岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

タグ:火袋

桂離宮にある石灯籠のひとつ「松琴亭灯籠」の窓穴が、波や風を表しているかもしれないと考えました。

桂離宮の石灯籠を製作または設計した人物や、デザインの資料を以前より探していましたが、明確に書かれたものは今のところ見つけられていません。有力な資料は残っていないのか、存在しないのかもしれません。

(松琴亭の窓穴デザインについての過去の記事)

桂離宮とは
江戸時代初期、八条宮智仁親王が月をめでる別荘を作りはじめる
・息子の智忠親王まで引き継がれ、約50年をかけて完成
・京都桂川の畔にあり、桂川の水を庭園の池にひいていた
・現在は宮内庁が管理し、一般参観可能
・日本の建築と庭園の最高峰といわれている
・独自デザインの石灯籠が多数ある

源氏物語の中で、桂川の畔に光源氏がつくった別荘「桂殿」が登場します。そして、この地は月の名所とされ貴族のあこがれの地でもありました。そのモデルとなった土地に造営されたといわれるのが桂離宮です。

観月は空の月だけではなく、池やつくばいの水面に映る月も楽しんだそうです。つくばいに映る月を柄杓ですくうアイディアにも遊び心があります。
水面に映る月
また桂離宮には、「月見台」や「浮月の手水鉢」、「月見橋」、「月波楼」など月にまつわる名称や装飾品が目白押しです。月の出や位置を把握し、空も池も見えるよな建物や茶室を設けたり、月を楽しめる工夫がされていたりします。月は夜を照らす尊いものだったのでしょう。

和歌や書など文化面や、学問にも長けていた智仁親王の細部へのこだわりは情熱さえ感じます。そんな桂離宮にある石灯籠に、意味が込められていないとは考えづらいです。

では、松琴亭灯篭の火袋(火の灯る部分)の穴は何を表しているのか?三連のギザギザ型は、他の灯籠では見かけないデザインです。
松琴亭火袋の窓穴三連ギザギザ
多くの灯籠の火袋は、向かい合わせに円と三日月型の穴があります。これは月と太陽を表すといわれています。

この灯篭は池の脇に建っており、この場所が船着場になっていたとしたら、足元を照らすとともに水面や船べりを照らすための石灯籠だったと考えられます。

舟で松琴亭へ向かう時の目印となる灯りなのだから、火袋にあるギザギザの窓は、舟が作る波の形なのかも。はたまた、舟で感じる心地よい風を表しているのかもと灯籠を眺めながら考えています。当時の人たちが舟遊びをしたり、和歌や管弦を楽しんでいる雅な時間を想像していると桂離宮での観月を味わってみたくなります。

火袋のデザインなど何かご存じの方がいらしたら教えてください。(N)



石燈籠の種類の一つに、自然の石を組み合わせて
作られる野面(のづら)灯篭があります。

山灯篭・化け灯篭と呼ぶこともあります。
自然の中から相応しい形やサイズを選び、
一つの灯篭として調和させることは簡単ではありません。

こちらは、弊社で展示販売している
本鞍馬石の野面灯篭(高さ5尺)※既に完売(2025年現在)
野面灯篭(山灯篭)火袋 (1)
自然の石を組み合わせており、世界にひとつの灯篭。
ひとつひとつの石を見ても面白く
特に玉や笠は、本鞍馬石らしい石肌をしています。
野面灯篭(本鞍馬石
笠の底面はほぼ平らですが、カット面ではありません。
火袋に使う石は、中央にくり抜きの加工をします。
野面灯篭(山灯篭)火袋 (2)
笠との接合面、受との接合面など
合わせ目は、安定するように加工しています。

平らに石を切って合わせているわけではないので
少しでもずれてしまうと、不安定になる恐れがあります。

例えば、火袋の上下向きを間違えて設置してしまうと
不安定になり危険です。

ただ、積み重ねているように見えても
合わせ目の加工がしっかりとされています。
印を付けずに解体してしまうと、
同じように立てることが難しいので注意が必要です。

特に火袋の向きは印がないと分かりづらいです。
印のないパーツは、正しい接合位置を探すのも一苦労です。
どうしても分からない時は、より安定する場所と向きを探しながら立てることになります。
野面灯篭(山灯篭)火袋 (3)
別角度だと石の見え方が変わるのも、自然石の魅力です。
均整のとれた形ではなく、個性がある石の方が
面白味が出て魅力的な灯篭になったりします。
野面灯篭(本鞍馬石
野面灯篭(本鞍馬石
こちらの地輪(台になる石)は
沓脱石にも使えるような形なので、鞍馬石を使った贅沢な灯篭でもあります。
野面灯篭(本鞍馬石
自然石を組み合わせた灯篭は、素朴に見えますが
美しい野面灯篭を生み出すには、石を見極める力と
良い石との巡り合わせが必要です。(N)



京都府宇治市にある平等院は世界遺産にも登録されている寺院です。建築物や庭園同様に平安期に作られたといわれる石燈籠が鳳凰堂正面に1基あります。この灯籠の配置がかっこよく、建物に附属された建築の一部に感じます。石燈籠が全体を引き締めているかのように石燈籠をひいき目で見ております。
平等院型石燈籠
平等院型灯篭の特徴は2枚の石をそれぞれ立ててその間を火口としている火袋です。
平等院型石燈籠|火袋
平等院のHPによると、この間から本尊の阿弥陀如来像を照らし出し礼拝を供養するものと考えられているそうです。
平等院型石燈籠|火袋
泥台(一番下の石)を扇形の4枚の石を合わせて一つの円形にしている所も、この灯篭のポイントにもなっています。
平等院型石燈籠台
地輪には大きな複弁(1枚の花びらに膨らみが2つある)の花弁が6枚 間にある小花も大きく彫刻されています。また格狭間を連ねて彫刻する際は両端の枠は隣同士で共通にすることが多くありますが、平等院のものは一つ一つを四角で囲い、縦の枠は幅広に彫刻されています。
平等院地輪
【一般的な地輪の格狭間と反花のデザイン】
石灯籠地輪の格狭間と蓮弁
灯籠の正面に反花の中心があり、花弁と格狭間中心が揃うように各6枚ずつ配置されています。
平等院型石燈籠地輪
大きなものに大きな装飾をしたたっぷりとした安定感があります。この間の取り方、リズム感がゆったりとした安定感をもたらしているのでしょうか。
平等院石燈籠
また、この灯篭は大きさが魅力でして、縮小した石燈籠を製作しても違った印象になってしまいます。広々とした空間に堂々と配置されると、安定と重量感が生まれます。
平等院型石燈籠|地輪
地輪の天面は緩やかな曲線で、このラインも気持ちが良いです。
この地輪は台座としても良いデザインではないかと思います、上に乗るものを引き立てるので、座像の仏像など置いたら似合うんじゃないかと想像してしまいます(N)

平等院型灯篭の魅力は今回では全てをお伝えできませんでした。
続きはこちら↓







本来、燈篭には火を灯す役割があったはず、火をともしちゃいけない燈篭とは一体?
雪見灯篭
こちらは雪見灯篭として販売していますが(一般的な雪見型ではなく創作的な灯篭です)雨の日に火を灯していたら消えちゃいます!そうなると、もはや燈篭の役目を失っていますので燈篭とは呼べません。が形式上、燈篭と呼んでいます。
石燈篭の笠の裏面には「雨返し」といって火袋に雨水が伝っていかない様に段差を作ることがあります。しかし、なんとこの燈篭、火袋の中央めがけて水が伝っていきます。なぜこのようになるかと言うとどら焼き形の笠の形状がポイントになります。あとは、ノミ仕上げなのも大切なポイントです。
雪見灯篭|どら焼き形の笠
笠が濡れると底面に水が伝い、滴が火袋の中に落ちます。
水が溜まる雪見灯篭
そして火袋の底面に水が溜まります。さらに溜まった水面にしずくが落ちると空洞になっている火袋に反響して水琴窟の様に音が響きます。
水が溜まる雪見灯篭
溜まった水は火袋の端からオーバーフローして自然排水しながらノミ肌を伝っていきます。
水が溜まる雪見灯篭
光の反射でキラキラする水の流れは、ノミ仕上げの良さに尽きます。
石肌に水が伝う
常に笠に水を落とすのも良いですし、雨の日を心待ちにする選択もあります。火を灯せないと言いましたが、火袋底面の穴を深くして防水仕様の電気を入れ込めば照明器具として石燈籠の役目を果たせます。ちょっと特殊な灯篭ですが面白いのでご紹介させていただきました。

こちらは石彫家 鈴木政夫氏のデザインです。通常の雪見灯篭にある受の部材はありません。(N)
政夫雪見灯篭の詳しい製品紹介を見る
政夫雪見|石燈籠



灯篭の火袋(明かりを灯す場所)に窓を追加して開けてほしいというご依頼がありました。
BlogPaint
三月堂灯篭は火口という窓が2面、残りの4面は壁面になっています。あかりを通路側にも出したいというご希望で丸窓を二ヵ所に追加しました。
加工方法をご紹介します。燭台(火を置く場所)の高さと、火袋の強度を考慮して穴の位置とサイズを決めました。
火袋に穴をあける方法
一段下げた面を作ります。
火袋に穴をあける方法
一段下げた面にコンパスで正円(穴をあける部分)を描きます。
火袋に穴をあける方法
正円に沿って一段下げた面の形を整えます。
火袋に穴をあける方法
穴をあけて完成です。
火袋に穴をあける方法
【穴あけ前】
火袋に穴をあける方法
【穴あけ後】窓が増え明かりが広がるようになりました。
火袋に穴をあける方法
このように展示している製品に追加で加工することも可能ですのでご相談ください。(N)
火袋に穴をあける方法









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