岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

タグ:石灯籠欠け

石灯籠などの補修・修理のご相談には、
サイズや補修箇所、石の状態や割れ・欠け具合を総合的に判断して
可能な修理方法をお伝えしています。
・破損部の補修
・破損のあるパーツのみを作り替える
・灯篭を全て作り替える など
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
何が最善の方法なのかは、持ち主の方のご意向も重要になります。

今回のお客様のお庭には、
古い灯篭がたくさんあり、石に限らず、物を大切に扱う気持ちが伝わるお庭でした。
灯籠にまつわるお話を伺いながら、修理の方向性を相談します。

ご依頼の灯籠は「吉野型」という灯籠です。
破損した宝珠は、もともと別の灯籠のものだったので、
この機会に吉野型の宝珠を作ることになりました。
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
お庭にあった火袋や笠の形には丸みがあり、
可愛らしい印象の灯籠だったので、既存のパーツと馴染むように作りました。
通常よりも全体にコロンとした宝珠
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
火袋は上に笠を重ねて置くため、強度が必要です。
破損の多い火袋の補修は、長い将来を考えるとお勧めできませんでした。
既存の火袋を見本にして、作り直します。
石灯籠の修理修復
火袋の石を繋ぎ合わせると、丸みを帯びた形がかわいらしい火袋です。
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
受の欠けてしまった箇所(写真では上下向きを逆にして置いてあります)
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
【欠けた2箇所の補修】
石をはめ込み接着します。
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
隙間に石を細かくして作った粉を詰めます。
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
はめ込んだ石を笠の曲線に合わせて削ります。
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
周りの石に色を合わせて着色します。
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
石灯籠の修理(割れ欠けの直し作り替え)
宝珠、火袋は新しく作り直し、受は補修しました。
石灯籠の修理修復(設置後)
新しくした宝珠を見て「かわいい」とお客様に褒めていただきました。

どのように直すか、何を残せるのか、
作った人への敬意を込め直させていただきました。
石灯籠の修理修復(設置後)
苔付きの良い環境なので、
宝珠や火袋も、周りの色に早く馴染んでくれることを期待しています。(N)










神社の前に建っている灯篭の玉が破損してしまい、修理ができますかと石を持ってお客様がご相談に来られました。まん丸の形で、コロンとした可愛らしい形の玉(灯篭の一番上のパーツ)です。
灯篭補修割れ欠け修理
既にセメントで修理した跡があり、座(下の部分)も大きく欠けて角がなくなっています。
灯篭補修割れ欠け修理
修理する際には、石に付いているセメントを取り除き、補修をします。
灯篭補修割れ欠け修理
使う道具や材料など専門的な言葉はイメージしづらいので、以前に修理補修作業をした写真などを参考に修理方法をご説明しました。「お地蔵様の左手が折れてしまっていても、新しく石を付け足して、手を作り直せますので、灯篭の玉も大丈夫です。」とお話ししました。
地蔵の修理欠け折れ修復写真
その他修理の作業例を弊社HPにてご紹介しています → 復元・修復(灯篭の欠け修理 洗浄及び傾き直し)
玉の先端も欠けているのでこちらも合わせて修繕させていただきます。
灯篭補修割れ欠け修理
お見積もりの上、今回はお預かりすることになりました。修理の様子はまたご紹介します。
修理の様子はこちら

破損した為に、灯篭の脇に置いてある姿があまりに気になりご相談に来られたそうです。20年前に弊社で灯篭の玉と笠をお買い上げいただいたそうで、その時は、知り合いの土地に灯篭がバラバラの状態で置いてあり、「灯篭が泣いているように見えて、持ち主に灯篭を引き取らせてほしいと頼んだ」そうです。不足していた玉と笠を弊社にご注文いただき、灯篭として再び建ててみると、「喜んでいるように見えてね」とのお話しを伺いました。もちろん石は泣いたり喜んだりしないのですが、実際にそう感じることは私たちにもあります。お客様に褒められた灯篭は誇らしげな表情になったり、お庭に納まった灯篭は安息の地を見つけたようなゆったりと堂々とした表情になります。そんな気持ちが共感できる時は何とも言えない嬉しさがあります。


神社の常夜灯の笠を修復しています。
普段なかなか見ることのない、石屋さんの作業工程をご紹介します。
今回は断面の石の厚みが10㎝程度あるので、断面にステンレス製のピンを差して
接着して修復します。
割れた石材のそれぞれ、同じ箇所に穴をあけるようサイズを測り、重量バランスを
考慮して印をします。
今回は石材の欠片も大きいので赤丸印の二か所にピンを入れます。
(柔らかい材質の石や、風化が進んでいる石の場合には、穴あけ作業の際に石が
割れてしまう危険があり修復をお断りする場合がございます。)
灯篭笠修復1
灯篭笠修復2
印の箇所に穴をあけ、石の断面に切り込みを入れ溝をつくります。
(石屋さんは、場を荒らすと表現します)
平らな断面に比べると溝があることにより接着剤の食いつきが増し、より接着効果が期待できます。
灯篭笠修復3
穴に石材用の接着剤をしっかりと入れます。
灯篭修復穴に接着剤
穴のまわり、断面全体にも接着剤をしっかりと塗ります。
灯篭修復接着剤
欠片側も同様に作業してステンレス製で溝のあるネジ式のピンを差します。
灯篭修復欠片ピン差
こちら側も断面に接着剤をしっかりと塗ります。
灯篭修復欠片接着剤
石同士をぐっと押しつけてくっつけた時に、はみ出す程度の厚みでしっかりと接着剤を付けます。
接着剤が乾かないうちに手際よく進めていきます。
こちらは石に合わせた色に調合したセメントです。
セメント色粉
石の断面の周囲は、接合部が目立たなくなるような色のセメントを使います。
乾いていない状態では茶色く目立ちますが、乾くとほどよい色になります。
灯篭修復セメント付け
ピンを穴に差し込みます。
灯篭修復接合1
しっかりと押し付けて
灯篭修復接合2
はみ出したセメントをふき取ります。
DSCF1531
石同士を固定して、しっかりと接着剤が固まり、安定するまで1週間から10日程度このまま待ちます。
灯篭修復固定
写真の左上の角が接着した箇所です。
灯篭修復固定
通常、石を固定する為に使うベルトがあるのですが、たまたまベルトが出払っていたので、
いろいろなものを使って縛ってあります。
ノミがぶら下がっているのがおもしろいので写真を撮ってみました。

壊れた常夜燈
灯篭の上に木が落ちてきた為に、常夜燈の上の部品が参道に落下してしまいました。
腐りかけた木が見上げるような高さから落ちてきたようで、これが日中人通りのある時間だったらと想像すると、ゾッとします。幸いにも、落下した時には近くに人はいなかったようでケガ人がなくて本当によかったです。
1m角の大きな常夜燈の笠はひっくり返って地面に落ちて割れてしまいました。火袋はバラバラに、玉は無事、受けは小さな欠けはありますが、割れはありませんでした。
壊れた石灯篭神社常夜燈
灯篭の笠の大きく割れた部分は修復することに、柱が折れて修復できない状態の火袋は新しく作り変えることになりました。

小さな欠けの場合、目立たない向きに欠けている箇所を向けて、直さずそのまま設置し直すことも考えられますが、今回のように常夜燈の笠が、これだけ大きく欠けていると重量バランスが悪いため危険です。
また柱が折れてしまった火袋は接着剤等で元の姿に戻すことも可能ですが、上に重たい笠、玉が乗ることを考えると強度が弱く危険なため修復は困難です。

石の質によっては加工途中で石が割れてしまうなど、修復が困難な場合もございます。こちらの灯篭に使われている石は非常に硬い良質の御影石で、割れた断面をみても風化せず、しっかりとした石目が見られました。
この常夜燈に刻まれていた年号は安政四丁巳年 1857年
常夜燈安政四年
今から158年前の灯篭です。
石質や造りを見ても、当時の腕の良い職人さんが加工したのだろうと想像できます。
これだけ硬い石を山から切り出すことも今とは比較できないほどに苦労したことでしょう。
幕末の時代に地域の人の願いが込められて建てられたであろう常夜燈、修復してまた神社の前に建てられるような姿にします。
修復の作業工程は、またご紹介させていただきます。
修復について>>

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