岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

タグ:撤去

亀山駅前にあった大きな石鳥居が
亀山市歴史博物館(三重県亀山市)に展示保存されました。
亀山市歴史博物館|亀山駅前旧石鳥居の保存展示
能褒野神社と彫刻された扁額をメインに柱、貫、ツメも設置し
実物大のサイズを出来る限り残し、保存展示しています。

亀山駅前に建っていた石鳥居
亀山駅前石鳥居|能褒野神社
駅前の再開発工事に伴い
今年2022年3月に解体されました。

道路の拡張などで過去に2度移設をし、当初より南へ南へ移動され
1986年からは駅前ロータリーに建っていました。
この大きさの石鳥居を、移設してまで大切にしてきた亀山の人たちの思い入れを感じます。
亀山駅前石鳥居
大正十五年に建てられた石鳥居は、岡崎産でした。
亀山駅前石鳥居
割った断面を見ると100年経っても変わらず
白い雲母がキラキラときれいな岡崎の白みかげ石です。
亀山駅前石鳥居|岡崎産白みかげ石
解体前の打ち合わせの帰り道に、伊勢名物の赤福というお菓子を買ってみました。
中に入っている『伊勢だより』というカードには
伊勢や三重の名所や文化などが紹介されています、
365日異なる絵柄が入っていて総数は、400とも500とも言われています。
そんな中入っていたのは能褒野神社!なんとも偶然。(2021年8月20日の伊勢だより)
能褒野神社 (1)伊勢だより
能褒野神社 (2)伊勢だより
ヤマトタケルは能褒野で亡くなったとされ日本武尊能褒野御墓は
現在も宮内庁に管理されています。
このお墓に隣接して建てられた神社が能褒野神社です。

鳥居の柱に彫刻された文字の中から『日本武尊』の部分を残すことになりました。
能褒野神社石鳥居柱加工
カットした断面も側面と同じようにノミで仕上げました。
直径58cmの柱
能褒野神社石鳥居柱加工
中貫という鳥居の柱の間に渡っていた石は長さ4800㎜あり、
現地で3つに割ってからトラックへ積み込みました。

工場で1800㎜の長さにカットし、カット面にノミを当てます。
能褒野神社石鳥居柱加工
カットした中貫は、展示区画背面の土留めとして再利用しています。
亀山市歴史博物館|亀山駅前旧石鳥居の保存展示
柱を両脇から挟んでいたツメは、中貫の上に置いてあります。
これは本来の配置と同じなので、中貫とツメは同じ厚みに揃っています。
亀山市歴史博物館|亀山駅前旧石鳥居の保存展示
今年3月に解体工事をしたときの様子。
大型のレッカークレーンを使って作業しました。
亀山駅前石鳥居解体工事
亀山駅前石鳥居額|能褒野神社
額のサイズは133cm×95cm 重量300㎏ありました。
亀山駅前石鳥居解体工事
額の文字は浅い彫刻でも十分に文字が見やすく、手書き文字が素敵です。
能褒野神社鳥居扁額
久邇宮邦彦王(香淳皇后(昭和天皇の后)の父)より
能褒野神社の御社号書が寄せられ
この書を扁額として大鳥居に掲げられたとのこと
2023.07追記
能褒野神社鳥居扁額
手で触れ、当時の職人の仕事が今も昔も変わらないことや
100年経ち岡崎の地に戻ってきていることを思い眺めていると、
やはり石は「残る」というのが石屋のやりがいの一つと感じました。

台石の合わせ加工をしたら再び亀山へ戻します。
100年前に岡崎で作られものが亀山で二度の移転を経て、
解体後再び岡崎へ戻り、再度亀山で設置されるとは、ずいぶん稀な石です。

このような石には、関わった人たちの思いが宿っている気がします。
能褒野神社扁額文字
展示用台石の加工を紹介します。
額の形に合わせて波型の溝を作ります。
台石の加工 (2)
額と台石の合わせ|額の展示台
額の底面のカーブに合わせて溝を彫りました。
額と台石の合わせ|額の展示台
額を支える背面の台石も、額の背面のカーブに合わせて石を削りました。
支え石の加工
額と台石はピンを入れ固定しました。
額と台石の設置工事ピン
亀山市歴史博物館の玄関横に展示されています。
保存展示していただけることは、石を扱うものとしても嬉しい限りです。
亀山市歴史博物館|亀山駅前旧石鳥居の保存展示
展示の後ろに見えている石は、亀山城の石坂門石垣と側溝の移設復元
亀山城石垣移設復元内看板|亀山市歴史博物館
石垣には刻印のある石もあり、石を積んだ後も刻印が見られるものが3個あるとのこと
こんな刻印を見つけました。
亀山城石垣刻印|亀山市歴史博物館
亀山城石垣復元案内看板|亀山市歴史博物館
矢を使って石を割った跡が残っていました。
亀山城石垣矢跡|亀山市歴史博物館
亀山城石垣矢跡|亀山市歴史博物館
石垣の内側に入っていた裏込めに使われた石も、敷地にありました。
亀山城石垣移設復元内看板|亀山市歴史博物館
またお出かけの際には亀山の歴史に触れてみてください。(N)




 

石を買い取ってもらえませんか?
と時々お問い合わせをいただきます。

結論から申し上げると、買取および引取はお断りすることが多いです。
状況によっては、撤去費用をいただいて作業することもございます。
積み込み完了荷台
なぜかというと、石製品は重量物の為、
引き取り作業と運搬費用を差し引くと
お支払いできないことがほとんどだからです。

お庭を作った当時は、石を設置できたはずでも、
その後、塀や駐車場などが作られ植栽が入ったりしています。
石の近くまで重機が入れない場合や、
ご自宅までの道路幅が狭くトラックが入れないなど、
作業自体が困難なこともあります。

クレーンなどの重機を使わない方法もありますが、
どうしても作業に時間がかかってしまいます。

お電話だけでは判断ができない為、
写真をお送りいただき、石の詳細やお庭の状況をお訊ねします。

1 所在地・・・基本的に愛知県岡崎市内・愛知県また近距離の方
2 製品  ・・・灯篭・飛び石・敷石・踏み石・庭石(銘石)など庭用石材
         (破損の有無・灯篭の種類・大きさ・石種・年代・状態)
3 数量 ・・・状況によって、石製品の数が多すぎてお断りする場合、製品によっては1点のみの為、お断りするケースもございます。        
4  搬出方法・・・道路幅・歩道の材質・道路からの距離・トラック駐車場所の確保(トラックの車幅2m 長さ6m 高さ2.6m)
クレーン横づけ可能か・屋根(カーポート)背の高い庭木や電線の有無など
5 期限 ・・・いつまでの作業を希望するか

上記内容をご連絡いただき、石の大きさと、庭の状況が分かる写真をお送りください。
大きな灯篭などサイズが測りにくいものは次の箇所を計測してください。
【雪見灯篭の場合】笠の長い辺
灯篭サイズ測り方
【立ち灯篭の場合】火袋(あかりを灯すパーツ)一辺の長さ
灯篭サイズの測り方
【地輪(一番下のパーツ)】幅 × 奥行 × 厚み
灯篭のパーツの中でも一番重たい部分です。
灯篭サイズ測り方
大きな灯篭の場合、地輪が大きく、厚みが分厚いことが多いです。
土に埋まっている厚みも重要です。
500キロを超えることもあり、トラックが近付けない場所では
クレーンでのつり上げが出来ないこともあります。
処分の場合には、現地で石を割って運び出すこともあります。

【全体の写真】灯篭には様々なデザインがあります。
引取りの可否には、灯籠全体のバランスも重要です。
こちらは江戸型という灯篭で昭和初期に製作されたものです。
小さな欠けがありましたが引取りしました。
石灯篭江戸型
さまざまなご事情で、行き場を失ってしまう石製品
「引き取ってもらった方が石にもいいんじゃないか」
そんなお気持ちに、お力になれればと思います。

石は年月の経過とともに味わいが増します。
敷石などには使用しないと出ない石肌があります。
また、形やサイズによっては古くないものでも
引き取らせていただくものもございます。

ご希望に添えないことが多いですが、一度ご相談ください。

石に携わる人たちの想いや苦労を知ると、
簡単に処分することにはどうしても抵抗があります。
石のことを思うと、活かす道を考えていただきたいです。(N)

↑このページのトップヘ