岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

タグ:破損

根津神社(東京都文京区)の狐たちを16体修復させていただきました。

狐像の修復工程を紹介しています。
狐像の復元修理|根津神社|狐02乙女稲荷
足の復元方法を紹介する前に、破損欠損の要因についてお話します。
前足の破損は、今回修復する16体のうち10体にみられました。
狐の像修復補修|根津神社|狐08駒込稲荷
前足を立てて座っている狐のデザインの場合
全般として、お腹の下や前足の下などは風化が早く感じました。

前足やお腹の下側は、石の表面が剥がれてしまったり、細い腕などは折れやすい傾向にあります。
狐の像修復補修|根津神社|狐02乙女稲荷
お腹の下側は、雨が直接当たらない部分です。
では、なぜ雨が直接当たる表面よりも風化が早く進むのか?

要因①
おそらく、石が吸収した水分の乾きが一番遅いのがお腹の下側など影になっている部分で、石に水分を含んだ状態が長く続きます。

要因②
前足や水板(狐と一体になっている台座)を作るときや、ノミで石をくり抜く時に石にクラックが入りやすく、石の中にクラックが残りやすいです。完成した時点で他の部分に比べ石に衝撃が加えられた状態です。

これらの要因を和らげる効果がありそうなデザインは、
前足を身体に沿わせて、体と前足の間を貫通させないことです。
狐の像修復補修|根津神社|狐駒込稲荷

乙女稲荷の狐02
風化によって失われた前足と子どもを復元します。
本体側の接合面には切り込みを入れて接着剤を染み込ませます。
狐の像修復補修|根津神社|狐02乙女稲荷
足先側も同様に接着剤を入れて切り込みを入れます。
狐の像修復補修|根津神社|狐02乙女稲荷
付け足す前足用の石
接合面は凹凸のある断面の形に合わせて加工します。(状況によってはこの限りではありません)
石が合わさる面同士は、平らにした方が加工は楽ですが、つなぎめが直線になり修復跡が目立ちます。
「つなぎ目を平らにしない理由」
・つなぎ目を目立たなくさせる
・複雑な形にして強度を上げる
・なるべく既存の石を残したい
狐の像修復補修|根津神社|狐02乙女稲荷
接合面は
断面の形に合わせて、石を少し削っては当ててを繰り返し凹凸を合わせます。
前足の付け根にボンドを入れます。
狐の像修復補修|根津神社|狐02乙女稲荷
指先側にもボンドを入れます。
狐の像修復補修|根津神社|狐02乙女稲荷
付け足す石の断面には、ボンドの食いつきを良くするために切り込みを入れます。
狐の像修復補修|根津神社|狐02乙女稲荷
ボンドを入れます。
狐の像修復補修|根津神社|狐02乙女稲荷
反対側も同様にして本体に取り付けます。
このような箇所は折れる心配がないため、
補強金具をいれていません。
狐の像修復補修|根津神社|狐02乙女稲荷
石を削って前足の復元が完了します。
【修復前】
狐の像修復補修|根津神社|狐02乙女稲荷
【修復後】
狐の像修復補修|根津神社|狐02乙女稲荷
欠損部分には、このように石を付け足して復元しています。(N)

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その他の狐の補修

狛犬の補修

石灯籠の補修

改修工事

神社の前に建っている灯篭の玉が破損してしまい、修理ができますかと石を持ってお客様がご相談に来られました。まん丸の形で、コロンとした可愛らしい形の玉(灯篭の一番上のパーツ)です。
灯篭補修割れ欠け修理
既にセメントで修理した跡があり、座(下の部分)も大きく欠けて角がなくなっています。
灯篭補修割れ欠け修理
修理する際には、石に付いているセメントを取り除き、補修をします。
灯篭補修割れ欠け修理
使う道具や材料など専門的な言葉はイメージしづらいので、以前に修理補修作業をした写真などを参考に修理方法をご説明しました。「お地蔵様の左手が折れてしまっていても、新しく石を付け足して、手を作り直せますので、灯篭の玉も大丈夫です。」とお話ししました。
地蔵の修理欠け折れ修復写真
その他修理の作業例を弊社HPにてご紹介しています → 復元・修復(灯篭の欠け修理 洗浄及び傾き直し)
玉の先端も欠けているのでこちらも合わせて修繕させていただきます。
灯篭補修割れ欠け修理
お見積もりの上、今回はお預かりすることになりました。修理の様子はまたご紹介します。
修理の様子はこちら

破損した為に、灯篭の脇に置いてある姿があまりに気になりご相談に来られたそうです。20年前に弊社で灯篭の玉と笠をお買い上げいただいたそうで、その時は、知り合いの土地に灯篭がバラバラの状態で置いてあり、「灯篭が泣いているように見えて、持ち主に灯篭を引き取らせてほしいと頼んだ」そうです。不足していた玉と笠を弊社にご注文いただき、灯篭として再び建ててみると、「喜んでいるように見えてね」とのお話しを伺いました。もちろん石は泣いたり喜んだりしないのですが、実際にそう感じることは私たちにもあります。お客様に褒められた灯篭は誇らしげな表情になったり、お庭に納まった灯篭は安息の地を見つけたようなゆったりと堂々とした表情になります。そんな気持ちが共感できる時は何とも言えない嬉しさがあります。


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