岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

タグ:補修

石灯篭の笠の修復をしております。
割れた笠を接着した直後は、色を付けたセメントが茶色く
隙間も広く、目立ちます。
灯篭修復接着直後
接着して、紐等で石同士を締め付け固定後、
10日程度経過すると、接着剤も定着してセメントの色も
石に馴染んで目立たなくなります。石の隙間も狭くなりました。
灯篭修復接着定着後
灯篭の笠、修理後 底面の写真です。
うっすらとラインが残っています。常夜灯補修後1
笠の上面の写真です。
うすく白っぽくラインがある部分がつなぎ目です。常夜灯補修後2
灯篭修理後の接合部
石の欠片がなかった部分をパテで埋めることも可能ですが、
今回はわざと埋めずにおきました。
常夜灯修復部分へこみ
この部分に水が集まるので、早く苔がつくように期待しています。
苔が付いて馴染んでいくと、厚みの部分のつなぎ目が目立たなくなります。
破損した火袋は新たに造り直しました。

灯篭の笠は参道側の角が欠けていましたが、
設置するときは修理した角を外側に向けて目立たなくしました。
常夜灯設置後火袋
向かって左手前が修復した角です。
常夜灯設置後
灯篭の火袋を着色してほかの部材の色に近づけることも可能です。
つなぎ目のラインが目立たないように着色加工もできます。
ご予算に合わせて修理修復の方法がございます。

今回の神社の場合、木々に囲まれた環境もあり、
比較的はやく苔汚れがつき、つなぎ目も目立たなくなると思われます。
背の高い灯篭で、つなぎ目が視界に入る機会が少ないことも考慮し、
つなぎ目の着色加工はしておりません。

破損の状況などにより、修理の方法も異なります。
欠けた石の欠片を砕いて補修に利用することもありますので、
修理修復をご検討の方は小さな欠片も探してみてください。

石製品の修理修復はこちら

神社の常夜灯の笠を修復しています。
普段なかなか見ることのない、石屋さんの作業工程をご紹介します。
今回は断面の石の厚みが10㎝程度あるので、断面にステンレス製のピンを差して
接着して修復します。
割れた石材のそれぞれ、同じ箇所に穴をあけるようサイズを測り、重量バランスを
考慮して印をします。
今回は石材の欠片も大きいので赤丸印の二か所にピンを入れます。
(柔らかい材質の石や、風化が進んでいる石の場合には、穴あけ作業の際に石が
割れてしまう危険があり修復をお断りする場合がございます。)
灯篭笠修復1
灯篭笠修復2
印の箇所に穴をあけ、石の断面に切り込みを入れ溝をつくります。
(石屋さんは、場を荒らすと表現します)
平らな断面に比べると溝があることにより接着剤の食いつきが増し、より接着効果が期待できます。
灯篭笠修復3
穴に石材用の接着剤をしっかりと入れます。
灯篭修復穴に接着剤
穴のまわり、断面全体にも接着剤をしっかりと塗ります。
灯篭修復接着剤
欠片側も同様に作業してステンレス製で溝のあるネジ式のピンを差します。
灯篭修復欠片ピン差
こちら側も断面に接着剤をしっかりと塗ります。
灯篭修復欠片接着剤
石同士をぐっと押しつけてくっつけた時に、はみ出す程度の厚みでしっかりと接着剤を付けます。
接着剤が乾かないうちに手際よく進めていきます。
こちらは石に合わせた色に調合したセメントです。
セメント色粉
石の断面の周囲は、接合部が目立たなくなるような色のセメントを使います。
乾いていない状態では茶色く目立ちますが、乾くとほどよい色になります。
灯篭修復セメント付け
ピンを穴に差し込みます。
灯篭修復接合1
しっかりと押し付けて
灯篭修復接合2
はみ出したセメントをふき取ります。
DSCF1531
石同士を固定して、しっかりと接着剤が固まり、安定するまで1週間から10日程度このまま待ちます。
灯篭修復固定
写真の左上の角が接着した箇所です。
灯篭修復固定
通常、石を固定する為に使うベルトがあるのですが、たまたまベルトが出払っていたので、
いろいろなものを使って縛ってあります。
ノミがぶら下がっているのがおもしろいので写真を撮ってみました。

壊れた常夜燈
灯篭の上に木が落ちてきた為に、常夜燈の上の部品が参道に落下してしまいました。
腐りかけた木が見上げるような高さから落ちてきたようで、これが日中人通りのある時間だったらと想像すると、ゾッとします。幸いにも、落下した時には近くに人はいなかったようでケガ人がなくて本当によかったです。
1m角の大きな常夜燈の笠はひっくり返って地面に落ちて割れてしまいました。火袋はバラバラに、玉は無事、受けは小さな欠けはありますが、割れはありませんでした。
壊れた石灯篭神社常夜燈
灯篭の笠の大きく割れた部分は修復することに、柱が折れて修復できない状態の火袋は新しく作り変えることになりました。

小さな欠けの場合、目立たない向きに欠けている箇所を向けて、直さずそのまま設置し直すことも考えられますが、今回のように常夜燈の笠が、これだけ大きく欠けていると重量バランスが悪いため危険です。
また柱が折れてしまった火袋は接着剤等で元の姿に戻すことも可能ですが、上に重たい笠、玉が乗ることを考えると強度が弱く危険なため修復は困難です。

石の質によっては加工途中で石が割れてしまうなど、修復が困難な場合もございます。こちらの灯篭に使われている石は非常に硬い良質の御影石で、割れた断面をみても風化せず、しっかりとした石目が見られました。
この常夜燈に刻まれていた年号は安政四丁巳年 1857年
常夜燈安政四年
今から158年前の灯篭です。
石質や造りを見ても、当時の腕の良い職人さんが加工したのだろうと想像できます。
これだけ硬い石を山から切り出すことも今とは比較できないほどに苦労したことでしょう。
幕末の時代に地域の人の願いが込められて建てられたであろう常夜燈、修復してまた神社の前に建てられるような姿にします。
修復の作業工程は、またご紹介させていただきます。
修復について>>

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