岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

タグ:メンテナンス

石臼を磨き直しています。
砂岩の玖老勢石は、みかげ石の加工とは違い
磨き直したはずなのに、
石の表面を触ると指がザラつきます。
でも、見た目には砂らしいものは見当たりません。
再度磨いても、洗ってみても、エアーを吹いても改善されません。
前回の記事はこちら

表面に石の粒が残って凸になっているのか、
表面に凹みがあるのか、目視では判断ができません。
しかし、手で撫でているとザラつく箇所があるので、
石の粒より小さな凹凸が残っているはず。
目では見えないけど、人間の手の感覚ってすごいです。
石臼のクリーニングと磨き直し|新城市玖老勢石(くろぜいし)
食べ物を入れないなら、何ら問題なく「磨き直した」と言えますが
餅つきをしたら、このザラつきがどうなるのか。

このままではお客様へお渡しできません。
そこで、
実際にお餅をついて確かめよう!

お餅にする工程は省略して、切り餅で代用します。
①臼にお湯を入れて石臼を温めます。
石が濡れるとツヤツヤに光って見えます。
石臼で餅つきできるか実験 (1)
②チンして柔らかくしたお餅2個
石臼で餅つきできるか実験 (2)
投入
このままでも食べられますが、餅つきします。
石臼で餅つきできるか実験 (3)
③石の棒でつきます。(杵がないので、石の棒で代用)
石臼で餅つきできるか実験 (4)
餅つきっぽい
石臼で餅つきできるか実験 (9)
④ほどよく石にお餅がくっついてくれます。
ちょうどいい石の表面具合。
くっつくことで、お餅が返せます。
石臼で餅つきできるか実験 (7)
見た目には、石の粒はお餅に混ざりませんでした。
食べてみても、問題なし。

でも、手で触ると石の表面がなんだかザラつきます。
ザラつきが気になる箇所に、お餅を擦りつけてみます。
石の表面に擦り付けるようにしました。
ひと口食べてみると

問題なし!!あーよかった。
これならお渡しできます。

完成
石臼のクリーニングと磨き直し|新城市玖老勢石(くろぜいし)
石臼のクリーニングと磨き直し|新城市玖老勢石(くろぜいし)
石臼のクリーニングと磨き直し|新城市玖老勢石(くろぜいし)
~玖老勢石(砂岩)の石臼の使用方法~
この石は、耐熱性があります。
熱湯を入れても大丈夫です。
石臼のクリーニングと磨き直し|新城市玖老勢石(くろぜいし)
みかげ石に比べると、柔らかい石です。
餅つき杵の衝撃が一か所に集中すると、
石を割ってしまう恐れがあります。

力を分散させるために、
台座は、臼との設置面を多くしてください。
・支える脚を増やす 通常4本脚→8本に増やす
・臼がすっぽり、はまる台座を作る
など

吸水性の高い石です。
使用前には、石に水をしっかり吸わせてからご使用ください。

~保管方法~
保管は屋根のある場所で、
できれば地面から浮かせて(盤木バンギを2本配置して)
底面にも空気が通るように。水分を常に吸っていると風化が早く進行します。
梅雨時期など湿度が高い時には、空気中の水分を石が吸いますので、ラップなどで密閉しないこと。

ご自身の石臼に使用されている石の特性を知り、
石臼の状態を知った上で、ご使用いただくと楽しいですし、安心です。

お餅つきを楽しんで、いいお正月をお迎えください(N)



~関連記事~

側面のサビ落とし↓

磨きの詳しい工程↓

◆欠けの補修と内側の磨き直し↓











内側の磨き直しに、持ち込まれた石臼(餅臼)です。
側面に付着した茶色のサビを落とします。

かまどのような枠に、はめて使用されていたのか、
外周に同じ高さで8か所くらい、茶色の跡がありました。
水平方向のサビが垂れて、縦方向に帯状に茶色くなっています。
餅臼のサビ落とし|加工前側面のサビ
お餅をつくには、影響はありませんが、
食べものを作るので、できれば見た目をきれいにしたい。

こちらは薬品を使って落とします。
漂白剤のような役割の薬品を塗って、水洗いします。
ゴム手袋をして作業を繰り返します。
餅臼のサビ落とし|作業中
冬場だと気温が低く、薬品の反応に時間を要します。
当日中の引き渡しのご希望だったため、
少しサビが残っていました。
時間を掛ければ冬場でも、もう少し落とせたかも。
餅臼のサビ落とし|加工後
作業の続きは、温かくなってからお客様に
やってもらうようにお願いしました。すみません。
茶色の面積は、かなり減りました。
餅臼のサビ落とし|加工後
目立たなくなったヒビの補修箇所の目印として、
あえて1か所だけは、茶色のサビを残しました。
餅臼の補修メンテンナン|ヒビの補修
ここにお餅を反す人がいれば、
ヒビのある縁を叩いてしまうことを避けられます。
餅臼のサビ落とし|加工後
お客様と餅つき談義
「餅つき機のお餅とは違うんですよね。」
「よもぎ餅ってやったことあります?」
「うまく出来なくて、、、」「こうこうこうするといいですよ」
「お湯ってどれくらい張ります?」「布巾をかけて置いておきます」
「ついたお餅どこに出します?」「入れる用の木枠があって」「うちはのし袋に」
と、家庭ごとに違う餅つき事情も面白いです。

餅つきは前日の準備から、当日の餅つきで疲れたところに、片付けと
結構大変な行事でもあります。

でも、なぜやるのかと聞いてみると、
『みんなが喜んでくれるから。』という声が多いです。
毎年やっていると親戚が待っているし、子どもたちも喜んでくれる。
これなんですよね。おいしいお餅はもちろん
みんなで集まって作るのは、楽しいですよね。

今はまだ遊んでいる子どもが、
だんだんと戦力になっていく、成長も感じられます。

実家でやっていた餅つきを、自分たちでやろうと
世代交代だそうです。
こういう行事を残していきたいと話されていました。

みんなで苦労して味わうお餅つきは、
きっと記憶に残っていきます。

これからも年末にみんなで餅つきができますように
良いお年を!とお見送りをしました。(N)

同じ石臼で、ヒビ補修もしました。
◆ヒビ補修↓


◆縁の欠け直し(石を丸める場合)と磨き直し↓


◆磨き直しの工程↓





もち臼のメンテナンスをしました。
内側を磨き直して年末にお餅をつけるように。
内側の石肌と、緑の苔と・茶色い部分も気になるとのこと。
石臼(餅臼)磨き直し (1) - コピー
【作業後】こんな風にきれいになります。
石臼(餅臼)磨き直し完了 (1)
作業の様子を紹介します。
お預かりした臼は、内側を削って磨き直します。
石臼(餅臼)磨き直し (1)
磨き直しに使用した砥石は、7種類です。
ダイヤの入った砥石を使わないと、石は削れません。
左:側面のダイヤで石を削ります
中・右:青砥と呼ぶ砥石(形の違う2種を使い分けます)
石道具|石材用砥石 (1)
一番深く削った箇所は、1分5厘=5mmほど
緑の苔や茶色の部分も大方なくなりました。
石臼(餅臼)磨き直し完了 (6)
茶色は、石から出てきていました。
長~~い年月が経てば、また広がるかもしれません。
しかし、作られてから年月が経っている古さを考えると、
石色の変化は今後もなさそうです。

縁の内側に面を作って、石の縁を欠けにくくしました。
上から5㎝位は、内側をへこませて『かえし』を作りました。
臼を掃除するときに、お餅の欠片や水を掻き出しやすくする為です。繰り返しお餅をつく付く時にこうなっていると便利なんだそうです。
石臼(餅臼)磨き直し完了 (3)
形を作ってから、磨いていきます。

内側の曲面にフィットする柔らかい砥石を使います。
石道具|石材用砥石 (3)
平らな面を磨くときは、硬い砥石を使います。
(今回は使っていません)
石道具|石材用砥石 (4)
今回使った砥石は、やわらかい砥石
60番 150番 300番 500番
数字が大きくなると、きめが細かくなります。
石臼(餅臼)磨き直し加工
内側の全面に砥石を当てる

表面を乾かして、磨き残しを確認
磨き残しがなくなるまで繰り返す。

砥石を交換

この作業を繰り返します。
石道具|石材用砥石 (2)
合計7種類の砥石を使用して
内側を磨き直しました。
【完成】
石臼(餅臼)磨き直し完了
完成の具合は、手触りで決めます。
爪が削れない程度
石臼(餅臼)磨き直し加工 (2)
でも、ツルツルになりすぎないように
さわさわ 手で触って表面の具合を決めます。
石臼(餅臼)磨き直し加工
石臼の表面の触り心地を比べます。

外側はザラザラ(磨き直しなし)
石臼(餅臼)磨き直し完了 (7)
縁は、サラサラ
石臼(餅臼)磨き直し完了 (8)
内側はツルん
石臼(餅臼)磨き直し完了 (6)
仕上げの具合で、石の触り心地は変わります。
石をぜひ触ってほしいです。

臼の側面にある半月型の持ち手
石臼(餅臼)磨き直し完了 (4)
お客様とも話ましたけど、ここに手を掛けても、
持ち上がらないですよね。
そんなに軽くありません。

計量していみると重量は80kgでした。
これを1人で台にセットするのは、負担が大きいので
持ち運びは2人で行うのをお勧めします。

この石臼は、ご自宅から乗用車で運んできてもらいました。
お父さんと息子さんと協力して載せたそうです。

【納品予定】
1週間から10日程度(最短翌日夕方お渡し)
タイミングにより長くかかる場合があります。

お預かり時(車から降ろす)と
お渡し時(積み込み)は職人が作業します。
餅臼を自宅で降ろす時には、もう一仕事がんばってください!

工場にある餅臼を眺めながら、年末の訪れを感じています。(N)


以前に紹介した記事を見て
問合せをいただきました。ありがたい!

~関連記事~
◆石臼磨き直し↓


石臼のヒビ補修↓


石臼の側面のサビ落とし


◆手作業で石を磨く方法



石臼でお餅をつきたいけど、汚れが気になるとのご相談がありました。
実は、「自分でサンダーで磨いてみたけれど、上手くいかない」とのこと。

持ち込まれた石臼は、側面の持ち手が扇形に彫刻してある手の込んだ作りで、
岡崎の上質な石が使用されていました。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (3)
縁が少し欠けていたので、角にノミを当てて丸くします。
石臼(餅臼)をきれいに磨く欠け
石臼(餅臼)をきれいに磨く (6)
石臼(餅臼)をきれいに磨く (7)
昔の職人さんが彫った時のノミ跡が残っていて、
ノミ底に苔が入り込んでいます。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (4)
ダイヤで削り、砥石を当てて凹凸をなくします。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (8)
次に、水を掛けながら石を削って磨いていきます。
内側に赤色を塗ると、石の表面に砥石の切削キズがあるのがわかります。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (10)
石の表面の高い位置にしか赤色がつきません。
赤色の中に、砥石の切削キズと凹凸がたくさんあります。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (11)
キズと凹凸を削って、全体を均一に磨いていきます。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (14)
全体を磨いたら、もう一度全体に赤色を塗ります。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (12)
初めよりも赤色の中にあるキズが減ってきました。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (13)
細かな目の砥石に変えて、更に磨いていきます。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (20)
磨きの工程は水を流しながら行う為、臼の中に水が溜まってしまいます。
石臼を斜めに固定して、水が穴に溜まりにくくし作業します。
機械を石に押しつけながら作業するので、
石臼を回転させては固定し直し、少しずつ内側を磨いていきます。

磨きの工程は、砥石の粒子の細かさを変えて同じ作業を繰り返して仕上げます。
ピカピカに磨きすぎると、お餅が滑りすぎてしまうのではないか
ザラザラだと、お餅を返す人の爪が削れてしまうのではないか
と考慮して400番仕上げにしました。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (1)
写真では分かりづらいですが
触るとスルスルと滑らかで、ひっかかりがありません。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (24)
縁の内側も角を丸めました。
お餅をつく時、杵が臼の縁に当たると石が欠けたり、
杵が割れたりしてお餅に欠片が入ってしまうのを防ぐ為です。

内側の縁から2寸(約6㎝)下くらいに『かえし』を作りました。
お餅つきで臼を温める時に、はった湯をかき出しやすくする為です。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (22)
今回石を加工した職人いわく、
「この石はキメが細かくて粘りがあったから、ただ硬いだけではなく、杵の衝撃に耐えられる石臼には最適な石を選定して作っていたのではないか。石臼の中でも上質のものだと思います。」とのことでした。(N)

【注意!!】石臼で餅つきをする前に
石臼にヒビがあると、餅つきの衝撃で石が破損することも考えられます。
ご使用前に、石にヒビが入っていないかを確認することをお勧めいたします。(2021.12.3追記)

~関連記事~
◆石を磨く『砥石』について↓


◆石臼のヒビ補修↓


石臼の側面のサビ落とし


↑このページのトップヘ