先日、修復のためにお預かりした狛犬に彫刻されていた文字
狛犬台座文字|愛西市神明社 (1)

左から
「大正拾年〇月」 写真の〇印の一文字が読めません。
1月から12月のどれとも検討がつかないのです。

ちなみに、同じ神社の社標は大正十年三月一日建之 と刻まれています。
神社社標文字|愛西市神明社
おそらく狛犬も同じ三月に建てられているはずなので、
三月や弥生の書き方や、参など別の漢字を調べても、似た文字がなく分かりません。

三月一日を表す季語も見つかりませんでした。

ネットで、ひらがなの旧字体も調べたり変体仮名も調べたりしてもダメ、
やっぱり図書館へ出かけて調べないとダメかあと思いつつも

諦めずに、調べている中で見つけたサイトで
漢字を一文字ずつ入力して調べていきました。

一 壱 二 弐と入力していくと似た文字が見つかりました。

日本古典籍くずし字データセット(人文学オープンデータ共同利用センター)より
「弐」のくずし字が似ている!!
弐のくずし文字
狛犬台座文字|愛西市神明社 (2)
これは弐月で間違いなさそうです、
こんな便利なデータ集があるとは知りませんでした。感謝

調べている中で、書道家の先生にも写真を見てもらうと
「二月かしら、弐月、あるいは『武月』かもしれない」と教えてくださいました。
大正10年なら、日露戦争や第一世界大戦の影響が残り
『弐』ではなく、強く勇ましいという意味の『武』をあえて使っているかも。

武という発想には驚きました。

文字を形としてだけではなく、何かを伝えり表現するものとしても想像して
考えているのは書家ならではなのか、先生の経験や豊かさでしょうか。勉強になります。

『武月』(N)