石の表面がピカピカしている加工を磨き仕上げといいます。
ビルの壁面や表札、記念碑・墓石などで多く見られます。
機械を使う研磨ではなく、
今回は手作業で磨く方法をご紹介します。
機械とは異なる手作業ならではの、
温かみのある仕上がりになります。
≪用意するもの≫
石材 砥石 手桶(バケツ) 水 赤鉛筆 古布5-6枚
砥石は目の粗さを番号で表します。
目が細かくなるほど数が大きくなります。
数の少ないものから番数を上げて、
石の表面を砥石でこすると表面が磨かれていきます。
下の写真左から
200番 400番 800番 1500番 3000番
今回は5種類の砥石を使用します。
【砥石表面 手触りの違い】
200・・・ザラザラ
400・・・こすると引っかかる
800・・・習字の墨のよう
1500・・・スルスル
3000・・・ツルツル艶がある
こちらの本御影石(兵庫県六甲山の石)を磨きます。
機械で切った状態
石を磨いていきます。
①砥石(200番)・・・形を作るなら、この段階で行います。
切削した角張った縁を、丸くなるように擦ります。
まず、水で石の表面を濡らし砥石の平面を使って
力を入れて擦ります。
石が薄いものは割れないように気を付けます。
擦る音は、鳥肌が立つような目立つ音がします。(15分位)

全体を擦ったら水で洗い流し、表面を乾かして
太陽光に当て、磨き残しをチェックします。
磨き残した箇所は赤鉛筆で塗りつぶし、
再度、砥石で擦り均一に仕上げます。
この作業を、砥石の番数を上げて繰り返していきます。
200番仕上げ さらさらして気持ちのよい肌触りになりました。
②砥石(400番)・・・念入りに行います。
擦る音はシャラシャラしています。(15分位)
※砥石を変える時には手桶の水も交換します。
同じ水を使用すると、砥石の番数を上げた時に
磨き面を傷つけてしまうからです。
手桶の水や下に敷いた布にも、砥石の粒が付いているので、
交換してから次の砥石に移行します。
400番仕上げ スルッスル スルスルーと滑らかな触り心地です。
色が濃くなり、光にかざして斜めから見ると艶が出てきます。
③砥石(800番)・・・ねんごろに作業します。
擦る音が変わり、音も小さくなります。
砥石の滑り方がスルリとし、石と砥石の接地面が増えた感じがします(15分位)
砥石で擦っていると、砥石が削られ水が濁ります。
(砥石の色によって色が変わります)
800番仕上げ 手を置くと滑る感じ
小麦粉をまな板に広げる感覚に似ています。

④砥石1500番・・・砥石で擦っていると、滑らかですが
少し引っかかりを感じます。
この辺りになると無の境地
無心に、今までの倍の時間をかけて入念に行います(30分位)
1500番仕上げ 撫でていたい さわり心地がいい
室内で見ても艶が少し出てきます。
⑤砥石3000番 砥石で擦っても、音はほとんどしなくなります。
窓ガラスの掃除をしているように、引っかかりが少なくなります。
(15分×2)1500番同様に時間をかけて入念に行います。
3000番仕上げ 完成

原石の上に磨きの石を置いて比較すると、
石目がはっきりとしたことがよく分かります。
昔の磨き加工は、女性が手作業で行うのが一般的だったそうです。
体重を乗せて磨くと、濃い色に仕上がるので
同じように男性が作業すると、もっと濃い色に仕上がります。
もっとピカピカさせることも可能ですが、
手で触れながら使用するマウスパッドということもあり、
見た目にも優しい手磨きで仕上げました。
『擦る→洗う→撫でる→眺める』を繰り返し
常にこの石に触れていると、
愛着が湧き手元から離れるのが、惜しくなってしまいます。(N)
機械で磨く方法
タグ:本御影石
【設置事例】柚ノ木灯篭(本御影石) 長野県寛慶寺様
寛慶寺様(長野県善光寺市)に設置いただいた灯篭のお写真をご紹介します。
本御影石で製作しました柚ノ木灯篭です。表玄関の前に立てていただきました。

堂々とした姿は、お庭の中に入れるのとは違う潔さがあります。このように設置していただきとても嬉しいです。 柚ノ木灯篭の本歌(原型)は奈良県の春日大社にあり、重要文化財に指定されています。
灯篭の種類の中では有名な型です。
【柚ノ木の受】柚ノ木灯篭の特徴的な蓮弁は、優しい曲線で表現されています。

本御影石(ほんみかげいし)とは
兵庫県神戸市六甲山で採れる石です、現在は採石されていません。本御影石は「御影石」の語源となった銘石で、淡紅色で石質は硬い石です。

高級墓石や記念碑・庭石・沓脱石・水鉢などに使用されます。色は紅色の濃いものから薄い色まで様々で、石目も細目から中目があります。淡い紅色で優しい色合いです。

苔もきれいで灯篭が品よく引き立っています。
長野の善光寺へお出かけの際には、お隣の寛慶寺へもお参りして灯篭をご覧いただきたいです。多くの方に石灯篭の魅力を感じてもらえたら嬉しいです。
本御影石で製作しました柚ノ木灯篭です。表玄関の前に立てていただきました。

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