岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

タグ:灯篭修理

パーツの欠損、ヒビ、剥離などが見られる石造物
(石灯籠、狛犬や狐などの彫刻品、石碑、お墓など)の
保存、補修や修復、移動などについて、お話します。

【3年前に、移設工事をした三猿像】
腕や足が落ちてしまい、石の表面が剥がれていたり、小さなヒビも多くありました。
石造物の保存(補修・修復)
こちらの石像は、移動作業の前日に、ヒビの奥にボンドを差して補強しました。
表面には付着しないように、目立たないようにボンドを差します。

詳しくは、移設工事時のブログ記事↓


このように一つ一つ、対応が異なるため、ご相談を受けると、
はじめにご希望と現状をお伺いし、可能な方法をご説明します。

保存や補修をご希望される、そのお気持ちを大切にしたいので、
お力になれるよう、可能な方法を検討します。

そんな中でも、
「いじらないほうがいい」というお返事をすることがあります。
手を加えたり、動かしたりせず「現状のままの方がよい」という意味です。

倒壊などの心配がなければ
「このままの方が良い」と
ご意向とは異なるお返事もします。

【補修や移動をお断りする事例】
・動かすことによって、本体が破損してしまうほど風化している
・重量的に石を移動する方法がない
・直しても、強度的に問題があり再び同じ状況が見込まれる
・破損している箇所以外にもヒビが多い
※状況により判断が難しいので、一度ご相談ください。

【補修や移動をお勧めしない事例】
・動かすことによって生じるリスクが高い
・作業後に見込まれる改善具合が、高いものが望まれない
・作業後の将来的な経過(長期間保てない)
・費用が高額になってしまう
これらをご説明し、作業は可能だけれど、
費用をかけてまではお勧めはできない。など
状況に応じて、考えられることをご説明します。

キズや破損のある石造物は、取り扱いに特に注意が必要です。
作業中に破損したり、傷が増えることがないように作業します。
移動中の破損は、石の落下による事故にも繋がり慎重に作業します。

補修するため、取り外し作業や、移動(輸送車両までの移動や、固定作業など)、
工場までの輸送、お戻しする際の輸送など、
動かす都度、石に振動や衝撃が加わることとなります。

【取り外し作業】
慎重に行いますが、石には衝撃が加わります。

スリングベルトが石に直接かからないよう
バンキ(当て木)にスリングをかけます。
石造物の保存(補修・修復)|移動
一点に力がかかって、風化した石が欠けないように力を分散させます。
特に欠けやすい角に注意します。

作業中には、機械の振動が加わわることもあります。
また、石の状態や現場の状況に合わせて、
道具を作製して工事する場面もあります。
石造物の保存(補修・修復)|移動
石の状態に応じて、移動に耐えうる固定方法を行います。
石造物の保存(補修・修復)|移動
道路の段差などで、荷台が揺れることも想定して固定します。
石造物の保存(補修・修復)|移動
平らな道はなかなかありません。
ゆっくり運転します。
石造物の保存(補修・修復)|移動
取外しや、移動作業時に破損が生じる可能性が高ければ、
万が一のことも事前にお伝えした上で、可能な対策をします。

補修作業等が困難な場合には、お断りすることもございます。
私たちが出来ることがなかったとしても
石屋として考えられる対策を、お話しすることもあります。

屋外にある石造物でしたら、屋根や囲いをお勧めします。
石造物の保存(補修・修復)|移動
三方向の囲いと、屋根を付けることで
雨風をしのぎ、風化の進行を遅らせる効果があります。
石造物の保存(補修・修復)|移動
移動が困難な場合には、現地での作業もできます。
しかし、持ち出せる設備や道具に限りがあります。
作業方法にも限りがあるため、工場での作業の方が精度は上がります。

石の状態や、環境、ご意向など
ひとつひとつ状況が異なりますので、
石造物の補修をはじめ、移動や保存をご検討中の方は
一度お写真をご用意の上、ご相談ください。(N)




灯篭の玉(一番上のパーツ)の修理を行いました。
修理の様子をご紹介します。
ご依頼いただいた際の様子はこちら→修理前・修理のご相談
【修理後】
灯篭補修割れ欠け修理
くびれている部分で二つに分かれてしまっていました。
下のパーツは角が大きく欠けています。
【修理前】
灯篭補修割れ欠け修理
接合部はセメントで補修された跡が残っていました.。
まず、セメントを取り除くことから始めます。
灯篭補修割れ欠け修理
付け足す石を選びます。
石を濡らして、石の種類
石色や石の目(模様)の似た石を選びます。
灯篭補修割れ欠け修理
欠けている部分の凹凸に紙を当てます。
灯篭補修割れ欠け修理
凹凸が合うように、付け加える石のパーツを作ります。
灯篭補修割れ欠け修理
接合部は大きく削って、接着の食いつきを良くさせます。

元々の姿に戻すだけでなく、
将来を見据えた修理をしています。
削った石は残しておき補修に使います。
灯篭補修割れ欠け修理
上側のパーツの底面も、えぐるように石を削ります。
接着および芯となるボンドがボール状になるようにします。
灯篭補修割れ欠け修理
石を付け足す部分は中心部を四角にくり抜きました。
奥に広がる穴を作り、
ボンドを入れることで分離するのを防ぎます。
灯篭補修割れ欠け修理
隙間に石の粉を入れます。
作業中に残しておいた石を砕いて粉にします。
粉の大きさを大・中・小作ります。
修復の場合には、なるべく元々の石を使って修理するよう努めています。
灯篭補修割れ欠け修理
粉は少し盛り上がるように付けておきます。
盛り上がった部分を削って平らに加工します。
大きさの異なる粉を使ったことによって
均一ではない元々の石のような見た目になります。
灯篭補修割れ欠け修理
くびれた部分も隙間に石の粉を詰めて
同様に修理していきます。
灯篭補修割れ欠け修理
接着と補修が終わると元の姿になります。
本来の姿を取り戻したようです。
灯篭補修割れ欠け修理
着色をして完成です。
今回は先端の欠けは修理せず、
そのまま残すことにしました。

先端をきれいに作り直してしまうと
全体の古びた雰囲気との調和が崩れてしまうので
自然な雰囲気になるようにしました。
灯篭補修割れ欠け修理
【角に石を付けたし補修しました】
灯篭補修割れ欠け修理
【細くなった部分で二つに割れていた箇所】
灯篭補修割れ欠け修理
修理のご依頼は、いつの時代かに奉納した人たちや
灯篭を作った人、それを受け継ぎ守っている人たちの
想いに触れる仕事です。

補修前の姿に悲しんでおられたお客様に喜んでいただきました。
お正月前に灯篭が本来の姿を取り戻し、
地域の方々にお参りいただけるようになりよかったです。(N)







神社の前に建っている灯篭の玉が破損してしまい、修理ができますかと石を持ってお客様がご相談に来られました。まん丸の形で、コロンとした可愛らしい形の玉(灯篭の一番上のパーツ)です。
灯篭補修割れ欠け修理
既にセメントで修理した跡があり、座(下の部分)も大きく欠けて角がなくなっています。
灯篭補修割れ欠け修理
修理する際には、石に付いているセメントを取り除き、補修をします。
灯篭補修割れ欠け修理
使う道具や材料など専門的な言葉はイメージしづらいので、以前に修理補修作業をした写真などを参考に修理方法をご説明しました。「お地蔵様の左手が折れてしまっていても、新しく石を付け足して、手を作り直せますので、灯篭の玉も大丈夫です。」とお話ししました。
地蔵の修理欠け折れ修復写真
その他修理の作業例を弊社HPにてご紹介しています → 復元・修復(灯篭の欠け修理 洗浄及び傾き直し)
玉の先端も欠けているのでこちらも合わせて修繕させていただきます。
灯篭補修割れ欠け修理
お見積もりの上、今回はお預かりすることになりました。修理の様子はまたご紹介します。
修理の様子はこちら

破損した為に、灯篭の脇に置いてある姿があまりに気になりご相談に来られたそうです。20年前に弊社で灯篭の玉と笠をお買い上げいただいたそうで、その時は、知り合いの土地に灯篭がバラバラの状態で置いてあり、「灯篭が泣いているように見えて、持ち主に灯篭を引き取らせてほしいと頼んだ」そうです。不足していた玉と笠を弊社にご注文いただき、灯篭として再び建ててみると、「喜んでいるように見えてね」とのお話しを伺いました。もちろん石は泣いたり喜んだりしないのですが、実際にそう感じることは私たちにもあります。お客様に褒められた灯篭は誇らしげな表情になったり、お庭に納まった灯篭は安息の地を見つけたようなゆったりと堂々とした表情になります。そんな気持ちが共感できる時は何とも言えない嬉しさがあります。


神社の常夜灯の笠を修復しています。
普段なかなか見ることのない、石屋さんの作業工程をご紹介します。
今回は断面の石の厚みが10㎝程度あるので、断面にステンレス製のピンを差して
接着して修復します。
割れた石材のそれぞれ、同じ箇所に穴をあけるようサイズを測り、重量バランスを
考慮して印をします。
今回は石材の欠片も大きいので赤丸印の二か所にピンを入れます。
(柔らかい材質の石や、風化が進んでいる石の場合には、穴あけ作業の際に石が
割れてしまう危険があり修復をお断りする場合がございます。)
灯篭笠修復1
灯篭笠修復2
印の箇所に穴をあけ、石の断面に切り込みを入れ溝をつくります。
(石屋さんは、場を荒らすと表現します)
平らな断面に比べると溝があることにより接着剤の食いつきが増し、より接着効果が期待できます。
灯篭笠修復3
穴に石材用の接着剤をしっかりと入れます。
灯篭修復穴に接着剤
穴のまわり、断面全体にも接着剤をしっかりと塗ります。
灯篭修復接着剤
欠片側も同様に作業してステンレス製で溝のあるネジ式のピンを差します。
灯篭修復欠片ピン差
こちら側も断面に接着剤をしっかりと塗ります。
灯篭修復欠片接着剤
石同士をぐっと押しつけてくっつけた時に、はみ出す程度の厚みでしっかりと接着剤を付けます。
接着剤が乾かないうちに手際よく進めていきます。
こちらは石に合わせた色に調合したセメントです。
セメント色粉
石の断面の周囲は、接合部が目立たなくなるような色のセメントを使います。
乾いていない状態では茶色く目立ちますが、乾くとほどよい色になります。
灯篭修復セメント付け
ピンを穴に差し込みます。
灯篭修復接合1
しっかりと押し付けて
灯篭修復接合2
はみ出したセメントをふき取ります。
DSCF1531
石同士を固定して、しっかりと接着剤が固まり、安定するまで1週間から10日程度このまま待ちます。
灯篭修復固定
写真の左上の角が接着した箇所です。
灯篭修復固定
通常、石を固定する為に使うベルトがあるのですが、たまたまベルトが出払っていたので、
いろいろなものを使って縛ってあります。
ノミがぶら下がっているのがおもしろいので写真を撮ってみました。

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