石燈籠をどのようにデザインするのか、ご紹介します。

今回は、新製品の置き燈籠をデザインしながら製作しております。
こちらの燈籠の笠に載せる宝珠(玉)のデザインを決める過程をご紹介します。
石灯籠の製作過程
【今回目指している燈籠】
◎お庭で主張しすぎず、自然と馴染むもの
◎派手な灯籠にはしない
◎オリジナルのデザインにする

さて、宝珠はどうしようか
展示場から燈籠の宝珠を集めて、デザインの方向性を検討します。

・下部に丸い装飾がある宝珠
石灯籠の宝珠|六角朝鮮
宝珠の違い|石灯籠の製作 (1)
装飾のない笠だけ浮いてしまったような

・シンプルな宝珠
石灯籠の宝珠|四角活込
宝珠の違い|石灯籠の製作 (2)
火袋から上がシンプル過ぎて
笠と宝珠だけ別の燈籠のように感じました。

・下部に連弁(花びら)のある宝珠
石灯籠の宝珠|舟付
宝珠の違い|石灯籠の製作 (3)
急に燈籠らしくなってしまいました。
今回は一般的な置き燈籠にしたくありません。

・奇をてらって、岬燈籠の宝珠
石灯籠の宝珠|岬
宝珠の違い|石灯籠の製作 (6)
んーん、いろいろ試しても、しっくりくるものがありません。
宝珠は、燈籠に合わせて考え抜かれた形で、代用できないのかもしれません。
こんなに悩むとは思いませんでした。

もしかして、方向性を間違えているのかも、
宝珠ではないものが似合うのかも、と
工場にあったフクロウでも載せてみるか~と息抜きがてら載せてみました。
宝珠の違い|石灯籠の製作 (5)
この姿をみて、もしかしたら
「縦長のものが似合うかもしれない」とひらめきました。

・烏丸の塔の相輪(宝珠)
石灯籠の宝珠|烏丸の塔
宝珠の違い|石灯籠の製作 (7)
想定外の形でしたが、これがしっくりきます。
この方向で進めていくことに決めました。

しかし、せっかくの新しい燈籠を作っているので、
既存のものをマネはしたくはありません。
相輪(九輪)

九輪玉にしたらシャープでかっこいい塔になる。
けれど、お墓っぽくなってしまう。

庭用には、もっとやぼったく玉石を重ねたような、串団子みたいなものが似合いそう。
横のラインは浅く彫って、区切りをはっきりとさせない
その方が、庭で眺めるには息が抜けるのでは
相輪
宝珠の選定
できたものを載せてみるも、思っていたものと違いました。
目が慣れるまで眺めようと、しばらく眺めても、合わないものは合わない。
なぜか、笠のラインが美しく見えません。

溝を増やして、九輪にしてしまおうかと、簡単な修正方法の誘惑にかられます。

下のパーツに対して、とにかくボリュームがあり過ぎて
宝珠の存在感がありすぎる(背が高い?太い?)ということで、

全体の高さを1寸くらい低くし、厚みを均等割りから微妙に変えて、
太さは、上にいくほど、すぼまる形に修正。
宝珠の選定
上に伸びていくようなイメージです
宝珠の選定
宝珠の下部に模様を作り、全体の統一感を持たせました。
宝珠から笠へのラインが繋がって、笠の曲線が美しく見えます。
山橘の塔
笠のカーブや、球体の彫刻などからイメージを膨らませ
藪柑子(ヤブコウジ)の古名である「山橘の塔」と名付けました。(N)