岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

タグ:彫り直し

時々「石に彫ってある文字を直せませんか?」と
ご相談を受けます。
お墓の戒名やお名前の漢字が間違っていたなど、
彫刻後に判明することもあるようです。

やり直しがきかない緊張感が、石碑の魅力でもあります。
しかし、間違っているものは、気になりますよね。

石に刻んだ文字の修正方法を2つご紹介します。
※完全な修正ができないことを、先にお伝えしておきます。

1.
石の厚みを文字底まで擦り落として、全面彫り直す。
メリット
・綺麗に仕上がり耐久性がある
デメリット
・現状よりも石が薄くなる、形が変わる
・石を取り外し、工場での加工が必要
・石の状態や状況によっては難しい
・台座がある場合、隙間が広がり、目地が太くなる
・修正費用が高くなる
 カット費・カット面の仕上げ加工
 擦り落とし面の文字を全て再彫刻する費用、引取と再設置


2.
既存文字をパテで埋めて、再彫刻
メリット
・現地で加工が可能
・加工が少なく、費用は抑えられる
・埋めるのみなら、効果的
デメリット
・耐久性がなく、5-10年経過するとパテが変色し
 既存文字が見えてきてしまう

【修正例】持→待に修正します。
既存の彫刻
彫刻文字の修正彫り直し (1)
パテ埋め後
彫刻文字の修正彫り直し (2)
修正後
近くで見ると既存の彫刻がうっすら見えますが、
全体で見た時には目立ちません。
彫刻文字の修正彫り直し (4)

※追加彫刻
点や線を追加するなど、修正内容によっては、
1.2を行わずに、修正加工をすることができます。

弊社では文字彫刻を行う際に、間違いがないよう、
彫刻見本を作成し、彫刻前にお客様にご確認いただいております。
思い違いや、勘違いのないよう、皆様にご協力いただいております。

石に刻んだ文字の修正を希望される方は、ご相談ください。(N)





塔身(笠を支える立方体)の四方の梵字は、美しさに違いが出ます。
塔全体の美しさも重要ですが梵字も見せ場の1つとなります。
彫刻済の梵字を彫り直すことになりましたので、ご紹介します。
【輸入品の七層塔】
七層塔(中国)梵字
塔身に彫られている梵字は、種子といって
文字そのものが仏や菩薩を表し、美しい姿が求められます。

四面(東西南北)に異なる仏が彫られており、
梵字ではなく仏像が彫刻される塔も多くあります。
【修正前】月輪(円)の中はノミ仕上げ その他コダタキ仕上げ
梵字修正前 (2)
文字を修正する為に円の中をビシャンで平らに加工します。
既存のノミ仕上げと新たなノミ跡が揃わないことや
塔とのバランスを考慮してビシャン加工にしました。

【円の中に梵字を下書き】
今回は丸の中にバランスよく文字を納める必要があります。
例えば薬師如来を表すバイ(梵字)を円の中に納めるには全体を小さくするか、
字体を変えなくてはいけません。

全体を小さくしてしまうと、こじんまりとした印象になる為、
部分的に長さを短くして納まりよく調整しました。
右下の長さを短くしたりして円に納めています。
梵字彫刻 (2)
【彫刻する】
梵字に限らず文字を彫刻するときは書き順を考慮して
彫りの深さで力の入り具合を表現します。

梵字は漢字などの書き順とは異なる筆の運びをします。
上の薬師如来の種子(梵字)の1画目は、どこだと思いますか?

正解は文字の中心部がスタート地点です。

書き順
(知道出版 やさしい梵字仏 三井奝円 書 より)
梵字彫刻
「紙に書く」と「石に刻む」ことの違いは、折り返しなどで重なる部分の扱いです。

紙に同じ部分を重ねて書く箇所を石も
同様に考えて2回通り深く彫ってしまうと彫り上がった時に
不自然な段差ができてしまいます。

描き順で、後から重なる線の形が残るように彫りました。
梵字修正後 (2)
種子(しゅじ)といって仏や菩薩を文字で表したものは、
拝まれる対象となり仏像と同じ意味を持ちます。
イニシャル的な扱いではなく一尊そのものとして扱われます。

私たち石屋の場合、塔身・灯籠の火袋や五輪塔などに種子を彫ることがあります。
BlogPaint
その他暮らしの中で見かけるとすると・・・塔婆やご朱印・お守りなどにもあります。
寺院へ参拝される際に気にして探してみると見つけられるかもしれません。

梵字については、また別の機会に詳しくご紹介します。(N)
 

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