岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

タグ:傾き直し

祠3基の建て替え工事を行いました。
工事前の様子
祠設置工事 (35)江古田氷川神社
工事の様子をご紹介します。

まず、既存の祠を解体します。
祠設置工事 (2)北野天満者吊り上げ
祠の周りには、溶岩で石山が作られていました。
山岳信仰の影響なのか、荒々しい造形で作られています。
祠を設置した後に溶岩を積んでおり、
二つの祠は、台石を取り出して据え直すことは見合わせました。
祠設置工事 (6)北野天満社
一番下の台石は、表面に風化のあった祠本体や上の台石とは
異なる石種なのか、密度が高い石でした。
石状態にも問題ないので、現状のまま使用します。

現地確認の際に、傾きの大きかった1つの祠
祠設置工事(工事前)
既存の四つ石組の台石を一旦解体して、据え直します。
下段の四つ石組の台石↓
祠設置工事 (7)稲荷神社
後ろ側の石をどかしてみると、木の根がありました。
これが石を持ち上げていたようです。
祠設置工事 (8)稲荷神社台座据え直し
正面の石をどかすと、更に太い根がありました。
根が石を持ち上げてしまい、石に段差が生じていました。
祠設置工事 (9)稲荷神社台座据え直し
根を切り取り、砕石とコンクリートでベースを作り、石を据え直します。
祠設置工事 (10)稲荷神社据え直し
組み石の中央部に、木の根が入り込まないようコンクリートを入れました。
石同士が開かない効果もあります。
祠設置工事 (11)稲荷神社据え直し
既存の台石を二段組み直しました。
ヒビの入っていた石は、石を持ち上げた時に
ヒビ部分で石が二つに分かれてしまいました。
分かれてしまった石の断面の両面にノロを付けて、
接着して据え直しました。
祠設置工事 (13)稲荷神社
正面の石が持ち上がっていた為、後ろ側に負荷が集まり
ヒビの原因となっていたと推測されます。

新しい台座を据えます。
祠設置工事 (15)稲荷神社
階段付きの上台を設置し、室部と扉を設置します。
祠設置工事 (20)稲荷神社
室部の天面でも水平を調整します。
屋根で見えにくくなる箇所で水平を調整すると
目地の太さが変わっていても、目立ちづらくなります。
奥側の小さな四角が1ミリ厚のゴムシートです。
祠設置工事 (21)稲荷神社
上に屋根を乗せて完成です。
祠設置工事 (32)稲荷神社
残りの2つの祠は、台石の据え直しをせず、傾きを調整しました。
水平になるよう左側は厚く、右側は薄くています。
祠設置工事 (24)北野八幡社
既存の台石に、新しい台石を据えます。
祠設置工事 (26)熊野八幡社
室部を設置して、水平を確認すると、ここは傾きがありませんでした。
天面のゴムシートを4箇所とも貼ったままにしています。
祠設置工事 (29)北野天満社
3つ同じ祠が並びました。
祠設置工事 (31)
江古田氷川神社の末社
右から 熊野八幡神社 北野天満社 稲荷神社

建て替える必要のなかった一番左の祠
江古田氷川神社末社の祠
文政十一年(1828)偶然にも弊社の創業年と同じ
約200年前のものでも、石がしっかりとしています。
溶岩で作られているのでしょうか。
江古田氷川神社末社の祠
建て替えた新しい祠も、長く参拝していただけることを願っています。(N)
江古田氷川神社末社の祠建て替え工事




神社にある祠の建て替え工事を行いました。
4つ並んでいる祠のうち、3つを建て替えました。
石の祠|江古田氷川神社
熊野八幡神社の祠
石の祠|熊野八幡社(江古田氷川神社)
北野天満社の祠
石の祠|北野八幡(江古田氷川神社)
稲荷神社の祠
石の祠|稲荷神社(江古田氷川神社)
まずは、工事前の現地確認の様子をご紹介します。
トラックの進入経路を確認します。
街灯と狛犬の間をトラックが通れるか
祠設置工事(工事前)
板石の参道はトラックが乗っても大丈夫そう。
でも、参道脇のコンクリートは薄そうなので養生が必要。
そんなことも確認します。
祠設置工事(工事前)
現地を確認して、工事方法を検討します。
1つの祠は、壊されてしまい、古い祠の台座の石を重ねて祀られていました。
本来、室部の中に納めていたご神体が、納められない状態でした。
「元の御姿で祀ってさしあげなくては」とご依頼いただきました。
代替の石を組み合わせた祠
トラック停車位置から祠までの距離を計測します。
石の重量と距離を見て、クレーンの作業半径を確認します。
3基ともクレーンで作業ができそうです。
設置場所からの距離を計測
既存の祠に傾きがないか調べます。
台石に水平器を置いて、左右の傾きをみます。
水平の確認
手前から奥行方向の傾きも確認します。
水平の確認
1つの祠は、四ツ石組の台石が2段あり、
上側の台石は、合わせ目に大きな段差ができていました。
祠設置工事(工事前)
石が動いた影響か、台石にヒビが入っている箇所がありました。
祠設置工事(工事前)
石が動いてしまい、石同士が開いている箇所
祠設置工事(工事前)
これらの現地状況を踏まえて、工事内容を打ち合わせしました。

工事の様子へ続く(N)





祠の新設に伴う石工事も行います。











「神社の石灯篭が傾き、火袋にヒビが入っています。
ヒビの修理をお願いできますか。」とお問い合わせがありました。
灯篭傾き直し(工事前)
木の根に押されて、灯篭が傾いています。
傾きの原因である灯篭脇の木は、既に伐採してありました。
灯篭傾き直し(工事前)2
火袋のヒビには、セメントで補修された跡があります。
神社の石灯篭ヒビ
火袋のヒビは補修しても
上からの重みに対しては、強度が弱くなっています。
笠と宝珠の重量(春日7尺の場合約200kg)を考慮すると、
今回の補修はお断りするしかありません。

火袋のヒビは多くの場合、
上記の理由から補修をお断りすることになります。
欠けは補修するケースもあります。
一度、ご相談ください。

上に重量の掛からない部分(宝珠や笠の角など)は
補修できる可能性が高いです。


代わりに、火袋のみの交換をご提案しました。
7尺用の春日灯篭の火袋
春日灯篭の火袋7尺用
火袋の交換と合わせて、
基礎から据え直して傾きを直します。
【工事前】
神社の石灯篭傾き直し|服部八幡神社
灯篭をパーツごとに取り外して
接合部に付いているセメントを取ります。
神社の石灯篭傾き直し|服部八幡神社
接合部には、ピンを入れる穴を現地で掘ります。

灯篭を据え直します。
お祭りで使用するスペースを確保するため、元の位置へ据え直します。
神社の石灯篭傾き直し|服部八幡神社
杭を入れて砕石を入れて叩きしめます。
神社の石灯篭傾き直し|服部八幡神社
接合部にはステンレスピンを入れます。
神社の石灯篭傾き直し|服部八幡神社
柱の上部
神社の石灯篭傾き直し|服部八幡神社
笠の上部
神社の石灯篭傾き直し|服部八幡神社
火袋を新たなものに交換して据え直しました。
【工事後】
神社の石灯篭傾き直し|服部八幡神社

傾いていたロウソク立ても、解体して据え直します。
【工事前】
神社ロウソク立て傾き直し
こちらも接合部にピンを入れます。
神社のロウソク立て傾き直し|服部八幡神社
2本の石を一緒に板で挟み、ベルトで固定します。
神社のロウソク立て傾き直し|服部八幡神社
笠と壁の接合部にもピンを入れます。
神社のロウソク立て傾き直し|服部八幡神社
サッシはコーキングを入れて固定します。
神社のロウソク立て傾き直し|服部八幡神社
昔造りの石造物は、機械で切ったように揃っていない要素もあり、
ピッタリ、キッチリとは据え直せないこともあります。

解体や据え直し工事のように、既に据えてあるものは、
取り外してみないと、接合部がどうなっているのか、
掘り出してみないと、土に埋まった部分がどうなっているのか分かりません。

想定できることを準備して、工事へ向かいます。
工事をしながら、できる最善を見つけて作業しています。
【工事後】
神社のロウソク立て傾き直し|服部八幡神社
石造物は傾きが大きくなると、
石が割れてしまうこともあります。
突然、灯篭や石造物が倒れることは考えにくく、
傾く→ヒビ割れが生じるといった具合で、危険度が進行していきます。

傾きが気になる時は、石に亀裂が入っていないか確認して、
必要に応じて、人が近付けないようにロープで囲うなど
安全対策を実施の上でご相談ください。

お参りやお祭りなど、安心して訪れることができるようになるといいです。(N)









神社には古い石灯篭が多く残っています。
時々見かけるのが、台石に隙間ができて灯篭本体が傾いてしまっている燈籠です。↓
燈籠傾き直し|神社石灯籠
一番下の台石は四つの石を組み合わせて作られています。(再設置時の写真です↓)
燈籠傾き直し|神社石灯籠 台石の組合せ
本来は4つの石すべてに上の石が乗っていないといけません。
工事前は③の石が内側へ傾いてしまい④と②も水平で無いために上の石が傾いてしまっていました。台石が水平でなくなると上に乗っている燈籠は傾いてしまいます。
燈籠傾き直し|神社石灯籠 台石の隙間
このように台石に隙間ができて少し傾いている燈籠は重心がずれてしまい倒れやすい状態になっています。石の上に人が乗ることにより重心が更にずれる可能性もあります。傾きが大きくなると石の落下に繋がります。また地震などの揺れにも弱くなっています。

石自体に問題がなければ、灯篭を一度解体して基礎工事をして同じ位置に立て直すことが出来ます。

傾いていた燈籠の基礎工事をやり直し、燈籠を再設置した様子をご紹介します。
地盤に応じて杭を入れます。
燈籠傾き直し|神社石灯籠 再設置工事
砕石を入れランマー(てん圧機)で叩き締めコンクリートを入れた上に台石を水平に設置します。
燈籠傾き直し|神社石灯籠 台石設置
内側にも砕石とセメントを入れ燈籠土台を据え直します。
燈籠傾き直し|神社石灯籠再設置工事
燈籠に付いていたセメントは取り除きます。
燈籠傾き直し|神社石灯籠 セメント掃除
再設置後
燈籠傾き直し|神社石灯籠再設置後1
本来の姿に戻りました。
燈籠傾き直し|神社石灯籠再設置後2
石に隙間ができる原因は、地盤による地面の変化や基礎工事のやり方が考えられます、例えば長い年月の中での雨や小さな地震の繰り返しなどで地面が下がってしまい石が動いてしまうことがあります。水はけの悪い場所や粘土質の地盤も傾きが生じやすいです。傾きが生じると自然に元に戻ることはありません。小さなきっかけで倒れてしまう危険性があります。

傾いている燈籠はなるべく早く再設置するほうが安心です。
工事がすぐにできない場合には人が近づかないように案内をしたり、状態によってはロープや柵の設置など対策をすることをお勧めいたします。古い灯篭や傾きが心配な場合にはご相談ください、安心して参拝できるようにご提案いたします。(N)




一年を振り返る季節となりましたが、ブログ更新が滞っており書くべき記事が溜まっている状態なので焦って記事にしております。少し長いですがお付き合いください。
境内でさまざまな石工事を行った名古屋市稲葉地神明社での工事をご紹介します。

石鳥居の傾き直し
大正13年に建てられた8寸(柱の長さ8尺約240㎝サイズ)神明型鳥居が傾いていました。傾く原因は様々ですが前後の方向へ傾いてしまっている鳥居を見かけることがあります。この鳥居は正面方向へ傾いてしまっていました。
石鳥居傾き直し石工事|名古屋市稲葉地神明社
石鳥居は柱の『ころび(内側への傾き)』がひとつひとつ異なる為、建てなおす場合には建っている状態で採寸し建て直す時の目安にします。
クレーンを使って全て解体します。
石鳥居解体石工事|名古屋市稲葉地神明社
笠を外して、柱を両側へ広げて貫を取り外します。
石鳥居傾き直し石工事|名古屋市稲葉地神明社
基礎部分など土に埋まっている部分は掘ってみないと、どのように施工されていたのか判断が付きません。基礎に沓石が埋まっている場合には沓石が取り外せず、柱を切って解体することもあります。
石鳥居解体石工事|名古屋市稲葉地神明社
今回は柱と沓石はバラさずに沓石ごと取り出しました。
石鳥居解体石工事|名古屋市稲葉地神明社
ここまでの作業は今年1月に行い、社務所工事が完了するまでは境内で鳥居を保管していました。
石鳥居解体石工事|名古屋市稲葉地神明社
9月になり立て直し工事をしました。通路の一部を壊して基礎を作ります。
石鳥居傾き直し石工事|名古屋市稲葉地神明社
基礎の上に通路を作り直します。
石鳥居傾き直し石工事|名古屋市稲葉地神明社
沓石を置く場所を決め、高さの基準になる石を置きます。
この石を置く理由は、沓石の底面と基礎の間に隙間を作り生コンで沓石を巻く為です。
貫が立て直し前よりも柱に深く入り込む分、『ころび』が大きくなるので距離を計算して沓石の位置を決めます。このように解体前に採寸することは建て直す際に重要です。
石鳥居傾き直し石工事|名古屋市稲葉地神明社
沓石と柱を設置します。昔づくりの鳥居で沓石の底面はガタガタだった為、現場で大まかに平らに加工しました。底面がガタガタの二つの沓石の水平と「ころび」を調整しやすくする為にクサビを用います。

柱の貫がはまっていた穴は風化によって浅くなっていました。石が柔らかいこともあり立て直した後も風化が進む事を考慮し、より安全にする為穴を現場で深く加工しました。
新規に鳥居を建てる場合と比較すると立て直し工事はとても手間がかかります。
石鳥居傾き直し石工事|名古屋市稲葉地神明社
柱と笠に穴をあけ、既存のものにはなかったステンレスピンを接合部に入れました。
石鳥居傾き直し石工事|名古屋市稲葉地神明社
慎重に笠石を設置します。
石鳥居傾き直し石工事|名古屋市稲葉地神明社
完成
石鳥居傾き直し石工事|名古屋市稲葉地神明社
この鳥居は境内脇の鳥居です。
正面の鳥居は新しいものに作り替え工事をしました。その様子も次回ご紹介します。



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