パーツの欠損、ヒビ、剥離などが見られる石造物
(石灯籠、狛犬や狐などの彫刻品、石碑、お墓など)の
保存、補修や修復、移動などについて、お話します。

【3年前に、移設工事をした三猿像】
腕や足が落ちてしまい、石の表面が剥がれていたり、小さなヒビも多くありました。
石造物の保存(補修・修復)
こちらの石像は、移動作業の前日に、ヒビの奥にボンドを差して補強しました。
表面には付着しないように、目立たないようにボンドを差します。

詳しくは、移設工事時のブログ記事↓


このように一つ一つ、対応が異なるため、ご相談を受けると、
はじめにご希望と現状をお伺いし、可能な方法をご説明します。

保存や補修をご希望される、そのお気持ちを大切にしたいので、
お力になれるよう、可能な方法を検討します。

そんな中でも、
「いじらないほうがいい」というお返事をすることがあります。
手を加えたり、動かしたりせず「現状のままの方がよい」という意味です。

倒壊などの心配がなければ
「このままの方が良い」と
ご意向とは異なるお返事もします。

【補修や移動をお断りする事例】
・動かすことによって、本体が破損してしまうほど風化している
・重量的に石を移動する方法がない
・直しても、強度的に問題があり再び同じ状況が見込まれる
・破損している箇所以外にもヒビが多い
※状況により判断が難しいので、一度ご相談ください。

【補修や移動をお勧めしない事例】
・動かすことによって生じるリスクが高い
・作業後に見込まれる改善具合が、高いものが望まれない
・作業後の将来的な経過(長期間保てない)
・費用が高額になってしまう
これらをご説明し、作業は可能だけれど、
費用をかけてまではお勧めはできない。など
状況に応じて、考えられることをご説明します。

キズや破損のある石造物は、取り扱いに特に注意が必要です。
作業中に破損したり、傷が増えることがないように作業します。
移動中の破損は、石の落下による事故にも繋がり慎重に作業します。

補修するため、取り外し作業や、移動(輸送車両までの移動や、固定作業など)、
工場までの輸送、お戻しする際の輸送など、
動かす都度、石に振動や衝撃が加わることとなります。

【取り外し作業】
慎重に行いますが、石には衝撃が加わります。

スリングベルトが石に直接かからないよう
バンキ(当て木)にスリングをかけます。
石造物の保存(補修・修復)|移動
一点に力がかかって、風化した石が欠けないように力を分散させます。
特に欠けやすい角に注意します。

作業中には、機械の振動が加わわることもあります。
また、石の状態や現場の状況に合わせて、
道具を作製して工事する場面もあります。
石造物の保存(補修・修復)|移動
石の状態に応じて、移動に耐えうる固定方法を行います。
石造物の保存(補修・修復)|移動
道路の段差などで、荷台が揺れることも想定して固定します。
石造物の保存(補修・修復)|移動
平らな道はなかなかありません。
ゆっくり運転します。
石造物の保存(補修・修復)|移動
取外しや、移動作業時に破損が生じる可能性が高ければ、
万が一のことも事前にお伝えした上で、可能な対策をします。

補修作業等が困難な場合には、お断りすることもございます。
私たちが出来ることがなかったとしても
石屋として考えられる対策を、お話しすることもあります。

屋外にある石造物でしたら、屋根や囲いをお勧めします。
石造物の保存(補修・修復)|移動
三方向の囲いと、屋根を付けることで
雨風をしのぎ、風化の進行を遅らせる効果があります。
石造物の保存(補修・修復)|移動
移動が困難な場合には、現地での作業もできます。
しかし、持ち出せる設備や道具に限りがあります。
作業方法にも限りがあるため、工場での作業の方が精度は上がります。

石の状態や、環境、ご意向など
ひとつひとつ状況が異なりますので、
石造物の補修をはじめ、移動や保存をご検討中の方は
一度お写真をご用意の上、ご相談ください。(N)