岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

タグ:塔身

SDGs目標への取り組みに私たち石屋ができるの一つに石製品の修理やリフォームがあります。「つくる責任つかう責任」の中で、修理をして長く使用するリユースや廃棄物を再利用して新しい製品にすることがあります。

廃棄物の再利用はSDGsの目標が掲げられるずっと前から行われています。既に桃山時代の茶人は仏教遺物を再利用し、姿を変え茶庭に好んで取り入れていました。例えば四方仏水鉢は塔身の再利用として作られたと言われています。(弊社で販売している製品は再利用品ではなく、新たに製作しています)
四方仏水鉢
笠が重なった層塔や宝篋印塔の塔身に水穴をあけて水鉢に転用されたのが始まりの四方仏水鉢。現在一般的に販売されるものは再利用品ではありません。茶人は四方仏(しほうぶつ)を「し」を使わず「よほうぶつ」と呼んでいます。
十三重層塔(塔身)
他にも、異なる石造品のパーツを組み合わせて作られた「寄せ灯篭」として有名な孤篷庵(こほうあん)灯籠も石の再利用です。
孤篷庵(こほうあん)
玉・・・五輪塔の空輪、風輪 
笠・・・五輪塔の水輪を半分にして天地返したもの
五輪塔から転用孤篷庵
火袋・・・小さな宝篋印塔の基礎 側面に穴をあけたもの
受・・・小さな層塔の笠を天地返したもの
柱・・・宝塔の塔身
原型となる本歌は小堀遠州の作といわれる京都市大徳寺の孤篷庵忘筌にあります。寄せ集めたもので、美しい灯篭を生み出せるかは柔軟な発想とセンスが問われる上級者のテクニックです。本歌は鎌倉時代や南北朝時代の材料を使っていますが寄せ灯篭にしたのは江戸時代と言われています。
五輪塔の水輪を転用した水鉢もあります(写真のものは転用ではありません)水を表す水輪が、水を入れる水鉢になるというだけで面白いです。 
つぼみ鉢
石燈籠や石塔、建築物として作られた石が本来とは異なる使い方をしていることはたくさんあります。
茶人は廃品から美を見つけ庭に転用すること自体を楽しみ、新たな美に挑戦していました。
灯篭をはじめ石製品は、安全面や費用を考慮すると修理よりも撤去処分して作り替えをご希望されることもあります。しかし、石に係わった人たちの思いを考えると、出来る限り再利用の道を選びたいです。今ある石を活かして石・人・環境が喜ぶ道を探していきたいです。(N)


塔身(笠を支える立方体)の四方の梵字は、美しさに違いが出ます。
塔全体の美しさも重要ですが梵字も見せ場の1つとなります。
彫刻済の梵字を彫り直すことになりましたので、ご紹介します。
【輸入品の七層塔】
七層塔(中国)梵字
塔身に彫られている梵字は、種子といって
文字そのものが仏や菩薩を表し、美しい姿が求められます。

四面(東西南北)に異なる仏が彫られており、
梵字ではなく仏像が彫刻される塔も多くあります。
【修正前】月輪(円)の中はノミ仕上げ その他コダタキ仕上げ
梵字修正前 (2)
文字を修正する為に円の中をビシャンで平らに加工します。
既存のノミ仕上げと新たなノミ跡が揃わないことや
塔とのバランスを考慮してビシャン加工にしました。

【円の中に梵字を下書き】
今回は丸の中にバランスよく文字を納める必要があります。
例えば薬師如来を表すバイ(梵字)を円の中に納めるには全体を小さくするか、
字体を変えなくてはいけません。

全体を小さくしてしまうと、こじんまりとした印象になる為、
部分的に長さを短くして納まりよく調整しました。
右下の長さを短くしたりして円に納めています。
梵字彫刻 (2)
【彫刻する】
梵字に限らず文字を彫刻するときは書き順を考慮して
彫りの深さで力の入り具合を表現します。

梵字は漢字などの書き順とは異なる筆の運びをします。
上の薬師如来の種子(梵字)の1画目は、どこだと思いますか?

正解は文字の中心部がスタート地点です。

書き順
(知道出版 やさしい梵字仏 三井奝円 書 より)
梵字彫刻
「紙に書く」と「石に刻む」ことの違いは、折り返しなどで重なる部分の扱いです。

紙に同じ部分を重ねて書く箇所を石も
同様に考えて2回通り深く彫ってしまうと彫り上がった時に
不自然な段差ができてしまいます。

描き順で、後から重なる線の形が残るように彫りました。
梵字修正後 (2)
種子(しゅじ)といって仏や菩薩を文字で表したものは、
拝まれる対象となり仏像と同じ意味を持ちます。
イニシャル的な扱いではなく一尊そのものとして扱われます。

私たち石屋の場合、塔身・灯籠の火袋や五輪塔などに種子を彫ることがあります。
BlogPaint
その他暮らしの中で見かけるとすると・・・塔婆やご朱印・お守りなどにもあります。
寺院へ参拝される際に気にして探してみると見つけられるかもしれません。

梵字については、また別の機会に詳しくご紹介します。(N)
 

「お庭に十三重層塔を入れるのが夢だった」
というお客様。
いつか自分のお庭に!と思い描いていた石塔を
設置させていただくのは私たちも嬉しいです。
十三重層塔 設置例
笠が13枚重なる十三重層塔で有名なものは、
奈良県の般若寺の十三重層塔(重要文化財)です。
コスモス寺と呼ばれるお寺の本堂前の石塔は
高さ12メートル以上ある非常に大きな塔です。

塔身の四方向に、仏像が彫刻されており方角を表します。
薬師(東)釈迦(南)阿弥陀仏(西)弥勒(北)

灯篭・塔・水鉢など石製品の多くは、
モデルとされる『本歌(ほんか)』が存在します。
お寺や茶庭にある場合がほとんどです。

今回設置させていただいた十三重層塔は、
家庭用サイズで、高さ3メートルです。

あまり小さくし過ぎると、一番上の笠が
とても小さなものになってしまいます。
ほどほどにしないと、全体が貧弱になってしまいます。

十三重層塔としては、高さ2.5~3メートル位が
ご家庭のお庭用としては程よい大きさになると思います。お庭 施工事例 十三重層塔
笠は一枚ずつ独立していますが、
設置の際は、何枚か重ねた状態で行います。
十三重層塔 施工の様子
はしごに登って設置をします。
十三重層塔 設置風景
灯篭をお庭に設置する理由は、いろいろあります。
そのうちの一つに、庭園の美しさに感動して、
石製品に興味を持っていただいた方が自宅に再現したい。
「お庭を更に良くしたい」という方が多くいらっしゃいます。

有名庭園で見たあの灯篭を家に置きたい!
そんな思いがありましたら、
是非ホームページからお探しください。

これから灯篭の本歌についても、
製品と合わせてご紹介していきます。(N)

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