岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

タグ:石の修理

根津神社(東京都文京区)の狐たちを16体修復させていただきました。

狐像の補修に使用した道具をご紹介します。
・チッパー(緑のホース)
・チッパーノミ
・ハンドグラインダー
・軸付きダイヤモンド刃
石道具ノミ(櫛刃ノミ) |補修道具
お預かりしている狐の多くは、毛並みが細かく彫刻されています。
この毛並みは一本ずつ彫っておらず、上から下へ同じラインが一気に彫ってあります。
狐の補修毛並みの再現
毛並みの模様は、一定の間隔かつ、ある程度の距離が繋がっています。
狐の補修毛並みの再現
等間隔で毛並みが彫られているので、これは道具の幅と考えられます。
刃先が櫛のようになった道具で彫られていたと推測されます。

この毛並みを再現できる道具を鍛冶屋さんに作ってもらいました。
特注のノミ(櫛刃ノミ)
先端がフォークのようになっています。
石道具ノミ(櫛刃ノミ) (2)
既存の毛並みと間隔が揃うように道具を作っています。
1㎝幅の台金に6枚と5枚の二種類
6枚になると先端が細くなり折れやすいため、6枚のノミは2本作ってもらいました。
石道具ノミ(櫛刃ノミ) (3)
鍛冶屋さんも初めて作る道具だったので
「試作の試作」と言いながら届けてもらったり、
石を加工する職人が手を加えたノミもあります。

白い部分は、石を付け足しています。上のノミで毛並みを彫りました。
狐の補修毛並みの再現
既存の毛並みと新しく作った毛並みが合わさる部分は
1本ずつ毛並みを繋げています。(N)
狐の補修毛並みの再現

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その他の狐の補修

狛犬の補修

石灯籠の補修

改修工事


パーツの欠損、ヒビ、剥離などが見られる石造物
(石灯籠、狛犬や狐などの彫刻品、石碑、お墓など)の
保存、補修や修復、移動などについて、お話します。

【3年前に、移設工事をした三猿像】
腕や足が落ちてしまい、石の表面が剥がれていたり、小さなヒビも多くありました。
石造物の保存(補修・修復)
こちらの石像は、移動作業の前日に、ヒビの奥にボンドを差して補強しました。
表面には付着しないように、目立たないようにボンドを差します。

詳しくは、移設工事時のブログ記事↓


このように一つ一つ、対応が異なるため、ご相談を受けると、
はじめにご希望と現状をお伺いし、可能な方法をご説明します。

保存や補修をご希望される、そのお気持ちを大切にしたいので、
お力になれるよう、可能な方法を検討します。

そんな中でも、
「いじらないほうがいい」というお返事をすることがあります。
手を加えたり、動かしたりせず「現状のままの方がよい」という意味です。

倒壊などの心配がなければ
「このままの方が良い」と
ご意向とは異なるお返事もします。

【補修や移動をお断りする事例】
・動かすことによって、本体が破損してしまうほど風化している
・重量的に石を移動する方法がない
・直しても、強度的に問題があり再び同じ状況が見込まれる
・破損している箇所以外にもヒビが多い
※状況により判断が難しいので、一度ご相談ください。

【補修や移動をお勧めしない事例】
・動かすことによって生じるリスクが高い
・作業後に見込まれる改善具合が、高いものが望まれない
・作業後の将来的な経過(長期間保てない)
・費用が高額になってしまう
これらをご説明し、作業は可能だけれど、
費用をかけてまではお勧めはできない。など
状況に応じて、考えられることをご説明します。

キズや破損のある石造物は、取り扱いに特に注意が必要です。
作業中に破損したり、傷が増えることがないように作業します。
移動中の破損は、石の落下による事故にも繋がり慎重に作業します。

補修するため、取り外し作業や、移動(輸送車両までの移動や、固定作業など)、
工場までの輸送、お戻しする際の輸送など、
動かす都度、石に振動や衝撃が加わることとなります。

【取り外し作業】
慎重に行いますが、石には衝撃が加わります。

スリングベルトが石に直接かからないよう
バンキ(当て木)にスリングをかけます。
石造物の保存(補修・修復)|移動
一点に力がかかって、風化した石が欠けないように力を分散させます。
特に欠けやすい角に注意します。

作業中には、機械の振動が加わわることもあります。
また、石の状態や現場の状況に合わせて、
道具を作製して工事する場面もあります。
石造物の保存(補修・修復)|移動
石の状態に応じて、移動に耐えうる固定方法を行います。
石造物の保存(補修・修復)|移動
道路の段差などで、荷台が揺れることも想定して固定します。
石造物の保存(補修・修復)|移動
平らな道はなかなかありません。
ゆっくり運転します。
石造物の保存(補修・修復)|移動
取外しや、移動作業時に破損が生じる可能性が高ければ、
万が一のことも事前にお伝えした上で、可能な対策をします。

補修作業等が困難な場合には、お断りすることもございます。
私たちが出来ることがなかったとしても
石屋として考えられる対策を、お話しすることもあります。

屋外にある石造物でしたら、屋根や囲いをお勧めします。
石造物の保存(補修・修復)|移動
三方向の囲いと、屋根を付けることで
雨風をしのぎ、風化の進行を遅らせる効果があります。
石造物の保存(補修・修復)|移動
移動が困難な場合には、現地での作業もできます。
しかし、持ち出せる設備や道具に限りがあります。
作業方法にも限りがあるため、工場での作業の方が精度は上がります。

石の状態や、環境、ご意向など
ひとつひとつ状況が異なりますので、
石造物の補修をはじめ、移動や保存をご検討中の方は
一度お写真をご用意の上、ご相談ください。(N)




狛犬の修理(顔)をしました。
仕上げと完成の紹介をします。

【修理前】顔がありません
神社の狛犬修復|修理前
【修理後】新しい石を付け足して顔を作りました
作業の様子はこちらから → 狛犬の修理(加工)
神社の狛犬修復|修理後
白い石の部分が新しく石を付け足した箇所
神社の狛犬修復|石の修理
神社の狛犬修復|石の修理
牙も作りました 舌の黒い箇所は黒雲母
神社の狛犬修復|石の修理
狛犬は二体を1対として設置されます。並んでも違和感のないよう似せて作ります。
【補修した顔】
神社の狛犬修復|修理後
【補修していない顔】
神社の狛犬修復|石の修理

狛犬があった神社へ設置しました。
愛西市(神明社)にて、
神社の狛犬修復|石の修理
新設された台石の上に修復した狛犬を乗せました
既存の石に合わせて補修部分を着色して、自然な色合いに仕上げました。
神社の狛犬修復|石の修理

こちらは神社の総代様からのご相談で、
狛犬に破損があり、作り変えをご検討とのことでしたが、補修可能な状態だったため補修し再設置することになりました。また拝殿の建て替えにともない、境内の石製品の新設や配置換えもお手伝いさせていただきました。(N)

狛犬の修理 加工編


狛犬の修理 修理の前に


狐の修理

石が欠損した狛犬の顔を修理しました。
【修理前】眉間・鼻・上唇がありません
神社の狛犬修復|石の修理
【修理後】
神社の狛犬修復|石の修理
~補修を行う前に~
狛犬は、二体で一対として配置されますので、
一体のみの破損でも二体お預かりして修復します。
補修後、並べて配置しても違和感のないように似せて作るためです。
神社の狛犬修復|石の修理
破損部に石を付け足す方法で修復をします。
まず破損している面を平ノミで彫ります。
神社の狛犬修復|石の修理
なぜこのような形にしたかというと
・平らな面同士でくっつけるようりも、複雑に入り組んでいる方が強度がある
・石の場合、付け足した石が薄いと加工時に割れやすく欠けやすい。

断面の形を、付け足す石に写し取ります。
今回の狛犬は地元で採れる夏山石製だったので、同じ石が用意できました。
神社の狛犬修復|石の修理
顔のはめ込みに合わせて、付け足す石を加工します。
神社の狛犬修復|石の修理
接合部にステンレスピンを入れ、額には接着剤が石に食い込むように切り込みを入れます。
神社の狛犬修復|石の修理
本体とぴったり合わさるように付け足す石の接合面を削って、本体に沿うようにします。
神社の狛犬修復|石の修理
どの面も隙間なくピタッと形が合っています。
神社の狛犬修復|石の修理
上から見たところもピッタリ
神社の狛犬修復|石の修理
石材用の接着剤をつけて固定します。
神社の狛犬修復|石の修理
もう一体の狛犬を参考にしながら、接着した石を削って顔を作ります。
神社の狛犬修復|石の修理
目は破損せずに残っていたのですが、周りの顔を作っていくと目に力が籠ったように見えてきます。
神社の狛犬修復|石の修理
完成編へ続きます。(N)


狛犬の修理 完成編


狛犬の修理 修理の前に


狐の修理



石臼でお餅をつきたいけど、汚れが気になるとのご相談がありました。
実は、「自分でサンダーで磨いてみたけれど、上手くいかない」とのこと。

持ち込まれた石臼は、側面の持ち手が扇形に彫刻してある手の込んだ作りで、
岡崎の上質な石が使用されていました。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (3)
縁が少し欠けていたので、角にノミを当てて丸くします。
石臼(餅臼)をきれいに磨く欠け
石臼(餅臼)をきれいに磨く (6)
石臼(餅臼)をきれいに磨く (7)
昔の職人さんが彫った時のノミ跡が残っていて、
ノミ底に苔が入り込んでいます。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (4)
ダイヤで削り、砥石を当てて凹凸をなくします。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (8)
次に、水を掛けながら石を削って磨いていきます。
内側に赤色を塗ると、石の表面に砥石の切削キズがあるのがわかります。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (10)
石の表面の高い位置にしか赤色がつきません。
赤色の中に、砥石の切削キズと凹凸がたくさんあります。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (11)
キズと凹凸を削って、全体を均一に磨いていきます。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (14)
全体を磨いたら、もう一度全体に赤色を塗ります。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (12)
初めよりも赤色の中にあるキズが減ってきました。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (13)
細かな目の砥石に変えて、更に磨いていきます。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (20)
磨きの工程は水を流しながら行う為、臼の中に水が溜まってしまいます。
石臼を斜めに固定して、水が穴に溜まりにくくし作業します。
機械を石に押しつけながら作業するので、
石臼を回転させては固定し直し、少しずつ内側を磨いていきます。

磨きの工程は、砥石の粒子の細かさを変えて同じ作業を繰り返して仕上げます。
ピカピカに磨きすぎると、お餅が滑りすぎてしまうのではないか
ザラザラだと、お餅を返す人の爪が削れてしまうのではないか
と考慮して400番仕上げにしました。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (1)
写真では分かりづらいですが
触るとスルスルと滑らかで、ひっかかりがありません。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (24)
縁の内側も角を丸めました。
お餅をつく時、杵が臼の縁に当たると石が欠けたり、
杵が割れたりしてお餅に欠片が入ってしまうのを防ぐ為です。

内側の縁から2寸(約6㎝)下くらいに『かえし』を作りました。
お餅つきで臼を温める時に、はった湯をかき出しやすくする為です。
石臼(餅臼)をきれいに磨く (22)
今回石を加工した職人いわく、
「この石はキメが細かくて粘りがあったから、ただ硬いだけではなく、杵の衝撃に耐えられる石臼には最適な石を選定して作っていたのではないか。石臼の中でも上質のものだと思います。」とのことでした。(N)

【注意!!】石臼で餅つきをする前に
石臼にヒビがあると、餅つきの衝撃で石が破損することも考えられます。
ご使用前に、石にヒビが入っていないかを確認することをお勧めいたします。(2021.12.3追記)

~関連記事~
◆石を磨く『砥石』について↓


◆石臼のヒビ補修↓


石臼の側面のサビ落とし


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