じ花を二区に分けたもの
二区|カボチャの彫刻石灯篭 (3)
通常、受の模様は
・全て同じ
・六角の対面を同じ
・左右対称
・正面性を出す
など、します。

しかし、この燈篭の彫刻は、配置に規則性がなく、
敢えて、この配置にしていると考えるのが自然です。
やはり、特注品なのでしょう。


          彫刻の配置
          〈上面図〉
画像1

「カボチャ農家の特注品か?」との結論に至りそうでした。

念のため、カボチャについて調べてみたところ、
模様あるあるでお馴染みの『縁起物』でした。

かぼちゃ(南瓜=な
」が2回入ると「運」がつくという縁起物なのだそう。

 れ い ぎ も縁起物。
お正月のおせち料理にも「ん」のある食べ物を入れます。

チンゲン菜入りのタンタンメンが最高なのでは。(N)

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