岡崎市 老舗石屋㈱杉田石材店のブログ
石灯篭(とうろう)庭園・神社用など石製品の製造販売

【創業190余年の老舗石屋】国内最大級の在庫展示数 石灯篭(とうろう)水鉢など庭用石製品をはじめ、石製品全般取り扱っております。本格こだわりの手作り石灯篭(とうろう)をお探しの方は実際に見比べてください。工場では職人の制作風景もご覧いただけます。~心のかよう石づくり~をめざし見る人の心が豊かになるよう心を込めて造っております。これからも技術を絶え間なく積み重ねてまいります。当ブログでは石彫刻品 記念碑 石像 モニュメント等の製作過程や設置事例をはじめ石屋の日々をお伝えしております。

タグ:豆矢

球面のある石を割る様子をご紹介します。
※球面と平面とでは、割りにくさに違いがあります。

この石は伊達冠石という安山岩です。
石を半分に割って、照明を作ります。
伊達冠石|石あかり制作石の選定 (9)
機械を使わずに、昔ながらの技法で
石が割れている風合いを楽しみたいとのご希望で、敢えて豆矢で割ります。

まず、矢を入れる穴をノミで彫ります。
石を割る方法|豆矢
狙い通りに割れるように、穴と穴の間隔を通常よりも狭めています。
P3044983
水平に割れるよう、穴の高さを揃えます。

穴の位置が決まったら、穴を深く彫ります。
石を割る方法|豆矢
矢が表面よりも奥側で効くように、穴の形を工夫しています。
石を割る方法|豆矢
豆矢を一周で14個入れます
石を割る方法|豆矢
石を割る時には、通常一方向からしか矢を入れません
下の写真のように片側からの矢だけで石は割れます。
(直線的に割る目的で、三方向から矢を入れることはあります)
石を割る方法
今回のように、四方から矢を入れることはしません。
ただ伊達冠石は花崗岩のような石目がなく、思い通りに割りにくい石です。
狙った形で半分に割れるよう一周矢を入れて割ります。
石を割る方法|豆矢
矢を石頭で叩いて、石を割ります。
石を割る方法|豆矢

石を割る方法|豆矢
割れ目は、直線的ではなく「石が割れた」という自然なラインになりました。
石を割る方法|豆矢
矢の周辺は、衝撃で泥の層が剥がれ落ちました。
石を割る方法|豆矢
割れたラインや、泥が落ちた自然な風合いには魅力があります。
石を割る方法|豆矢
茶色と黒のコントラストもあり、石の力強さも感じます。
石を割る方法|豆矢
泥の層が大きく落ちた箇所もありますが、
作為的には作れない形の面白さがあります。(N)


伊達冠石のオブジェ

伊達冠石のカット

伊達冠石を使った彫刻







石を割る方法のうち「豆矢」を使って割る方法をご紹介します。
現代では、機械で石を切ったり、セリ矢を使って割ったりできるため、
私たちの工場でも、豆矢の出番は少なくなっています。

用途や目的などに合わせてセリ矢と豆矢を使い分けています。
セリ矢について以前紹介した記事→【セリ矢を使った石を割る方法】
今回は、割り跡を楽しむため、豆矢を使って石を割ります。

90cm角 厚み15cmの石を半分に割ります。
使用する豆矢は7分(幅21㎜長さ60㎜)
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (5)
石に、豆矢を入れる穴をあけます。
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (4)
掘った穴に豆矢を入れます。
矢の半分くらいの深さが、穴に入っています。
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (6)
15cm間隔くらい(石や状況により異なります)に穴をあけ、豆矢を入れます。
穴の入口を広めに掘ることで、穴の中で矢が効き
打ち込んだ時に、表面の石が爆ぜにくくなります。
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (7)
今回割る「藤岡荒目」という石は、石の粒が大きな御影石です。
岡崎の石をはじめ、多くの花崗岩は割りやすい方向と、割りにくい方向があります。
藤岡荒目石も方向によっては綺麗に割れる石ですが、山から割り出してしまうと、
割りやすい方向は見た目では判断できなくなってしまいます。
実際に割ってみないと割れやすい方向がわからない場合があります。

今回は、まっすぐ綺麗に割りたい為、豆矢の数を通常よりも増やして割りました。
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (8)
通常のみかげ石でしたら、豆矢の数は半分でもきれいに割れてくれます。
90cmの長さに対して7cm間隔程度に穴をあけ
豆矢(7分)×5個と、少し小さ目の豆矢×4個を使用して割りました。
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (9)
「割りました」という雰囲気を出したい!とのご要望だったので、
豆矢できれいに割れてよかったです。石を豆矢で割る|石屋の仕事 (12)
割った石を並べると、ひとつの石を『割った』という感じが伝わります。
これくらいのサイズの石が割れた様子は、石の素材や重量感が感じられ、石の魅力が活きてきます。
石を豆矢で割る|石屋の仕事 (13)
お城の石垣などを見ると、豆矢で割った跡が見つけられます。
時代が変わっても、石屋の仕事は変わりません。
石を豆矢で割る|豆矢の跡 (1)
こちらは、豆矢を入れる為の穴を掘ったけど割らなかったのか、矢穴の跡が残っていた石
石を豆矢で割る|穴の跡
亀山城の石坂門の石垣(亀山市歴史博物館にて)(N)

石を半分にする方法には二種類あります。
①切る②割るという方法です今回は②割る方法をご紹介します。石屋ではよく見る風景です。職人さんたちがトン・トン・トン・・・と叩いてドスッと割り落としているイメージなので、自分にもできるのではないかと、石割体験をしてみました。(普段重いものなど持たない成人女性)すべてスタンバイしてもらい叩くだけの状態からスタートです。赤の斜線部が不要な為、割り落とします。
BlogPaint
今回使うのは9㎝程度の豆矢(まめや)という道具です。
石を割る道具豆矢まめや
横から見ると、こんな形です。
石を割る道具豆矢まめや
割りたいラインに機械で切り込みを1寸程度入れ、隙間に豆矢を入れます。
今回使う石には、矢を入れる近くに2ヵ所穴があいている為、うまく割れるように多めに4ヵ所に豆矢をいれました。石の大きさ的には3ヵ所くらいでも割ることは可能です。
石を割る道具と方法
矢を垂直に入れます。
石を割る道具 豆矢
豆矢の上部を石頭(セットウ)で打ちます。重さ1.5㎏の石頭を何度も振り下ろすは結構重労働です。
石を割る道具石頭1500グラム
端から順番に矢が止まるまで打ち込みます。ごくわずか石に入っていきます。
職人さんなら一回ずつ打てば終わりますが、素人の私がやる場合一つの矢を3回位叩かないと矢が入りません。叩いても叩いても「もう一回」「もう一回」と職人さんに言われます。
【右から左へ一通り打ち終わった後】次は左から右へ順に打っていきます。
石を割る道具と方法
立っている位置から矢までの距離が遠く、前かがみの体勢で力が入りにくく、やりづらいです。途中で矢が斜めに傾いてしまい職人さんにまっすぐ打ち直してもらうと、
「あ、今の効いちゃったな」
「え?」
「もう割れるよ」
一打ちトン!
石を割る道具と方法
最後に矢を打ち直してもらった矢が決定打となり3往復目にしてようやく割れました。たぶん職人さんなら一往復で割れると思います。。。本当に大変でした。
なんなく作業しているように見える作業が案外大変だったりします。イベントで行われる石割体験は作業しやすい位置と高さなど配慮して、割りやすい石を用意する訳ですが、当然ながら普段の仕事はそういうわけにもいかず。しかし、びくともしないような石が手のひらサイズの矢を数センチ打ち込むだけでゴトンっと動くのは、感動的でおもしろいです。
石を割る道具と方法
この細長い形状で水盤を作ります。









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